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できれば早期に青色申告がいい

YouTuberの税金のあれこれについて、元国税調査官で税制改正セミナー講師を務める税理士、松嶋洋氏に解説してもらった。
「そもそもYouTuberの方々がどのような種別で申告しているのか、例えば青色申告なのか白色申告なのか、または個人事業主なのか法人格での申告なのかは手間や収入金額によって違ってくると思います。

記帳や手続きの手間が大きいですが、できることなら早期に青色申告にした方がいいでしょう。というのも、税制面での優遇措置を得られますし、何より帳簿がなければ、税制上負担が大きな雑所得とされる可能性も大きくなります。

(申告の種別の)判断に迷われている方は税務署や税理士に相談する、というのも一つのやり方です。税務署は記帳の方法などもしてもらえますし、税理士に依頼すればコストはかかるものの、記帳してもらった上で原則として青色申告で処理してもらえます。

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法人での申告か、個人での申告かの判断は、売上1000万円が目安と言われます。
つい先日もある男性アイドルが法人を作ったというニュースが流れてきましたが、彼のように芸能事務所に所属していてギャラが事務所から振り込まれている場合でも、法人を作ればそこで家族などを役員や従業員にすることによって節税ができますので、そうした芸能人は多いようです。
ですが、法人を作るにしてもコストを要するので、実益がないと作り損になりますから、家族に分散できるだけの所得がなければ効果がありません。このため、You Tuberにしてもある程度の売り上げがない方は法人を作らないでしょう。

問題になる経費に関しては、事業に関するという基準はあるものの、極めてグレーで曖昧な点が含まれていると思います。
YouTuberにかわらず、どんな職業でも経費にはグレーな部分があります。一つひとつの経費は、事業といえば事業と言えますし、プライベートといえばプライベートであるともいえる、という世界ですからね」