“ととのい”から興奮状態へ持っていけるのか?

“NHK局内不倫”が世間を騒がせているが、このニュースを聞いて私が気になったのは、「NHKの男性アナウンサーがシティホテルで逢瀬を重ねたのち、帰り道でわざわざ途中下車してサウナに寄った」という情報だ。
そもそも彼はなぜ密会後にサウナに寄ったのだろう?

最初に頭に浮かぶのは証拠隠滅である。私は過去に『文春にバレない密会の方法』(太田出版)という本を上梓したこともあり、不倫経験者のテクニックはあらかた勉強してきたつもりだ。密会後にタバコ臭い喫茶店に行き、シャンプーや香水の匂いを消すハックも実際に耳にした。
NHKアナウンサーがサウナに寄ったのも情事の痕跡を消す意図があったと思われるが、単にリフレッシュしていただけという可能性も大いにある。サウナはいつだって気持ちがいいものだ。

サウナとセックスの気持ちよさは似ているのかもしれない。仕事もプライベートも精力的な男性ほどサウナ好きだったりするものだ。以前、Twitterでこんなつぶやきも話題になった。

「黙って聞いて。一度でいいから男女2人でサウナ寄ってからホテルでセックスしてみて。サウナでたあと喉乾いてがぶ飲みした水分がサウナにより汗を拭きやすくなった体から滝のようにでて、水風呂と外気浴で整った体がイキやすくなり今まで体感したことのないエクスタシーが80000倍襲ってくるから今やって」

性や恋愛に関するツイートで人気を博し、29万人ものフォロワーを持つアカウント「さぁさ姉」のツイートによると、サウナ後のセックスは普段よりもはるかに気持ちがいいらしい。

「サウナ→セックス」は本当に感度が高まるのだろうか?

「サウナ後には副交感神経が優位になる効能があります。セックスでの射精は交感神経が優位の興奮状態。セックスの感度にサウナが関係あるかどうかはなんともいえないのですが……」

そう語るのは、性に関する著書をいくつも持つ精神科医の高木希奈先生。
サウナに入ると高温で緊張状態が続いて交感神経が優位になるが、水風呂に入り、外気浴でリラックスすると副交感神経が優位になる。これがいわゆる“ととのい”の状態だ。

しかし、「そこから興奮状態へ持っていくのは大変ではないか」と高木先生は考察する。

「たとえば、ふたりでセックス前に軽くサウナに入って、前戯的に楽しむならいいでしょう。サウナ付きのホテルも最近は増えていますし、いつもと違った場所でするプレーはきっと盛り上がるのでは。セックスのあとのサウナは、お疲れ会を兼ねたリフレッシュでしょうね。がんばった自分へのご褒美なのでしょうか……?」(高木先生)