まずは、好きなモノを購入する前段階で知ってほしいベースとなる考え方を紹介します。
▽値段を理由にしない
値段はめちゃくちゃ厄介な要素です。あれが欲しいこれが欲しいと思っても、値段のせいでなかなか手が出せない。僕のカメラやガジェットのおすすめ動画にしても、 必ず1つくらいは「そんな高いの買えないよ!」というコメントがつきます。
安くて良いモノはこの世にたくさんあります。コスパという言葉が使われることも多いですが、それも裏を返せば価格の割に良いというだけ。安くて良いモノだけで身を固めてしまうと、本当に良いモノに出会うことはできなくなります。
本当に良いモノは、自分を引っ張ってくれるモノ。安くて良いモノはあくまで自分の仕事効率をちょっぴり良くする程度の効力しかないと思います。本当に良いモノは自分を次のステージまで進ませてくれるパワーがあります。そして次のステージではさらに良いモノを。すると、どんどんと自分を上のステージへ連れて行ってくれます。
だからこそ、値段を理由にモノを買うことはおすすめしません。「安いから」という基準が入ってしまうと、本当に良いモノへとたどり着く道は険しくなります。「安物買いの銭失い」という言葉がありますが、安さを理由に選ぶことでモノへの愛着も薄くなってしまうし、また他の安いモノへと目移りしてしまいます。
そうやってまた別の安いモノを買い足していくと本末転倒です。振り返ってみると、結局良いモノを使っておいた方が安かったなんてこともザラにあります。
SNSで見かけたモノでも良いし、友達から教えてもらったモノでも、実際に触ってビビッときたモノでも良い。これだ! と思えたモノがあれば多少値段が張っても勇気を出して買ってみてほしいです。
その勇気ある投資が、自分を次のステージへと連れて行ってくれるはずです。

「値段を理由にモノを選ばないこと」–––最高の仕事道具を見つけるために欠かせない3ステップ
効率的なアウトプットに役立つ仕事道具は、どのような視点で探し出せばよいのか。ガジェットYouTuber・高澤けーすけ氏によるモノ選びの3つのステップを、『デジタルライフ・モノワーカー モノ選びで劇的に豊かになる仕事術』(株式会社KADOKAWA)から一部抜粋・再構成してお届けする。
デジタルライフ・モノワーカー #2
STEP1:モノ選びの心構え

STEP2:好きなモノの選び方
次は、どのような軸でモノを選べば良いのか? 心がときめくモノ選びの「軸」を紹介します。
▽体験が変わるモノを選ぶ
何か変化がある時に、僕はワクワクします。毎日のルーティンはできるだけ崩さずこなしたいと思いつつ、たまに大きなアップデートをしてみるのが心地よい。 僕らの生活はモノに囲まれているので、生活のアップデートはモノをアップデーすることとイコールになります。
僕のおすすめのアップデートは“体験”を軸にアップデートすることです。
毎日使っているペンをちょっと良いペンに変えたり、いつもの朝に食べているパンをちょっと良いものにするのもアリかも。
僕がここ数年で大きかったアップデートが、いつも使っているノートを iPadに全て置き換えたこと。
それまではフランクリン・プランナーというシステム手帳を使ってスケジュールを管理していました。動画制作の際の絵コンテや、動画のネタ出しを別々のノートで管理する形。つまり、常にバッグには2〜3冊のノートが入っている状態でした。
それがiPadを導入することでタブレット1枚で済むように。しかも、紙のノート が単にデジタルに変わるだけでなく、持ち運びやすくなったりカラーのイラストが挟み込みやすくなったりと、他にも多くのアップデートがありました。ノートを忘れることも減り、書き込む内容のクオリティも上がりました。
もう1つ最近買った中で僕の体験を変えてくれたモノが、バルミューダのコーヒーメーカーThe Brew(ザ・ブリュー)です。
僕はコーヒーが大好きで、毎日豆を挽いてコーヒーをドリップして飲んでいました。そのドリップしている時間も好きだったのですが、どうしても味が安定しないのが悩みでした。
朝イチで美味しいコーヒーができないと仕事のスタートもうまくいかず、非効率な1日を過ごしてしまいます。
それがThe Brewに変えたことによって毎日のコーヒーの味が安定する上、ドリップに使っていた時間の分だけ余白ができました。部屋の掃除や読書に時間をあてられることで新しい発見もできるように。
こうやって変化を与えてくれるモノには投資を惜しまない。
ぜひ、今この本を読んでくださっている方も、1日の自分のルーティンを思い出してみてください。何か気になっていることはありませんか?
僕のようにコーヒーのドリップがうまくいかないとかでも良いし、服のシワが気になるとか小さなことでも構いません。洗濯関連ならドラム式洗濯機を買えば干す手間が少なくなり、その時間を何か他の作業に使えるかもしれません。
日常の不満を解決し、新たな生活へとアップデートできるモノと出会えた時、今よりもっと素晴らしい自分と出会えるはずです。

STEP3:好きなモノとの出会い方
だんだんと好きなモノを見つけたい気持ちも高まってきたはず。次は好きなモノをどうやって探すのか紹介します。
▽自分と同じ感覚のインフルエンサーを探す
モノを買うには本当にラクな時代になったと思います。
パッとネットで調べれば大手メディアやインフルエンサーのレビューが見られるし、ツイッターを開けばいわゆる利用者の生の声を見ることもできます。
ただ、一般の方のレビューは逆に自分を迷わせる要素にもなります。正反対の意見なんてざらにあるんですよね。同じモノでも、良いという意見もあれば悪いという意見もあります。
意見は人の育ってきた環境によって大きく変化します。
自分が美味しいと思った食べ物が、他の人にとっても絶対美味しく感じられるとは限らないですよね? 自分が辛いもの好きだからといって、みんなが好きなわけではなく、もちろん辛いものが苦手な人もいます。
モノも同じ。
例えばカメラにしても、僕はSonyのカメラが好きでおすすめすることが多いです。対してNikonのカメラを使っている人はNikonのカメラをおすすめすることが多くなります。たとえ同じアイテムをレビューするとしても、今までどのようなモノを使ってきたかによって発信内容も変化します。
では情報を受け取る側として、誰のどのような情報をモノ選びにつなげれば良いのか。僕がおすすめしたいのは、自分の感覚に合ったインフルエンサーを探すというものです。
使っているモノや仕事の環境、趣味など、自分と合っていると思う人を見つけて、その人の話をまずは参考にしてみます。自分と年齢が近いとか、持っているPCが同 じだとかの共通点を探ってみてください。自分との共通点が多い人のレビューの方が、全く知らない人のレビューよりも、要するに“当たる”確率が高くなります。
TwitterやInstagramで一般の方のレビューを参考にするのも、なしではありません。ですが、その人がどういう趣味を持っていて、どのような仕事をしているかまで深掘りしないと、参考になる情報は少ないと思います。
対して、YouTubeで自分が出演して発信をしている人は、その人となりの情報量も多く、今までのレビューなども簡単に見ることができます。ある程度自分の感覚と合っているかを確認することができるでしょう。
インフルエンサーの情報を参考にする場合、ステマ(ステルスマーケティング)でおすすめじゃないモノも紹介してるんじゃないかと疑ってしまうかもしれません。
でも大丈夫。というか、わかります。人の感性は想像以上に鋭くて、本当にその人がおすすめしているかどうかなんて口調や表情からすぐに読み取れます。
ひと昔前であれば、企業が運営しているメディアくらいしか情報収集の場がなかったように感じますが、今は YouTubeやTikTok、Twitter、Instagramやブログなど個人があらゆる情報を発信しています。今後はライブコマースなど、発信者がより購買側に近いプラットフォームもどんどん増えていくでしょう。
そういう情報の中で、「あ、この人は自分の感覚に合っているかも!」と思える 人がいたらぜひ参考にしてみてください。

文/高澤けーすけ
写真提供/株式会社KADOKAWA
『デジタルライフ・モノワーカー モノ選びで劇的に豊かになる仕事術』
高澤けーすけ
2022年9月2日
1,540円(税込)
四六判/232ページ
978-4-04-605639-9
さあ、人生が変わる最高の「仕事道具」を手に入れよう!
本書は、リモートワークが一般的に普及し、フリーランス人口も増加する中で、在宅環境、仕事道具を見直すことができる一冊です。
著者は、ベンチャー・IT大手・フリーランスを経験しているガジェットYouTuberの高澤けーすけ氏で、「仕事×モノ選び」のプロフェッショナルです。
本書では、「モノ選びで劇的に豊かになる仕事術」「こだわりの家具・家電によるワークスペースの構築方法」「最高の仕事道具(相棒)との出会い方」「ガジェットを活用した効率化ノウハウ」など、モノ選びでいかに仕事が豊かになるかを語り尽くしています。
さらに、著者が厳選したおすすめの仕事アイテムも写真付きで紹介しています。
自分のモチベを上げてくれる最高の相棒「Apple製品」
大容量データを即座に転送できる「SanDisk SSD」
毎日をリセットしてくれるコーヒーメーカー「Balmuda The Brew」
最強効率化を実現するマウス「MX Ergo」
iPhoneもMacも、充電器はこれ1つ「CIO Lilnob」
香りで集中のスイッチを入れる「Aesop Hwyl」
モノ選びで「仕事」と「人生」が劇的に変わる一冊です。