「少年ジャンプ+」(集英社刊)で2019~20年に連載された、百世渡による人気ラブコメマンガ『ロマンティック・キラー』。オシャレや恋愛には目もくれずゲーム三昧の毎日を過ごしてきた、“非ヒロイン属性”の女子高生・星野杏子が、突然現れた魔法使いのリリによって大好きなゲーム・チョコ・猫という「三大欲求」を没収され、イケメンたちに迫られる姿を描いたドタバタ青春ラブコメだ。
そんな本作のNetflixアニメ版で、メインヒロイン・杏子役の声優を務めた高橋李依に、原作への想いや杏子との共通点、収録秘話など、制作の裏側を聞いた。

「杏子はTシャツをズボンにインするとこが自分と似てる(笑)」 主演声優・高橋李依が語るNetflixアニメ『ロマンティック・キラー』
「少年ジャンプ+」で人気を博したラブコメ作品『ロマンティック・キラー』。そのアニメが10月27日からNetflixで配信されている。本作は“非ヒロイン属性”の女子高生・星野杏子と、杏子に恋愛をさせようとする魔法使いリリ、杏子に恋するイケメンたちのドタバタ青春群像劇だ。主演声優を務めた高橋李依に本作の魅力を語ってもらった。(トップ画/メインヒロイン・星野杏子役の声優を務める高橋李依)
Netflixアニメ『ロマンティック・キラー』主演声優・高橋李依インタビュー
愛おしくて、大好きな作品になりました
――『ロマンティック・キラー』を初めて読んだ時の感想を教えていただけますでしょうか?
読む前には、『ロマンティック・キラー』というタイトルの「ロマンティック」という響きが印象に残って、主人公が女の子というのもあり、「恋愛もので可愛らしいお話なのかな?」と想像していました。
読み始めてみると、縦読みでカラーということも新鮮だったんですが、それよりも「あれ?杏子って結構変顔するんだ?」とか「この魔法使い、物理的にも干渉してくるの?」みたいな部分に気付き始めて。「あ、このマンガは“おもしれーやつ”だ!」という衝撃を受けました(笑)。

星野杏子の変顔
杏子のサバサバした性格の気持ちよさや物語の爽快感みたいなものを、読んでいるうちに求めていたのですが、ふとキュンとさせられてしまったり、うるっとしたり、ピンチに追い込まれて「これってどうなっちゃうの?」と少し不安になったり。最終的には「こんなに心を揺さぶられるとは!」と感じるくらい、愛おしくて、大好きな作品になりましたね。

杏子VSリリの物理攻撃シーン

杏子との共通点
――メインヒロインの杏子役を演じる上で、声色を変えて面白おかしく台詞を言うことが多かったと思うのですが、特別に意識したことはありますか?
“声の幅を決めすぎないように”という部分は意識しました。オーディションでは、杏子というキャラクターにどれだけの振り幅があって、それにどれだけ反応できるか、という部分も選考基準なのかなと感じるほどのシーンばかりで…「たくさん遊ぼう!」と考えて臨んだのを覚えています。
――百世渡先生は、そういう遊びの部分も含め、高橋さんの声を聞いてすぐに「杏子だ!」と、ピンときたそうです。
「先生もマンガを描きながら、いい意味で遊んでいるのでは?」と感じていたので、そこが通じ合えたのは嬉しいです(笑)。
――では、ご自身と杏子に何か共通点はありますか?
照れたら変な顔をしちゃうとこかな(笑)。あとは、お恥ずかしいんですけど、全然女の子っぽくない部屋着のスタイルも似ています(笑)。私の場合は、お腹が冷えると嫌なので、現場でいただくアニメ作品のTシャツをよくズボンにインしています。

Tシャツをズボンにインする杏子

推しキャラは…
――もし高橋さんが、本作品のようにイケメン達に迫られる学生時代を過ごすことになれば、どう対応していたと思いますか?
高校生の頃は部活動に真剣だったので、もしその時間を邪魔してくるんだったら、多分距離を取っていたと思います。でも、もしも同じジャンルの漫画が好きな人だったり、「声優さんっていいよね」みたいなことを言うイケメンが同じ部活に入ってきたら、「やばい!どうしよう!」となると思うので、ピンポイントの狙い撃ちはやめていただきたいです(笑)。
――本作品の中で推しキャラはいらっしゃいますか?
推しキャラ、という点では申し訳ないんですけど、リオ君が好きなんです。リリ役の小松未可子さんの声でリオ君になるっていうのが、「女性声優さんが演じる男の子」という、私好みのジャンルに完全に突き刺さっております(笑)。

リオ
――ちなみに、高橋さんはショタのジャンルがお好きなとのことなんですが…
え? Wikipediaからの情報ですか?
――すみません、Wikipediaです(笑)。実は12月から始まる百世渡先生の新連載が“オジショタコメディ”で、極道のイケオジとすごく性格のいいショタが、二人でお留守番をする物語なんです。
何ですかそれ!? 絶対可愛い! 極上のショタだったらいいな〜(笑)。応援しています!

杏子の動きとシンクロした声入れ
――高橋さんがこれまでに演じてこられた作品と本作に何か違いはありましたか?
Netflixさんはケータリングの食べ物がいつも豪華で、いつも美味しいなって思っていました(笑)。というのは置いておくとして、アフレコの時に使う映像で、キャラクターの動きが先に決まっているのが珍しかったです。普段は、絵コンテに書いてある表情が画面に映し出されて、その表情を拾って演技する、という形が多いんですね。
この作品では、デッサン人形のようなキャラクターの動きが画面に映し出されて、杏子がツッコミを入れるときの体の動きや、「ここで2回避けてから殴る」みたいな動きが分かるので、まるでアクション作品を撮っているような感覚でした。
――確かに、完成したアニメでは動きと声が完全にシンクロしていて、観ていて気持ちよかったです。
アニメの中でキャラクターがどれだけ動くのかは、実際に放送を観ないと分からないこともあって。例えば自分が声を入れた後に、自分の想像よりもキャラクターの動きが激しかったら、「もう少し大きくしてもよかったな」と感じてしまう場合もあります。
今回はアフレコの時からキャラクターの動きが分かるからこそ、動きに負けない演技ができたのかなと感じています。
――最後に、ファンの方に一言お願いします。
ファンの皆様の熱意があったからこそ、きっと今回のアニメ化が実現したんだと思います。
私は連載が終わった後にロマキラを知った身ですが、まずは連載時代を支えてくださったファンの皆様に、感謝の気持ちをお伝えしたいです。私を含め、今回のアニメ化を機にロマキラを初めて知った人たちに向かって、「ロマキラはワシが育てた」とぜひ誇りを持っていただきたいな、と僭越ながら思います。
ロマキラに出会わせてくれて、ありがとうございます!
そして、どうぞこれからもロマキラの応援をよろしくお願いします!
取材・文/佐藤麻水

アニメ『ロマンティックキラー』が10月27日よりNetflixにて全世界同時配信中!
©️百世渡/集英社 ©️Netflix
https://www.netflix.com/jp/title/81318888
『ロマンティック・キラー』
百世 渡

2019年12月4日発売
935円(税込)
B6判/184ページ
978-4-08-882164-1
非ヒロイン属性の杏子の前に現れた魔法使いのリリ。愛するゲームやお菓子、猫を没収された杏子に与えられたのはイケメンたちが迫り来る少女漫画のような夢の生活…!?
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