胃袋を持って現地の生活を知る

大学生活のほとんどを、旅や探検をして過ごしてきた。大学探検部で遠征を繰り返した結果、現在大学6年生となった。

そんな私が旅や探検で大切にしているのは、現地の人がどんなものを食べていて、どのような生活を送っているかを自分の胃袋をもって知ることだ。どんな国の人でも、自分の国の料理を外国人に美味しいと言ってもらうのは嬉しいもの。郷に入れば郷に従えというように、文化や常識が異なる国では現地の人と同じものを食べ、同じ言葉を覚え、一緒に生活をすることが信頼関係を築くコツだとも思う。

観光客向けのメシ屋を無視して10ヶ国以上のローカルメシを食べ続けてきた中で、特に印象深いのが、2022年4月に約1ヶ月滞在した南米・ペルーの食事だ。日本の真裏に位置するペルーでは、思わず心の底からウゲー!と言ってしまった食べ物に出会った。アンデスの高地やアマゾンではどのような「珍食」があるのか。案内していこう。

日本ではペットの「モルモット」を食う in クスコ

ボリビアから陸路でペルーに入国し、そのままクスコの街に着いた。クスコはアンデス山脈の標高約3400メートルに存在し、かつてはインカ帝国の首都だった。世界遺産のマチュピチュはクスコから車や電車を使って行くことができる。

メルカドと呼ばれる市場や、インカ帝国が誇る石積み建築に見惚れて宿に向かって歩いていたときだった。行商人のマーケットマミーが何か奇妙なものを売っている。こ、これは? 衝撃的なものが視界に飛び込んできて、思わず足を止めた。

バケツの中に山積みになっている茶色い物体について、「オラ、ケスエスタ?(こんにちは、これはなんだい?)」と聞くと、「クイ」とおばちゃんは答えた。一見してネズミか何かだろうと思ったクイとは、実は日本ではもっぱら動物園で飼育されたり、ペットとして愛玩されているモルモットだった。

猿やモルモットが日常食。早稲田大学探検部員による衝撃のペルー珍食紀行_1
クスコの路上で、クイ(モルモット)を売る女性
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猿やモルモットが日常食。早稲田大学探検部員による衝撃のペルー珍食紀行_2

モルモットを家畜化しているのは、ここペルーやボリビアのアンデス山脈一帯だけ。クイの中にワカタイという南米料理には欠かせないハーブを詰めて焼くものや、体を開いて焼いたクイにとうもろこしやジャガイモをワンプレートにしたクイフリートと呼ばれる食べ方がある。

モルモットはアンデスでは一般的に食べられているのだ。ペルーに到着したばかりで最低限の現地通貨しか持っていなかったが、25ソル(約850円)で購入して宿にチェックインした。ゲストハウスに持ち帰ると、欧米人も目を丸くして「アンビリーバボウ」と言っていた。