一度もはっきりと「コンビ組もう」とは言ってない

“競技漫才の申し子” 令和ロマン。魔人無骨時代の“あのワイルドカード”以来となるM-1準決勝へ!「全28組中、“27組と1人”は分析なんかしていないと思いますけど」(くるま)‗01
(左)ボケの髙比良くるま。(右)ツッコミの松井ケムリ。
すべての画像を見る

2020年には芸歴3年目にして「NHK新人お笑い大賞」優勝、今年も「ABCお笑いグランプリ」準優勝と、若手芸人の登竜門的コンテストで結果を出し続ける注目株、令和ロマン。

――おふたりは慶應義塾大学お笑い道場「O-keis」の先輩・後輩ですが、どんな経緯でコンビを組んだんですか?

ケムリ 僕はもともとサークルの同期と別のコンビを組んでて、そのままプロになるつもりだったんですよ。でも、大学3年の冬くらいに当時の相方が「就職する」って突然言いだして、僕は完全に路頭に迷いました。そんなときに就職しなさそうな彼(髙比良くるま)がいて(笑)。最初はお試しという感じで「プロになるつもりで組んでみない?」と僕から誘いました。

――お試し期間はどうでしたか?

ケムリ 「大学生M-1グランプリ2015」で準優勝できました。結果も出せたし、面白いこともできていたと自分では思っていたので、「プロにいかないか?」って。

――そう言って、くるまさんを誘ったんですね。

ケムリ いえ、直接は言ってないんですよ。気持ちで。「わかるよね?」みたいな(笑)。

くるま 僕ら、お互いに一度もはっきりと「コンビ組もう」とは言ってないんですよ。雰囲気だけで。

――状況的に「もうコンビ組んでるよね」みたいな感じだったんですね。

くるま そうです。NSC(吉本興業の養成所)の願書には相方の名前を書く欄があるんですが、「(松井ケムリも)たぶん書いてるよな~」と思って。

――お互いが半信半疑だったんですか?

ケムリ はい。だから僕は「おまえも入学していてくれ~」って思ってました(笑)。

――入学式に行ったらくるまさんがいて、「よかった~」って感じですか?

ケムリ そうです。

くるま 相方は大学を卒業するタイミングだったんですけど、僕は1つ下なんで正直迷ってました。ホームで電車を待ってて、ちょっと混んでる先発電車に乗るか、1本あとの空いてて座れる電車に乗るか。すごく迷ったけど、ちょっと混んでる先発電車に乗りました。

ケムリ 例えすぎだよ(笑)。