横浜にある自宅を未明に出発して、新潟まで車を走らせること約5時間。阿賀野市にある「村杉温泉 共同浴場 薬師の湯」でラジウムの含有量が日本一ともいわれる名湯を朝一番に楽しんだあと、五泉市にある「ブランドエッグ キムラファーム」で新鮮な産みたて卵を購入。
そしてチェックイン開始の朝9時に、2泊3日の宿泊地である念願の地「Snow Peak Headquarters」へ辿り着きました。
ここは、キャンプ好きなら知らない人はいないアウトドアブランド「スノーピーク」の本社と直営ストア、キャンプフィールド、ミュージアムなどが併設された、「キャンパーの聖地」とも言える場所。
牧場のために開かれた広大な草原のキャンプフィールドは自然豊かな丘陵地帯にあり、キャンプフィールドを含めた本社敷地の広さは約15万坪。天気のいい日には、粟ヶ岳や守門岳を臨めます。

1泊1650円で宿泊可能。キャンパーの聖地「Snow Peak Headquarters」は温泉もサウナも最高だった
新潟県三条市に本社を置くアウトドアブランド「スノーピーク」。広大なキャンプフィールドと、今年オープンしたばかりの複合型リゾート施設を訪ねてみると、テレビやWebで見るのとは大違い。自然を五感で感じることのできる、すべてが最高の体験だった。
複合リゾート施設「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」を堪能しよう
キャンプ好きなら一度は絶対

スノーピークが本社を置く、新潟県三条市にある「Snow Peak Headquarters」(写真提供/スノーピーク)

春から秋は緑の草原、そして冬はあたり一面雪で覆われる広大なキャンプフィールドを併設(写真提供/スノーピーク)

敷地内にはキャンプ用品からアパレル製品までを取り揃える直営店やミュージアムも展開されている(写真提供/スノーピーク)
フリーサイトは「E」がおすすめ
夏休みが終わったあとの平日に訪れたということもあり、キャンプ場は人もまばら。キャンプフィールドには「A〜G」に区画分けされたフリーサイトと、「H」のAC電源オートサイト、そしてトレーラーハウスの「住箱‐JYUBAKO-」があります。
私はサニタリー棟も近くてサイトも比較的フラット、そしてもっとも高台にあって見晴らしが抜群な「E」サイトを選択。あとで調べると、どうやらもっとも人気のある「ベスポジ」でした。
ちなみに、これから初めて行く人のためにアドバイスすると、サイトの予約はスノーピークのWebから可能ですが、サイトや場所の指定はできません。そのため、目的のサイトがある場合は早めにチェックイン(9:00〜19:00)するのがおすすめです。
ただし、Eサイトの駐車エリアすぐは(私たちがいたように)平日でも埋まっている可能性が高いので、場合によっては朝早くよりは、12:00に合わせて先客がチェックアウトする時間を見計らったほうがいいかもしれません。

キャンプフィールドの全体マップ。サニタリー棟はフリーサイトA〜F周辺に2カ所ある(写真提供/スノーピーク)


今回サイトを構えたEサイトは、貯水池を挟んで本社屋が見えるなど景色が抜群(写真/水川歩)
リーズナブルにキャンプを楽しめる
初めて聖地でキャンプした感想は、筆舌に尽くし難く、ただ「最高」の一言でした。
全国各地いろんなキャンプ場に行きましたが、本当にトップレベル。サイトは広々と使え、隣のサイトが気になることもなく、サニタリー棟(お湯の出る炊事棟、ウォシュレット付トイレ)はきれいに保たれ、本当に景色や雰囲気がピカイチ。
チェックイン時間が午後からというキャンプ場も多い中、朝早くからテントを設営できるので1日をじっくりと使えます。
そして、それでいて驚くのがサイトの利用料。フリーサイトはなんと1人1泊1650円(小学生550円、小学生未満無料。電源サイトはサイト利用料として1泊・日帰りにつきプラス3300円)と、本当にリーズナブルです。
キャンプ未経験の人も、道具なしで気軽にキャンプできる「手ぶらCAMPプラン」(宿泊/日帰り)や「手ぶらBBQプラン」「団体CAMPプラン」があるほか、スノーピーク製品のレンタルも可能なので、ぜひ一度は行ってみてほしいです。
新潟は「食」や「酒」も美味しくて魅力ですから。

1サイトは12m×12m(テント1張、タープ1張、定員6名)が基準(写真/水川歩)

芝生の中への車の乗り入れは禁止。サイト内を通る道沿いに駐車エリアがある(写真/水川歩)

宿泊または日帰り利用できる「手ぶらCAMPプラン」などもある(写真提供/スノーピーク)
極上の温泉とサウナで整う
実は、今回のキャンプの目的地はキャンプフィールドのほかにもう1つありました。
それは、Snow Peak Headquartersに併設された「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」。2022年4月15日にオープンした、スノーピーク初となる「浴」「食」「泊」を自然を感じながら楽しめる複合型リゾートです。
キャンプと「温泉」は切っても切り離せない、という人は多いと思いますが、その2つを同時に楽しめるSnow Peak Headquartersは、ちょっと異次元の体験でした。
世界的建築家である隈研吾氏の設計した美しい建物、この施設のためにセレクトされたお土産品や限定アイテムが並ぶショップ、上質なアメニティが揃ったロッカールーム、開放的な露天風呂と焚火を囲むような感覚で楽しめるサウナ、そして広いテラスでの外気浴。
初日はキャンプフィールドで食事やお酒、焚き火を楽しんだ夜に、そして2日目はそれらを楽しむ前の昼下がりに、まるで自然と一体化するような「整い」体験ができました。入浴料金はタオルセット込みで、大人1名1600円/12歳未満1100円(Snow Peak会員料金と地元料金は大人1名1400円)。

大きく設計された窓から四季折々の景色を堪能できる内風呂(写真提供/スノーピーク)

新潟県産の杉を使用した桶と椅子のある洗い場から一歩抜ければ露天風呂が(写真提供/スノーピーク)

セルフロウリュ可能なドライサウナ。座席はあたかも焚火を囲むかのよう(写真提供/スノーピーク)

外気浴スペースはとても気持ちよく、時を忘れてしまいます(写真提供/スノーピーク)
Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERSには、そのほかに地元で育った食材を使った料理を楽しめる「Restaurant雪峰」や湯上がり処「Snow Peak Eat」、そしてヴィラ棟(2タイプ、3棟)や隈研吾氏とスノーピークが共同開発したモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」の宿泊施設もあります(宿泊者は何度でも温泉&サウナが入り放題)。
キャンプフィールドに宿泊して、または日帰りで訪れるのもいいですが、いつかは広いデッキとキッチン、専用の外風呂&内風呂が備え付けられたゴージャスな「Villa Suite」に泊まるのもいいですね。
ともあれ初のSnow Peak Headquartersは、キャンプも温泉も、すべてが極上の体験となりました。
先述のとおり手ぶらで楽しめるプランも用意されているので、キャンプ未経験の方も、もちろんヘビーなキャンパーも、未体験の人はぜひ訪れてみてください。

軒裏は、焚火に不可欠な薪をイメージして作られている(写真提供/スノーピーク)

「Restaurant 雪峰」では地元の食材を活かした料理を楽しめる(写真提供/スノーピーク)

キャンプのような自然を身近に感じられるモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」(写真提供/スノーピーク)

広いデッキスペースと専用の外風呂を備えたラグジュアリーなヴィラ「Villa suite|Earth」(写真提供/スノーピーク)
文/水川歩