すっかり暑くなりましたね〜。ワイン好きライター門前です。こんな時はシュワシュワ爽やかなスパークリングワインを開けたいもの。【うち飲み向上委員会vol.23】で紹介したロゼワインに続き、今回はプライス以上の価値をひしひしと感じさせてくれる“お値打ち”スパークリングを紹介します。

【¥2,000台スパークリングワイン】夏の昼下がりに飲みたい!ナチュラルな造り手のスパークリング【うち飲み向上委員会vol.24】_2

ロゼ編でもお伝えしましたが、ワイン好きといっても何でもよいわけではなく、自分なりに選ぶポイントがあります。「おいしい」は大前提として、そのほか、今回のセレクト基準は2点。農薬や化学肥料を使わずに栽培した葡萄を使用するなど、できるだけ「ナチュラルな造り」。そして、デイリーに楽しめる「手頃な価格」。具体的には¥2,000台。世の中にはより低価格なワインもありますが、ここではクオリティの高さとこなれた価格を両立したコストパフォーマンス抜群のワインを厳選しました!

端正かつ繊細、銘醸地・ボルドー生まれの「ボルデュー クレマン・ド・ボルドー ブリュットNV」

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ボルデュー クレマン・ド・ボルドー ブリュットNV(750ml/アルコール度数12%) ¥2,750(参考小売価格)/シャトー・オー・マレ

ワイン好きならずとも、「ボルドー」という言葉に聞き覚えがある方は多いのでは? そう、世界有数のワイン産地です。最初に紹介するのは、この歴史ある銘醸地でいち早く「ナチュラルな造り」に取り組んできたワイナリーのスパークリング。

1963年から除草剤や化学肥料を使わないビオロジック農法で葡萄を栽培し始め、1995年にはエコセール(有機栽培の認証機関)の認証を取得した シャトー・オー・マレ。葡萄畑の周りにもともとある雑木林や溝を残すなど、自然や周辺の環境と共生するワイン造りを目指し、栽培も醸造もできるだけ人の手をかけないように行われています。

使用品種はボルドーの白ワインに多く使われている白葡萄・セミヨン100%。色は今回ご紹介する3本のなかでいちばん淡い、グリーンがかったイエロー。泡立ちもいちばんきめ細かく、飲むときりっとドライで端正な印象。インポーターいわく、「すっきりとした味わいが蒸し鶏やクラゲの酢の物といった中華料理の前菜、フリットなど揚げ物にマッチします」。まさに! 爽やかな飲み口なので、1杯目やサラダなど前菜系のお料理に合わせるワインとしてぴったり。赤ワインが有名なボルドーですが、スパークリングもあなどれません……!

造り手のシャトー・オー・マレをチェック!

果実味とコクをあわせもった「プロセッコ “ラ・コルテ・デル・ポッツォ” 2020」

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プロセッコ “ラ・コルテ・デル・ポッツォ” 2020(750ml/アルコール度数11.5%) ¥2,310(参考小売価格)/ファゾーリ・ジーノ ※2020年ヴィンテージは在庫わずか。今年7月下旬に2021年ヴィンテージ(価格未定)が入荷予定

泡好きの方にはお馴染み(?)のプロセッコ。続いてはイタリアから、フランスのシャンパン、スペインのカヴァと並んで“世界三大スパークリングワイン”と称されるプロセッコを紹介します。2013年にシャンパンの出荷数量を超え、“世界一売れているスパークリング”となったプロセッコ。伝統的に、シャンパンよりも少し甘さを感じるフルーティな味わいが特徴です。

こちらの生産者は、先にご紹介したシャトー・オー・マレと同様、いち早く「ナチュラルな造り」を実践してきたファゾーリ・ジーノ。1980年から部分的にビオロジック農法による葡萄栽培を始め、その後、自社畑をすべて転換。1990年にはAIAB(有機栽培の認証機関)の認証を受けています。

使用品種は、イタリアのワイン法でプロセッコに使うよう定められている白葡萄・グレーラ100%。今回紹介するほかの2本に比べて、ほんのりオレンジがかった色です。フレッシュな果実味をもつ一方、コクや旨味も備えた飲み心地のよいワイン。インポーターのおすすめは「サラダなどシンプルな料理のほか、鶏肉、豚肉、チーズなど白い食材と好相性。和の薬味をのせた豆腐にオリーブオイル、塩か醤油、柑橘の果汁を絞ったものも合います」。フルーティななかに旨味があるので、このプロセッコなら和食も合いそう! デイリーなおうちごはんのお供にしたいスパークリングです。

造り手のファゾーリ・ジーノをチェック!

華やかな香り×きりっとした酸味で、食欲アップ! 「カヴァ アンヌマリー ブリュット ナチュレ レセルヴァ NV」

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カヴァ アンヌマリー ブリュット ナチュレ レセルヴァ NV(750ml/アルコール度数12%) ¥2,640(参考小売価格)/カステル・ダージュ
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先ほど“世界三大スパークリングワイン”に触れましたが、最後に紹介するのはそのなかのひとつ、スペインのカヴァ。シャンパンと同じ、瓶内で二次発酵させて繊細な泡を生む伝統的な製法で造られています。そんなカヴァの一大産地、ペネデスで100年以上前から葡萄を栽培し、1988年にワイン醸造をスタートしたのがカステル・ダージュ。

ワイナリーの設立当初からビオディナミ農法(※1)を実践しており、デメテール(ビオディナミの認証機関)の認証を受けています。シャンパンの伝統的な製法にはルミアージュ(瓶内二次発酵によってたまった澱を取り出しやすいよう、瓶を回して瓶口に集める)という手間のかかる工程があるのですが、シャンパーニュ地方でも機械を導入する造り手が増えたなか、ここでは数万本(!)をすべて手作業で行っているそう。家族経営できめ細かく丁寧なワイン造りを心がけている生産者です。(※1)有機栽培のひとつ。化学肥料や農薬を使わないほか、天体の運行に合わせて、自然物質による調合剤を使用する農法。

使用品種は、スペインのワイン法でカヴァに使うよう定められている白葡萄から3種類、チャレッロ、マカベオ、パレリャーダをブレンド。美しい黄金色と華やかな香りが特徴で、果実味と酸味のバランスが絶妙! きりっとした酸味に食が進みます。インポーターも酸味にフォーカスして、「トマトやレモンをきかせた冷製パスタやラタトゥイユなどがおすすめ。たこ焼きも合います」とのこと。たこ焼き×カヴァ、今すぐ試したい! そのほか、爽やかな味わいなのでカルパッチョからグリルまで幅広く魚介のお料理にも合いそうな予感。洋食から日本のB級グルメまで、守備範囲の広い1本です。

造り手のカステル・ダージュをチェック!


今回は「ナチュラルな造り」「クオリティの高さ」「手頃な価格」をあわせもった、コストパフォーマンス抜群のスパークリングをご紹介しました。すべて購入してもシャンパン1本程度というありがたさ……。3本飲み比べて、それぞれの個性の違いを楽しむのもおすすめです。

どれも魅力があって選び難いなか、今回の「ベストうち飲み賞」は果実味と酸味のバランスがよく、食欲がアップすること間違いなしの「カヴァ アンヌマリー ブリュット ナチュレ レセルヴァ NV」にしたいと思います。

シュワシュワ爽やかで気分が上がるスパークリング。シャンパンのイメージもあって“ハレ”のお酒というイメージが強いですが、クオリティの高いスパークリングがデイリーに飲めると嬉しいですよね。丁寧に造ったワインを良心的な価格で提供してくれる生産者さんたちに感謝!! 日常を楽しくしてくれる“お値打ち”スパークリング、ぜひお試しください。


【うち飲み向上委員会メンバー】
門前直子(もんぜん なおこ)

食べること&飲むことが大好きなフリーランスエディター/ライター。エンゲル係数がやたら高いものの、日々見て見ぬ振り。昨年セレクトショップ「ガリャルダガランテ」からスタートしたライフスタイルライン「カーサ ガリャルダガランテ」でも、月替りのお酒(ワインのほか、日本酒やシードルなども)とフードのセレクトを担当。
https://www.instagram.com/gkgkmgmg/?hl=ja

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