若手ドライバー対談前編
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「最初は家族にもいえなかった…」若手女性(タクシー)ドライバーのやりがいと葛藤_1
大和交通入社二年目同期の中島さん(写真左)と岡本さん(右)

酔客は面白エピソードが満載

――クスッと笑えるようなエピソードがあったら教えてください。

中島 夜にご乗車されるお客様は、ほぼほぼみなさん、お酒を飲んでいらっしゃるので、エピソードもたくさんあるのですが。そうですねぇ…僕の中で一番は、“助けてくれぇ〜〜〜事件”ですね。

――なんですか、それは?

中島 お酒に酔ったまま寝てしまうお客様の中には、いつ、どこでタクシーに乗ったのか、まるで記憶がないという方が多くて。それでも「お客様、着きましたよ」というと、半分眠りながらも、料金を支払ってくださるんです。ただ中には、「払った」と言い張るお客様もいて。

岡本 いますね。私も経験があります。

中島 「まだいただいてません」「いや、払った」という押し問答を何回か繰り返すことになるんですけど、あるお客様が、ドアにしがみつくようにして、「出してくれ〜〜〜」「助けてくれ〜〜〜」と叫び出したことがあって。あれには、まいりました。

――結局、どうしたんですか?

中島 何度も押し問答を続けているうちに、次第に酔いが醒め、記憶が蘇ってくるんでしょうね、最後は冷静になって「ごめん、ごめん」と言いながら、料金を支払ってくださいました(笑)。

岡本 私のエピソードも、やっぱり深夜の出来事で。ゲイバーにお勤めされている方を新宿からご自宅までお乗せしたんですけど。その後、お店に戻るから、ちょっと待っててくれると言って、部屋に行ったきり、1時間経っても、2時間が過ぎても、戻って来なくて…。

中島 そのまま、逃げられちゃった?

岡本 いえ。お財布とケータイはシートに置きっぱなしなので、その心配はなかったんですけど。もしかして突然具合が悪くなったんじゃ? とか、お部屋で倒れていたらどうしようとか考えているうちに、どんどん不安になってきて。

――確かに、その心配もありますよね。

岡本 で、警察に連絡して来ていただいたんですけど……。

中島 まさかとは思うけど…寝ちゃってた?

岡本 そう、なんです(笑)。困ったような顔で、「ごめん、運転手さん」と、頭をかきながら車に乗って来られて。ご自宅までの料金と、待っている間の料金、それに、お店までお送りする料金、全部支払ってくださったので、結果的にはすごくいいお客様だった…という話です(笑)。