【私のウェルネスを探して】30代40代からでも早過ぎない!整理収納アドバイザー中山真由美さん「終活のススメ」_1
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今回のゲストは、整理収納アドバイザーの中山真由美さんです。中山さんは、12年前の2010年に『LEE』のお片づけ企画で初登場し大反響を呼びました。その後も特集は大人気、2011年にはカリスマ整理収納アドバイザーとして『心も整う「捨てる」ルールと「しまう」ルール』(集英社)を出版。32歳で整理収納アドバイザーの資格を取得してからは、16年間仕事一筋で走り続けてきました。48歳になった今は「無理せず年齢に合った働き方」を大切にしていると言います。

中山さんと同世代はもちろん、30代でも日々の片づけはやその先にある人生の終わりに向けた整理=終活が気になっている人もいるはず。前半では、整理収納の基本の考え方と誰でもできる簡単なお片づけ術、終活のすすめ方について聞きます。(この記事は全2回の1回目です)

整理収納アドバイザーは「モノの手放し屋さん」

整理収納アドバイザーとして、これまで2000軒以上のお片づけをサポートしてきた中山さん。整理収納では、まずは不要なものを捨てる、次にモノが取り出しやすく戻しやすいシステムを作ることが基本とされています。システムができれば、モノの場所が決まり、入るモノの量が決まります。それによってモノを探す時間が減り、その余った時間が自分のために使えるようになります。1日5分探し物をしているとしたら、年間約30時間も無駄に使っているということに。中山さんは整理収納アドバイザーの仕事を「モノの手放し屋さん」と言います。

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タイトル写真でも中山さんが持っていたこちらのバッグは、自らプロデュースした「RittaCarry PCケース付きお仕事トート」。働く女性がお仕事トートに求める軽さ、A4書類を折らずに収納、かっちりしすぎない、を叶えました。

「私たちはモノを手放す基準を伝えるんですね。お客さまの家に伺って開始10分で、手放すためのスイッチを入れます。私たちが捨ててくださいと言わずに、お客さまが自ら捨てると決める波を作る。その10分間で、その人の趣味や好み、生きてきた背景を見て、具体的にどんな暮らしがしたいか、どんな暮らしに憧れているかを確認します。自分が理想とする生活、未来をイメージすることで、無理なく手放せるようになります」

1度ではできなくても、繰り返しトレーニングすることで自分の中にその意識が刷り込まれていくそう。4、5回目頃には行動が変わり、自分で自然と手放すことができるようになると言います。人は生まれた時、持っているモノはゼロですが、年齢に比例してモノの量は増えていきます。右上がりに増えていくモノを一度整えて、あとは一定に保つ。そうすることで終活が楽になると言います。

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「整理収納アドバイザーの世界では、4人家族で3500アイテム(本1冊1カウント、洋服1枚1カウントとし)内に収めると良いとされています。モノを決めたら、それ以上増えないように管理することで整った状態が保たれます。いざ人生の終わりに向けて片づけたとしても、ふだんから溢れるほどモノを持っていたら大変。手放すことを習慣化できたら、終活がよりスムーズにできると思います」

今すぐ始められる!整理収納のコツ

日々の片づけから地続きにある終活。そう考えると、まず始めなくてはならないのが今の住まいの片づけです。中山さんの体感として、全体の2割が片づけ上手、6割が普通タイプ、残りの2割が片づけられない汚部屋タイプだと言います。全体の8割を占める片づけが得意でない人や苦手な人におすすめ、今すぐ始められる、整理収納のコツを教えてもらいました。

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Point 1
思い入れのあるもの、好きなものから整理を始めない

「『これ、大事なコレクションだったんですよ』『使っていないのに場所を取るのが申し訳なくて』と、好きなものから整理しようとする人がいますが、最初から大切なものや思いがこもったモノを整理するのは大変。まずは食品や数字が書いてあるもの(賞味期限があるもの)など、感情がないもから始めるとやりやすいです。一度に全部をやろうとせず『今日は冷蔵庫の中だけ』『瓶詰めだけ』『エコバッグだけ』など、整理する範囲を大きくしすぎないこともポイントです」

Point 2
洋服は7割収納を目指す。まずは1軍と2軍、3軍を分けること

「収納は、使った物をしまう場所。しまう場所が入れづらいと、しまうのが面倒になってしまいます。そのためには、まず洋服を一度全部出して、1軍、2軍、3軍に分けます。3軍はそのまま手放し、1軍はクローゼットやタンスに戻し7割収納を目標に。2軍はダンボールなどに別保管、1年間そのまま使わない場合は処分します。洋服を処分するときは、新しければ新しいほど売れやすく高い値段がつきます。早く手放すことができれば、メリットも大きいんですよね」