〈突撃ルポ〉メンコン未成年わいせつ逮捕事件の店舗（東京・新宿）に女性記者が潜入してみたら…従業員の衝撃発言「まあ、暗黙の了解というか…」「女の子の方にも因縁があったんじゃないですか？」とまるで他人事！

逮捕された男の一人、調布市の本田孝一朗容疑者（22歳）はメンズ地下アイドルに所属しながら新宿・歌舞伎町のメンズコンセプトカフェ「X」で勤務していた。そこで昨年6月から7月にかけて勤務先の店内で17歳の女子高校生を相手に18歳未満と知りながら、4回にわたってわいせつ行為をした疑いだ。

その事件の舞台となったメンコン「X」は、新宿東宝ビル横の広場からほど近くに位置し、1階はコンビニ、他の階には居酒屋や他のメンコン店なども入る雑居ビルにあった。店の扉には「十八歳未満の方の立入りをお断りします」という触れ書きはあるものの、記者（40代）が入店する際の身分証確認などは行わなかった。
入口はステンレス製の重い扉で店外から中の様子は伺えず、扉を開けるとラフないでたちの青年が「いらっしゃいませ〜」と出迎える。

店内は思ったよりも明るく、白を基調に黄色と青が差し色で入ったスウェーデンカラーで爽やかな雰囲気には感じるが、コンセプトカフェというわりにはコンセプトは不明瞭。キャストの服装を見ても、スーツを着た者もいればスウェットにデニムという者もいて、統一感はない。また、取材時は週末の閉店間際だったからか、店内には20代前半くらいの女性単体客1名しかいなかった。

店のホームページを見ると「イケメンと話したい、推しを見つけたい、癒されに行きたいという目的のある方はぜひ」と書かれているので“イケメン”や“推し”や“癒し”が売りなのだろう。

着席すると、細見の若手スタッフＡがしゃがんだ姿勢でテーブルに肘をつき「どんなタイプの男性がいいとかご希望ありますか？」と聞くので「楽しい方で！」とオーダー。

「ずいぶんふんわりしたご希望ですね（笑）」と奥に一旦歩いて行くと、スーツ姿の韓流アーティスト風の“店の幹部”と名乗る男性が現れた。「Ｂです。こんな遅い時間にありがとうございます」とBが接客してくれることに。隣の椅子を掴んで座り込んだBに、記者は素朴な疑問を投げかけた。

――ホストクラブとコンセプトカフェの違いってなんですか？

基本、連絡先交換はできないしアフターもないんです。ほぼアイドルみたいな。その違いですかね。会いに行けるアイドルであって店外（店外デート）もない。ポイントゲットすると席についてくれたりするよーみたいな。それ以外は店でしか会えない存在。もしかして何かニュースとか見て来た感じですか？
僕らとしては健全に営業してるだけなんですけどね。風評被害がすごくて。メディアの書き方も盛りに盛られてしまって。

――嘘を書かれてしまったんですか？

嘘っていうか、オーバーに言われちゃって。
あの摘発の事件自体が、もう半年以上前の話なんですよ。その夏頃って未成年のお客様も入れる状態だったんですよ。で、9月頃に風営法の許可が下りて、そこからはもう健全に営業してるんで。

――でもなぜ、風俗営業の許可を取ることになったんですか？

このサービスは接待だからということで警察の指導が入ったんです。その当時、お客さんが多かったんで、目はつけられてはいたと思います。お店の形態自体はホストクラブさんと変わらない感じで、システムの違いだけがある感じですね。結構勘違いされているのは、今でも未成年の客入れてるんだろ〜とかってところですね。まあ、今回、未成年といたして捕まった本人が悪いんですけどね……。

――容疑者はVIPルームで未成年といたしてたってことですが、VIPルームってどこですか？

VIPルームって言っても……仕切りがあるだけなんで、ルームじゃないんですけどね（笑）。
パーテーション側からは覗こうとしなければ見えないですけど、入口から右側からは見えちゃいますね（笑）。でもその当時、あの腰くらいの高さまでの壁の所にぬいぐるみを積んでたんで、それで見えなかったのかも？
百歩譲って、あそこでハグしてたりとかイチャイチャくらいはあるんですよ。そういうのはもう見て見ぬふりというか、別に止めるのも変なので。だから相当、ぱぱっといたしたのかなって気はしますね。

――ぱぱっといたしたとしても、これまで被害女性と４度もいたしていて、誰も気づかないんですかね？

いやー。なんでそんな、半年前のことが、いま騒ぎになるんだってことですよ。女の子も構ってくれなくなったとか、そういう恨みがあってチクったんじゃないかと思うんすよ。でも4度してたら……1度目嫌だったら拒否するじゃないですか。だけど1回目ヤって、嬉しくて2回目ヤっちゃって、3回目ヤって最後4回目もヤってるわけだから……女の子の方にだって因縁っていうのも…それはあったんじゃないかなーと思うんですよねー。

――相手が未成年なのが問題なんですけど、誰もそれに気づかなかったんですかね？

いやまあ、まだ風営法の許可を取る前で未成年も入れてた頃でしたし。チューしてるくらいは見たことありますよ。でもそんな、チューやめろとか止めにいくのも変じゃないですか。

――いやいや、未成年相手に淫行に繋がるようなことは、やはり止めなきゃいけないんじゃないですか？

まあホールで堂々としてたら注意しますけど、VIPルームだったら、まあ、暗黙の了解というか……。いたしてたのを見たところで、どう止めに行くんだみたいなのもあるじゃないですか〜。お前らやめろーって言って、女の子が「きゃー」ってなったら、別の騒ぎになっちゃいますよね（笑）。

結局、犯行現場を見ていたかどうかはあやふやなまま、はっきりとは答えなかったBだったが、「僕らもあんなニュースになるとは思わなかったですよ。そのおかげで風評被害に遭うし、変に認知度が高まったおかげで迷惑系YouTuberが店に乗り込んできたり、態度の悪いウェブサイトの記者とかも来るしで営業妨害されまくって、困ってるんですよ」と、まるで自らが働く店で事件の被害者が出たことなど他人事のような口振りであった。

入店して率直な感想は、学生時代の文化祭ノリ、テーブルの置き方もどことなく教室の机のような雰囲気だった。入店時間は約40分、会計は2名でオムライス1品とドリンク代で合計6300円、ホームページに書かれていた"推し”や”癒し”の文言については、40代の記者が思い描くそれには出会えなかった。しかしながら居場所をなくしてトー横にたむろする少女にしてみたら、ここは天にものぼる楽しい空間なのかと思うと、なんとも虚しい気持ちで店を後にした。

これ以上の被害が出ないことを願うばかりだ。

取材・文／河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班