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グルメ 2023.01.11

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー

鎌倉で育ち、今も鎌倉に住み、当地を愛し続ける作家の甘糟りり子氏。食に関するエッセイも多い氏が、鎌倉だから味わえる美味のあれこれをお届けする。今回は2022年秋、長谷にオープンした絶品フレンチ・レストラン。

  • 甘糟りり子
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鎌倉だから、おいしい 第二章 #4

何か一品、これというメニューがある店は
たいてい総合的にもいい店だ

何か一品、これというメニューがある店が好きだ。そういう一品に出会うために、日々あちこち食べ歩いているといってもいい。これまで経験したことがない&他の店にはない何かは、食べる側の感覚をアップデートしてくれる。そして、そういう一品がある店は、たいてい他の料理もおいしいし、お酒の品揃えやインテリアのセンスもいい。

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー_1

大仏に向かう大通り沿いに佇むシリウス

長谷のシリウスの「鎌倉バリエ」がまさにそれだった。
こちらは2022年10月にオープンしたばかりのフレンチ・レストラン。大仏に向かう大通り沿いにあるので、工事中からよく店の前を車で通っていた。長年の食べ歩きから何かありそうな匂いを感じて、開業直後に早速足を運んだ。シェフとソムリエの若い男性二人が切り盛りしていた。

メニューに「鎌倉バリエ」とあって、これは「鎌倉バリエーション」の略で、鎌倉野菜を使ったサラダとのことだった。しかし、これが単なるサラダではなかった。
温かい茄子やスティックセニョール、薄く切られたシャキッとしたラディッシュやパリっとしたからし菜が混在しており、皿の端には大葉、塩レモン、こぶみかん、柿4種類のドレッシングが添えられていたのだ。火を通した野菜と生野菜がまったく違和感なく一皿に収まり、4種類のドレッシングは溶けあうように舌の上を通り過ぎる。

驚きのあまり一緒にいた友人と思わず顔を見合わせてしまった。単に気を衒ったのではない、きちんと構成された複雑さがシンプルな美味を生み出している。

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー_2

思わず友人と目を見合わせたサラダ「鎌倉バリエ」

メインは根付き鰆のローストを頼んだ。その絶妙な火入れにもまた、気持ちが弾んだ。ぱりっとした皮とジューシーな身の落差がいい。シリウスは食感の落差を楽しめるレストランである。鳥取産のこの鰆はほとんど回遊せず岩の付近に留まるから「根付き」というそうだ。

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー_3

絶妙な火入れに心も弾む「根付き鰆のロースト」

食後にコーヒーを飲みながら手の空いた加藤シェフと雑談をした。雑談というより、質問攻めだったかもしれない。シェフは飯倉のキャンティ出身で、その後、表参道のラ・ブランシュで修行されたという。

東京が輝いていた頃を象徴する店で修業

1963年に創業されたイタリア料理店キャンティは日本で最初のサロン的なレストラン。数々の文化人たちの溜まり場で、まだ日本ではバジルが入手困難だった時代に大葉を使ったスパゲッティ・バジリコを出し、名物となった。1986年開業のラ・ブランシュはクラシックな王道フレンチのはしりで、同店の田代シェフは野菜使いの名手として知られている。両方とも東京が輝いていた時代の象徴的な店だ。私が都心に住んでいた頃、背伸びをしてキャンティを打ち合わせ場所に指定したり、ここ一番の会食にはやたらとラ・ブランシュに行ったりしてた。

なんだかなつかしくなっていたら、さらにソムリエの佐竹さんはモレスクにいたというではないか。90年代後半に開業したモレスクは取材いっさいお断り、知る人ぞ知る白金のワインバー。開業直後、私は白金の「M」としてこの店のことをブルータスの連載に書いたら、ものすごい反響でビビったことがある。

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー_4

アラカルトにも力を入れる加藤光一シェフ

もちろん私が都心でいい気になっていた当時に若い二人が店にいたわけではないが、二人の経歴を聞いたら気持ちが一気に港区時代に戻ってしまった。

すっかり親近感を抱いた私は、「このすばらしいサラダに鎌倉バリエっていうネーミングはちょっとチャラくない? バリエーションをバリエって、カレシィって語尾上げてる雰囲気」などと要らぬおせっかいをいった。あまりにもすてきなその一皿のために私なりに意見を申し上げたつもり。それぐらい、「ザ・一皿」なのだ。

すっかり虜になった私は数日後にまたここを訪れた。今度はほどよくくたっとした蕪やパプリカと採りたてのようなレタスがさまざまなドレッシングと共に溶け合っていた。確かにバリエーションが個性のメニューなのだから、「バリエ」という名前が相応しいのだとわかった。余計なこといってごめんなさい。

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー_5

2度目の「鎌倉バリエ」にさらに納得

シリウスの魅力は「鎌倉バリエ」だけではない。ランチはコースのみだけれど、夜はコースでもアラカルトでもいい。最近は気軽なイタリアンやビストロ、タパスっぽい店でもコースのみの店が多い。食材の無駄は無くなるかもしれないが、メニューを見ながらあれこれ想像し、わいわいと選ぶ楽しみがすっかり少なくなってしまった。私の周りのコース疲れした人々はアラカルトの店を欲している。

私が訪れた夜のアラカルト・メニューには「シャルキュトリー」や各種スープ、今の季節ならではの「白子のリゾット」や「牡蠣のムニエル」などに混じって、「鹿のたたき」があった。ジビエ好きとしては頼まないわけにはいかない。大きな皿いっぱいに生々しい赤身の肉が広げてあって、ふんだんなシャンピニオンで覆われていた。赤ワインが鹿を引き立て、鹿が赤ワインを引き立ててくれた。

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー_6

ジビエ好きにはたまらない「鹿のたたき」

私たちがこの夜、鹿に合わせたのは、ポルトガルのバガという品種。シリウスではフランスにこだわらず、南アフリカ、イタリア、スイス、ギリシャなどさまざまな国のワインが用意されている。ノンアルコールワインはノーマの元シェフが監修したNONのno,1(ラズベリー、カモミール)がある。ワインも食材も産地にはこだわらず、自分たちの味覚でいいと思ったものを選ぶという。

この夜は隣街の食通らしきグループと都内から来たというfoodieがいた。客層もローカルか観光客なんていう古い分け方には収まらないレストランのようだ。

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー_7

鎌倉だから、おいしい。

甘糟 りり子

飯倉のキャンティと表参道のラ・ブランシュで修業したシェフが鎌倉で織りなす絶品アラカルトのフレンチメニュー_8

2020年4月3日発売

1,650円(税込)

四六判/192ページ

ISBN:

978-4-08-788037-3

この本を手にとってくださって、ありがとう。
でも、もし、あなたが鎌倉の飲食店のガイドブックを探しているのなら、
ごめんなさい。これは、そういう本ではありません。(著者まえがきより抜粋)

幼少期から鎌倉で育ち、今なお住み続ける著者が、愛し、慈しみ、ともに過ごしてきたともいえる、鎌倉の珠玉の美味を語るエッセイ集。
お屋敷街に佇む未来の老舗(イチリンハナレ)、自営の畑を持つ野菜のビーン・トゥー・バー(オステリア・ジョイア)、カレーもいいけれど私はビーフサラダ(珊瑚礁 本店)、今はなき丸山亭の流れをくむ一軒(ブラッスリー・シェ・アキ)、かつての鎌倉文士に想いを馳せながら(天ぷら ひろみ)……ガイドブックやグルメサイトでは絶対にわからない、鎌倉育ちだから知っているおいしさと魅力に出会える1冊。
素材が豪華ならいいというものでもない、店の内装もまた味わいの一端を担うもの、いいバーとバーテンダーに出会う喜び……著者自身の思い出や実体験とともに語られる鎌倉のおいしいものたちは、自然と「いい店」「いい味」ってこういうことなんだな、という読後感をくれる。
版画のように精緻なタッチで描かれた阿部伸二によるイラストも美しく、まさに読んでおいしい、これまでなかった大人のための鎌倉グルメエッセイ。

amazon 楽天ブックス honto セブンネット TSUTAYA 紀伊国屋書店 ヨドバシ・ドット・コム Honya Club HMV&BOOKS e-hon
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甘糟りり子

あまかす りりこ

1964年、横浜生まれ。幼い頃から鎌倉に暮らす。玉川大学を卒業後、アパレル会社勤務をへて文筆の道へ。クルマ、レストラン、ファッションなど、都会のキラめきをモチーフにした小説やコラムに定評がある。バブル世代の女性たちの40代を描いた『エストロゲン』(小学館文庫)や、現代に生きる女性やその家族が直面する問題を取り上げた『産む、産まない、産めない』『産まなくても、産めなくても』(ともに講談社文庫)は、読者の共感を呼びロングセラーとなっている。近著は『バブル、盆に返らず』(光文社)。幼い頃から慣れ親しんだ鎌倉に関する著作も多い。『鎌倉の家』(河出書房新社)、『鎌倉だから、おいしい。』(集英社)、『モーテル0467 鎌倉物語』(小学館文庫)

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