ハードボイルド作家の「らしい」回答

幼いころは歌を通じて、友達が100人できるのは素晴らしいことだと刷り込まれました。大人になると、さすがに100人は多すぎるかなあとは感じます。数はさておき「友達をつくること」は、社会の暗黙のプレッシャーとして、人間としての大切な目標とされている節が無きにしも非ず。「作りたいけどできない」という人は、どうすればいいのか。4人の賢人たちの親身なアドバイスを聞いてみましょう。

まずは、大人気作家であり人生相談界のレジェンドである北方謙三さん。「運動が大好きで、性格も明るく、友達も結構いるほう」と自認する18歳の男性が、「本当の友達、親友を作りたいのです」と悲痛な叫びをあげています。この悩みにおいても、北方さんのいつもの名セリフ「ソープへ行け!」が登場するかと期待しましたが、残念ながら出てきませんでした。

〈「あいつは親友、こいつはただの友達」というような区分けを、どうしてする必要があるんだ。その中には、自分が地べたで這いつくばっている時に手を差し伸べてくれる奴がいるかもしれないし、いないかもしれない。(中略)でも、いると信じろよ。そして、友達が這いつくばっている時は、おまえが手を差し伸べてやれ。人に友情を求めるんじゃない。友情を示すのは、自分だ〉
※初出:雑誌「ホットドック・プレス」(講談社)の連載「青春人生相談『試みの地平線』」(1986年1月10日号~2002年6月10日号。引用:北方謙三著『試みの地平線(伝説復活編)』(講談社、2006年刊)

さすがのハードボイルドなお答え。さらに北方さんは「相手が発するものを受け取って、それを友情だと思ったら大間違いだ。それさえわかっていれば、友情で悩むことはないし、やがていい友達もできるだろう」とも。たしかに「こいつは自分をどのぐらいの友達だと思ってるのかな」と値踏みしながら接していたら、親友なんて永遠にできないでしょう。

「友達ができない…」の悩みに蛭子能収らが驚愕の回答_1