発言撤回どころか「ウクライナモンスター」と“追い暴言”
「(日本財団がウクライナ難民1名につき生活費を年100万円の支援等を行うことに関して)アンビリーバブルな世界です。もう、アンビリーバブル。ウクライナの所得はいくらです? ウクライナの何年分のお金を貰えるわけですか? それで、なんであなたたちはリッチじゃないんですか?」
戦火を逃れ、祖国・ウクライナから来日した約20名の避難民を前に、時に声を荒げながら、こう問いかけるのは、前橋市で日本語学校を運営する学校法人「ニッポンアカデミー」の清水澄氏(当時理事長)だ。
昨年秋より、ニッポンアカデミーはウクライナから避難してきた学生たちとの間で、学費の支払いを巡って対立していた。2月24日に清水氏が群馬県庁で開いた会見では、「家賃もタダ、税金もタダ、渡航費もタダで、はっきり言って難民貴族」と発言。
これに対し、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が「絶対に許されない、恥ずべき発言だ。この不適切な教育機関から離れることを勧める」とツイッターで怒りを露わにするなど、波紋を広げていた。
日本学士院理事長の清水澄が、難民を「乞食」「難民貴族」と言った。
— セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使 (@KorsunskySergiy) February 27, 2023
これは絶対に許されない、恥ずべき発言である。謝罪しなければならない。その他 ウクライナからの留学生には、この不適切な教育機関から離れることを勧める。 https://t.co/rTEyh1Tthw
いまだ騒ぎの冷めやらぬ3月20日、清水氏が理事長の職を解かれたことを、ニッポンアカデミーがホームページで伝え、これで事態は沈静化に向かうかに見えたのだが……。
同月22日に会見を開いた清水氏は、解任はあくまで「学校法人の判断」であり、「一連の発言の責任を取ったというのではありません」と説明。
“難民貴族”発言を撤回するどころか「(ウクライナ)学生のわがままを助長すると、『ウクライナモンスター』になってしまう」といった趣旨の発言で、またしても、ウクライナ避難民への支援を非難する主張を繰り返したのであった。