フジテレビのバラエティ番組『ここにタイトルを入力』で企画・演出を務めている原田和実さん(以下原田)。入社3年目にして、業界をザワつかせている原田がテレビ局を志したきっかけや、バラエティ番組を制作する上でのフジテレビの強みを聞いた。

大学時代に劇団を主宰、でも原点はテレビにあった

――率直に、なぜテレビ局で働こうと思ったのでしょう?

大学生の頃劇団を主宰していて、そこで脚本も書いていました。それで自然と「放送作家になりたい」と思うようになったんです。

ただ、当時大学2年生の僕にはどうやったら作家になれるのかがわからず。とにかく手当たり次第、好きな作家さんに弟子入り志望の手紙を書いたり、テレビ局のインターンやアルバイトに応募したりしていたんですね。
そのときに「作家じゃなくてディレクターとして番組を作るという手もあるのか…!」ということに気づいて、テレビ局に憧れるようになりました。

――放送作家志望の大学生の場合、スクールに通う方も多い印象です。弟子入りや現場で学ぶ方法を選んだのはなぜでしょう?

その時点で自分が好きなお笑いの形をある程度持っていたんです。だから「これを実現したいな」というのが見えていましたし、「学ぶんだったら、この人からじゃなきゃ嫌だな」という感覚がありました。

――劇団の主宰とは、どのようなことをやっていたのですか?

脚本を書くだけでなく、公演を打つために劇場の抽選に並んだり、フライヤーのデザイン案を考えたり、PRをしたり…。なんでも自分でやりたくなっちゃう派なので、企画や発案の部分に関しては全体的に携わっていましたね。自分ではその自覚はなかったのですが、今ディレクターとして働いている仕事に通じる部分は多かったですね。

――それこそ舞台制作の道へ進むという選択肢もあったかと思うのですが、なぜテレビ局を受けたんですか?

もともと演劇に興味を持ったのは、テレビ東京のプロデューサーだった佐久間宣行さんが演出した『ウレロ』シリーズにハマって、シベリア少女鉄道が好きになったからなんです。だから、あくまでも原点はテレビだったんだと思います。

それに、日本のガラパゴス的なお笑いの、原点も最前線も両方テレビにあるなって思っていたんですよ。

――それはなぜでしょう?

例えば、YouTubeにおいて100万回再生と聞いたら「すげえ!」って思うじゃないですか。でも、100万人ってテレビの視聴率1%と同じ程度の影響力なんですよね。その事実に目を向けた時に、より公平に広まるテレビの影響力ってまだまだ大きいと思うんです。