有名インフルエンサーのSNSや一部ネットニュースによると、千葉県立千葉高校にて今年1月に入り、校内で3件の現金盗難事案が相次いで起こった。学校側が何も対策を取らないため生徒らが自主的に無人の教室にスマホを設置、盗難の様子の撮影に成功したという。
某インフルエンサーのSNSによると、生徒たちは動画を学校に提出したものの『動画をすぐに消せ』『警察には絶対に言うな』と口止めされたという。
「集英社オンライン」では2月15日、千葉高校の教頭を取材。教頭は“もみ消し”を否定した。
これに対し生徒たちはどう考えているのだろうか。
〈千葉の名門高校でおきた“窃盗事件”動画撮影〉「動画撮影者は学校が動いていれば撮影しなかったと言っていた」加害生徒は「お金が欲しかった」ゲーセン豪遊目撃証言も…
県内トップクラスの東大合格実績で知られる千葉県立千葉高校で、今年1月に入ってから校内で3件の現金盗難事案が相次いで起こった。生徒が撮影した動画によって加害生徒が特定され、盗難事案は解決されたのだが、話はそれで終わらなかった…

SNSで拡散された画像(一部モザイク加工しております)
友達の金が盗まれて撮影を実行
同級生のある男子生徒は語る。
「1月に盗難が起きてすぐに学校で先生から説明がありました。事件(事案)そのものを隠すということはなかったですが、大事にしたくないのかなというのは感じました。
対応策も先生の巡回や自分で気をつけようといったものばかりで、積極的ではなかったような気がします」
「学校には盗難事件(盗難事案)を解決する気はなかった」と生徒たちは口を揃える。動画を撮影した生徒と近しい友人が、匿名を条件に取材に応え、胸中を明かした。
「今年度に入ってから2年生の中で盗難被害が10件以上起こっていました。動画の犯人も2年生です。学校は全部の被害を把握できていないと思いますが、運動部の部室でも盗難が続き、被害総額は生徒内で共有しているだけでも8万円は超えてます。1月中旬は1度に3人もお金を盗まれていますし、『正直ここまで続くと怖い』という思いでした。仮に今回の加害生徒が全ての事件(事案)の犯人だった場合、未成年だけに守りたいという気持ちはわかりますし、私たちも警察に突き出してほしいなどと思っていたわけではありません。

県立千葉高等学校
ただ、学校が犯人を見つけてほしかっただけです。しかし、学校は盗難被害が多発しているにも関わらず生徒の聞き取り調査もせず、犯人を捜すための動きをしてくれませんでした。
動画を撮影したのは友人ですが、仲のいい友達のお金が盗まれて、何か自分たちで動けないかと試しに撮影したら加害生徒が撮れてしまったと言っていました。動画を確認したら、カメラに映っていたのはクラスメイトのAだったんです」
「学校側で対応するから警察には行かないでほしい」
冬休みが明けてからAは学校を週に3日は休んでいたようだが、誰からも窃盗犯だとは疑われていなかったという。友人が続ける。
「学校を休んでいるはずのAがクラスメイトのカバンや机を漁っているわけですから、動画を見てびっくりしたと思いますよ。ただ、Aが犯人だって言われると頷ける部分もありました。
というのも学校を休んでゲームセンターで豪遊しているところを度々目撃されていましたから。今、考えればそのお金が欲しかったのかなって思います。
Aはヤンキーとかではなく、運動部で友人も多く冗談なども言う気さくなやつでした。学校に来なくなったのはイジメとかではなく、ただ単に嫌になっただけだからと思っていました」

SNSで拡散された画像(一部モザイク加工しております)
動画はすぐに担任教師に渡った。撮影した生徒はその日のうちに担任教師や学年主任など複数の教師に呼び出され、すぐに話し合いがおこなわれたという。
「先生たちからは『この動画が流出してしまうと加害者の人権も、更生するためのチャンスもなくなってしまう。学校側で対応するから警察には行かないでほしい。そして流出することのないよう動画を削除してほしい』と説明され、削除を約束しました。動画内で被害にあったクラスメイトも後日、『加害生徒を守るために警察には行かないでほしい』と説得されたと聞いています」(前出・友人)
では、削除された動画がなぜ、SNS上で拡散されたのか? 友人は「ノーコメント」とこたえるのみだった。
「去年財布からお金を盗られた生徒は直後に『次は証拠の指紋をとる』と財布をポリ袋に入れていました。それを見た先生が『警察に言ったら全生徒の指紋を提出させられたりと色々大変だから言わないでくれ』と言ったそうです。学校側が被害生徒の話をちゃんと聞き、きちんと調査をしていれば友人は動画を撮ることはなかったと思います」(前出・友人)
窃盗をしたことで、謹慎処分がくだったAは千葉県内の一般的な家庭で育った。「自宅もファミリータイプのマンションで、決してお金に不自由をしているご家庭ではない」「大きなトラブルもないと思う」とA家の知人は話す。
ただし、Aが認めた“窃盗事案”は2件であり、“連続窃盗事案”の犯人はいまだ判明されていない。千葉高校はホームページでは窃盗があったことは認めたもの「一部事実と異なる情報がありました」と記しており、生徒や保護者へは、後日あらためて説明する機会を設けるという。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班