〈AV新法違反でも注目〉初公判“ハメハメジャッキー”こと映像制作会社役員が、熟女の無修正わいせつ画像をFC2に公開した呆れた理由「モザイクをいれると2日かかる」

無修正のわいせつ動画を米国の動画配信サイト「FC２コンテンツマーケット」で公開したとして、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪に問われた映像制作会社役員、角谷貴史被告（50）の初公判が3月27日、東京地裁であり、角谷被告は「間違いないです」と起訴事実を認めた。

角谷被告は契約書を交わさない個人間での撮影で制作された「個撮」と呼ばれる動画配信も常習的におこない、これが昨年6月施行のAV新法（アダルトビデオ出演被害防止・救済法）違反にあたるとして同法違反の初適用も受けており、注目を集めている。

起訴状によると角谷被告は、2017年8月から2021年6月までに6回にわたって、男女の性交場面等を撮影したわいせつな電磁的記録である動画ファイルを、パソコンから「FC2」に転送。不特定多数のインターネット利用者が設定した代金を払うことにより、公然と閲覧できる状態に陳列した。

公判当日、角谷被告は上下黒のスーツに紺のネクタイ姿、黒い手提げカバンを持って入室し、弁護人の前に無表情で座り、背筋を伸ばした。読み上げられた起訴状について裁判官に「どこか違うところがありますか、それとも間違いないですか」と問われると、「間違いないです」と答えた。表情は終始冷静だったが、首筋や額には汗が流れ、時折拭っていた。

続いて行われた検察側の冒頭陳述によると、角谷被告は愛知県で生まれ、高校卒業後に飲食店や映像制作の仕事に従事。2012年に映像制作等合同会社「グレイスエンターテイメント」を設立し、2016年7月ごろからFC2で、自ら製作したアダルトビデオの動画ファイル販売を始めた。

無修正の動画の方が売り上げが伸びやすいことや、動画にモザイク処理を施すと時間や手間がかかることから無修正動画の販売を続け、昨年2月までに約8300万円を売り上げた。

犯行の経緯として明らかにされた、角谷被告が無修正動画の販売をするようになったきっかけは、依頼を受けて納品したAVが公開できずに報酬を受け取ることができず、報酬の代わりに納品したAV現物を「譲渡」されたことだった。

約束された報酬分の損失を埋めるため、角谷被告は譲渡を受けたAV現物をFC2で無修正で販売するようになり、以降に撮影したAVも同様に無修正のままFC2で販売した。

無修正で販売していた理由は、無修正の方がより多く売れるだけでなく、修正する手間が省けるということもあった。通常、1時間の動画にモザイク処理を加えるには午前9時から午後6時までの作業が2日間必要なのだという。しかし、角谷被告は出演する女優に対し、無修正で販売する旨は説明してなかった。

冒頭陳述の間、角谷被告は膝の間で手を組み、ずっと検察官を見つめ、よそ見もせずに静かに聞いていた。角谷被告は「ハメハメジャッキー」や「尾張屋本舗」などのハンドルネームで動画を拡散させて人気になり、FC2内で1本1280円〜1980円で販売して荒稼ぎしていた。

自らが男優となって20代から50代の女性に“ハメ撮りを納得させる手法”を用いて次々と都内の自宅やホテルで撮影を重ねてきたが、この際も「大手メーカーの適正AVだから」と女性に虚偽の説明を繰り返してきたとみられる。

こうした悪質な手口を重く見た警視庁が昨年12月、AV新法初適用として角谷被告を再逮捕、東京地検が追起訴している。

※「集英社オンライン」では、あなたの周りで起きたトラブル・事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス：
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文／集英社オンライン編集部ニュース班