彼女自身の人生の方がドラマティック

アンジェリーナ・ジョリーと初めて会ったのは、2001年に『トゥームレイダー』で来日したとき。当時の夫ビリー・ボブ・ソーントンが一緒でしたけど、かたときも離れず、とにかくイチャイチャ(笑)。情熱的だったことを覚えています。

当時、ビリー・ボブと互いの血液を入れたカプセルを身につけていたことが話題になりましたが、やっぱり彼女を思い出すときに頭に浮かぶのはプライベートのこと。ローティーンのときに、ナイフで傷つけ合いながら恋人と性的行為をしていたとか、その当時のご乱行ぶりときたら……。すごく不良のやんちゃな子という印象がありました。

ただ、実際に会うととてもさっぱりした人でね。ざっくばらんで何も隠さないし、非常に気さくで感じのいい人でした。今では6人の子供の母親として慈善活動にも積極的ですが、10代〜20代前半の頃とのイメージのギャップはすごい。20年ほどで自分の価値観をガラリと変えちゃう。すごい人だと思います。

作品として印象に残っているのは、クリント・イーストウッド監督の『チェンジリング』(2008)。失踪ののち5か月後に保護された息子がまったくの別人だったことから、真実を追求するために奮闘するシングルマザーを演じました。彼女自身、母親になったことが作品選びに影響したのかもしれませんね。

ただ、どんな映画よりも、やっぱり彼女自身の人生の方がドラマティックです。めったにない人生の軌道を描いた人が今後、どんな道を歩んでいくのか。楽しみです。