私は最近ずっと疲れている。仕事量が多いせいだろうか。それとも家庭や育児の悩みがあるから? もしくは単なる加齢による体力減退かもしれない……。

そんな疲れたライターが向かったのは、都内某所で開催された「疲労の新常識」に関するセミナーである。

中でも注目は、新型コロナウイルス感染症(COIVD-19)にかかった方に起こるといわれる「long COVID」、いわゆる「コロナ後遺症」に関する新たな調査結果だ。さっそくその内容をお伝えしたい。

コロナ後遺症の鍵を握るのは「コエンザイムQ10」?

この通称「コロナ後遺症」とは、新型コロナにかかった後に一定の症状が持続している状態を指す。メディアで多く報道されたのは味覚障害や脱毛などだが、罹患後から続く倦怠感や、身体活動後に起こる極度の疲労感、頭が何となくぼんやりする「ブレインフォグ」、筋肉痛なども挙げられており、社会問題となっている。

このコロナ後遺症について研究を進めていたのが、ナカトミファティーグケアクリニックの中富康仁(なかとみ やすひと)院長だ。専門は、脳科学や慢性疲労症候群に関する臨床・研究。2022年6月11日に開催された「日本疲労学会」において、「COIVD-19後遺症患者における客観的な疲労関連評価の検証」という調査結果を発表した。

「今回の調査に当たって、まずは2014年4月〜2022年5月の間に疲労関連検査を受けた計1747名の患者のデータを選定。

その中で、新型コロナ罹患後に倦怠感などが残る『COVID-19感染後 筋痛性脳脊髄炎(もしくは慢性疲労症候群)』と言える方や、ワクチン接種後に何らかの症状が残った『COVID-19ワクチン接種後遺症』の方、うつ病の方などのうち、コエンザイムQ10サプリメントの摂取履歴のない157名のデータを洗い出しました」(中富さん)

コエンザイムQ10とは、人間の体内でエネルギーを生産するミトコンドリアに作用する成分のこと。体内の酸化を防ぐ「抗酸化作用」を発揮するともいわれている。疲労や慢性疲労を軽減する目的で、サプリメントから摂取する方も多い。

コロナ後遺症や疲労疾患にはコエンザイムQ10? 最新研究結果と対策_1
セミナー配布資料より

以前から行われている研究によって、パーキンソン病やがん、メニエール病などの病気を患っている方や、慢性疲労と関わりが深いうつ病の方は、健常者に比べて血中コエンザイムQ10の濃度が低いとされている。そのため「コロナ後遺症患者のうち、疲労感が強い方も、血中コエンザイムQ10濃度が低いのではないか」という仮説が立ったのだ。