皆さんは、モザンビーク共和国(以下、モザンビーク)という国について、どれほど知っているでしょうか?
モザンビークは、アフリカ南東部の海沿いに位置する国。首都はマプト、人口は約3036万人(2019年:世界銀行調べ)で、日本の約2倍となる79.9万平方キロメートルの面積を有し、主にポルトガル語を公用語としています。
歴史に目を向けてみると、15世紀末に航海者ヴァスコ・ダ・ガマがモザンビーク島に到着したのち、多くのポルトガル人が来航。18世紀にはポルトガルの支配権が確立し、以降300年以上に渡って同国の植民地としての歴史を歩むことになります。その後、1975年6月に独立を果たしますが、約17年間に渡って内戦状態に。以降1992年に調停された「モザンビーク包括和平協定」によって内戦は終結し、現在は比較的安定した政情のもと、国家の再建と経済・社会開発が進展しています。
そんなモザンビークは、世界最貧国のひとつ。国連開発計画(UNDP)が毎年発表する「人間開発指数(HDI:Human Development Index)」は189カ国中181位(2020年度)と、人口の約半数が貧困線を下回る生活をしているとされています。また地域間の格差も広がっており、農村部、特に中部や北部地域において貧困層が多く、基礎サービスなどの拡充も必要とされます。
さらに頻発する自然災害、北部の紛争による避難生活の長期化、さらには新型コロナウイルスの感染拡大による栄養不良や休校によって、子どもや家族は一層脆弱化。多くの国際的な支援を必要とする状況が、モザンビークでは続いているのです。

人口の約半数が貧困。「世界最貧国」モザンビークを支援するフジテレビ系列28局のチャリティ活動
フジテレビ系列28局は毎年「FNSチャリティキャンペーン」を通じて、貧困・差別・HIV/エイズなどに苦しむ子どもたちの手助けになるような国際的支援活動に取り組んでいる。同キャンペーンではどのようなことが行われているのか。2022年度の支援対象国となったアフリカ・モザンビーク共和国の実情と併せて紹介しよう。
フラワーブーケの購入でも支援可能
モザンビーク共和国の実情

アフリカ南東部に位置するモザンビーク共和国

モザンビーク共和国は、世界最貧国のひとつ。地域格差も広がり、他の貧困国同様に多くの支援を必要としている
フジテレビ系列28局による積極的な取り組み
モザンビークをはじめ、このような過酷な状況で暮らす人々を少しでも支援したいと思う方は多いでしょう。支援の形はさまざまですが、フジテレビ系列28局が取り組む「FNSチャリティキャンペーン」を通じて貢献するのも、手段のひとつです。
1974年に設立されたFNSチャリティキャンペーンは、フジテレビ系列全28局とビーエスフジが協力し、放送やイベント、SNSなどで募金活動を行い、ユニセフ(国際連合児童基金)を通じ、厳しい環境で暮らす世界の子どものために支援活動を行うというもの。「世界の子どもたちの笑顔のために」をメインテーマに、毎年度支援国を決め、情報番組などで視聴者に募金への協力を呼びかけています。
FNSチャリティキャンペーンでは、今年度のモザンビーク以外にも、過去にはウガンダ共和国やトーゴ共和国、チャド共和国、マラウイ共和国、シエラレオネ共和国、アフガニスタン、モンゴル国など、設立から49年に渡って厳しい環境で生活する多くの子どもたちを支援してきました。募金累計43億8966万4013円(1974~2020年度のFNSチャリティキャンペーン)という金額からもわかるとおり、フジテレビ系列28局はさまざまな支援活動を通じて、恒常的に力強い社会貢献に取り組んでいるのです。

フジテレビは「FNSチャリティキャンペーン」をはじめ、さまざまな支援活動に取り組んでいる(https://www.fujitv.co.jp/charity/index.html)
堀池亮介アナウンサーが現地取材
FNSチャリティキャンペーンでは、募金活動だけでなく、実際に現地取材へ赴き、放送を通じてその実情を伝えてきました。
今年度はフジテレビ系情報番組「めざまし8」の情報キャスター・堀池亮介アナウンサーが2022年9月上旬から中旬にかけて実際にモザンビークを訪れ、貧困の中で暮らす子供たちの現状を取材。10月18日〜19日に放送された同番組内にて、その様子が放映されました。
また、この現地取材レポートと連動する形で、現在フジテレビフラワーネットが購入代金の中から500円がモザンビークの子どもたちへの寄付となる「希望~Peace&Hope」のブーケを販売しています。ブーケを構成する黄色のガーベラの花言葉は「希望」、オリーブの木の花言葉は「平和」。この2つの想いがカタチになり、モザンビークの子どもたちに想いを届ける、といった願いが込められているのです。

フジテレビフラワーネットから販売中の「希望~Peace&Hope」のブーケ(https://www.fujitv-flower.net/fns_f/)。購入代金の中から500円がモザンビーク共和国の子どもたちへ寄付される。価格は税込3300円(+配送料)
今回モザンビークを支援対象として選定した理由について、フジテレビ担当者は次のように話します。
「モザンビークは世界最貧国のひとつ。天然ガスなどの資源に恵まれていますが、その恩恵は多くの国民に届いておらず、国民の約半分が国際貧困ライン(1日1.9ドル)以下で生活しています。2019年にはモザンビークを過去最大級のサイクロンが二度も直撃し、気候変動による自然災害、農作物の不作、栄養不良やマラリア、感染症の増加が人々の生活に甚大な被害を及ぼしました。特に貧しい子どもたちは食糧難による慢性的な栄養不足、マラリア等の感染症により厳しい環境での生活を余儀なくされています。そこで日本ユニセフ協会と協議した結果、支援国として2020年度から3年連続となるモザンビークに決定しました」
最後に、FNSチャリティキャンペーンへの募金は、クレジットカード、銀行振込・郵便振替などから行えます。筆者はクレジットカードから行いましたが、1分程度でスムースに申し込み完了。額の多少に問わず、募金可能です(クレジットカードの場合は、事務手続きの関係上、一口500円以上から)。
支援に興味はあるけれど具体的にどうしていいかわからない、という人は、こうした取り組みを通してアクションを起こすのもひとつの手段といえるだろう。
文/毛内達大
写真提供/株式会社フジテレビジョン
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