HSPの働きづらさは「自律神経」にあった

HSPが軽やかに働くためのオンラインプログラム「そういう個と。」を主宰する皆川さんは、自身も強度のHSP。2016年にHSP・HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)向けサービス等を運営する株式会社サステナミーを設立し、HSPを対象としたセミナーを実施。これまで、述べ5000人以上のHSPに出会ってきた。

2022年6月にスタートしたプログラム「そういう個と。」は、約半年間にわたり、HSPが自分の特性を理解したり自分の強みと出会い直したりするためのサポートを行う。HSPが自分らしい働き方を手に入れるために「伴走」してくれる、これまでになかったサービスだ。

同サービスには、グループセッションやFacebook上のメンバー限定グループなど、同じHSPの仲間と交流し、気軽に思ったことを話せる「安心の場」も用意されている。

特徴的なのが「自律神経との付き合い方を知り、再構築する」など、自律神経に関するプログラムが含まれていること。一見、HSPと自律神経は無関係のように思えるが、「働きづらさ」を抱えているHSPの背景には、自律神経が関係していることが多いと皆川さんは言う。

繊細すぎるHSPを悩ます、自律神経のサバイバル(凍りつき)反応とは?_1
「そういう個と。」は6ヶ月のプログラム(画像/株式会社サステナミー提供)

「多くのHSPの方に出会うなかで、『HSPには2種類いる』と2018年くらいから感じるようになりました。

一つはHSPならではの深い処理や察知する力、共感力の高さなどを活かして自分の能力を発揮し、社会で活躍できている人。もう一つはHSPとしての強みや良さを持っているにもかかわらず、不安が強く出ていて仕事や職場の人間関係につまずきがちだったり、一歩を踏み出せない人。

同じHSPなのになぜ、そこまで違いが出るのだろうと不思議に思っていたとき、1994年にステファン・W・ポージェス博士というアメリカの神経生理学者が発表した『ポリヴェーガル理論(自律神経理論)』に出会いました。

その後、自律神経について学んでいくうちに、働きづらさや仕事の悩みを抱えがちなのは『HSPだから』ではなく、思考でコントロールできない『自律神経の反応』も大きく関わっているのではないかと気づいたんです。

逆にいえば、自分の神経パターンを知って自律神経をコントロールできれば、HSPの方が自分らしく、過度なストレスを抱えずに働くことができるのではと考えました」