「いつもは、職場近くのサウナに通っているけれど、キャンプサウナはたまの休みの贅沢です」(40代男性)

心身の疲労回復に再注目を浴びたサウナブームはとどまるところを知らない。サウナ愛好家、いわゆるサウナーの間では、より質の高い「ととのい」を求めてサウナ室の静寂性や水風呂の温度に気を遣うことが当たり前となった。聖地と称されるサウナ施設への巡礼も盛んに行われている。

そんなサウナー達が今、注目しているのがサウナ併設のキャンプ場。街の屋内施設では味わうことのできない、大自然の「外気浴」に着目しているからだ。

今回は、サウナーからの予約が絶えないキャンプ場、ならびに、アウトドア初心者でも安心して「ととのえる」、大自然のなかのサウナ施設をご紹介しよう。

老若男女が楽しめるサウナキャンプ施設は、都内にも存在する

大自然のなかでのサウナトランスは、サウナ求道者・ベテランキャンパーにのみ許された恍惚体験ではない。初心者であっても、身ひとつで楽しめるキャンプ施設はここ数年で急増、都心近郊にも多く展開されている。

たとえば、日帰りBBQプランも提案する『深澤渓 自然人村』は、東京都あきる野市に所在するアクティビティ施設。最寄り駅JR五日市線 武蔵五日市駅から徒歩20分、駅からタクシーを利用したとしても片道1000円前後で行けてしまうアクセスの良さがウリだ。

肝心のサウナは野外に設置された本格テント式。火照った身体をクールダウンさせる谷川も浅瀬のため、ファミリー利用も珍しくない。テント泊のほか、素泊まりできるバンガローも用意されており、最低限の荷物で訪れられることも初心者にはありがたい。細かいところで言えば、トイレが綺麗に整備されている配慮も女性キャンパーに親しまれるポイントだ。

サウナ×渓流×キャンプで……「ととのった!」 ビギナーもサウナーも、自然の1部になれるキャンプ場_a
(画像提供/ときたまひみつきち COMORIVER)
サウナ×渓流×キャンプで……「ととのった!」 ビギナーもサウナーも、自然の1部になれるキャンプ場_b
(画像提供/ときたまひみつきち COMORIVER)

少し遠出するのなら、日本一河川面積の割合が広い埼玉県に足をのばすのも良いだろう。多くの清流がまたぐ埼玉県には、ととのえる人気スポットが多く点在している。

なかでも県中央、比企(ひき)郡 ときがわ町にある『ときたまひみつきち COMORIVER(コモリバ)』は、日本にいながらして北欧の伝統的なサウナを味わえるグランピング施設だ。

施設に用意されたサウナは、フィンランド式のサウナ小屋と、日本ではまだ珍しい”かまくら型”がいかにも北欧チックで可愛らしい「イグルーサウナ」の2種類。いずれも薪焚き、自らがサウナストーブにアロマ水を垂らす「セルフロウリュ」も楽しめる本格仕様であるものの、タオルやポンチョといった、サウナーマストアイテムの貸し出しサービスも行っており、初心者でも気軽に本格サウナ体験ができることに高い評価が集まっている。

サウナ室を後に眼前の都幾川に飛び込めば、「そもそも『イグルー』とは、エスキモーが暖をとるための仮住まい……」なんてウンチクも耳に入らないほど、心落ち着くこと間違いなしである。

サウナ×渓流×キャンプで……「ととのった!」 ビギナーもサウナーも、自然の1部になれるキャンプ場_c
(画像提供/ときたまひみつきち COMORIVER)

ほかにも東京都内であれば、会員制キャンプ場『HINOKO TOKYO(ヒノコ トウキョウ)』は、自ら火か熾せるコダワリに熱狂的なファンがリピートを繰り返し、静岡県の『桃沢野外活動センター』は、2020年にリニューアルしたばかりで、すべての施設が新しく、サウナはもちろん、写真の映えスポットとしても人気。サウナ料金から宿泊費にいたるまでリーズナルなのも魅力だ。

ブームが訪れる前と違い、健康意識の高い若い女性にもサウナが注目されている昨今は、
多様なニーズに応じた多様なサウナキャンプ場が全国各地で展開されている。もちろん、「ととのう」ための水風呂だって渓流に限った話ではない。