無頼派芸人・金属バットが初めて本音で語った…『M-1』ラストイヤー決起集会【ノーカット掲載】
関西きっての無頼派漫才コンビ・金属バット。結成15年目、独自路線を貫いてきた彼らもいよいよ今年が『M-1グランプリ』最後の挑戦となる。「今年は賞レースに向けて仕上がっている」という声が各方面から聞こえてくる金属バットを直撃した!(5回分の1回目)
金属バットのM-1ラストイヤー #1
勝手にM-1決起集会を開催
10月某日午後9時、渋谷の某居酒屋に到着した編集部。
「インタビューでまともに話してくれたことあるんですか?」「今まで真面目な話は一度もしてくれたことないんで、不安っすね」などとタバコを吸いつつ作戦会議(?)をしていると、20分ほど遅れてふたりがやってきた。
通常のインタビューではほとんどまともに答えない彼らの核心に迫るべく、渋谷のド真ん中にある喫煙OKの居酒屋の個室で、勝手ながら「M-1決起集会」を開催させてもらった。
その一部始終をほぼノーカットで前後編に渡ってお届けする。
―――どうぞ、好きなものを頼んでください。タバコも吸えますんで。
友保 おっ。わしカラスミと、サンマの塩焼きもいいっすか?
小林 それ2つで。あと中トロの刺身も。
―――今日は『M-1』決起集会ということで。乾杯しましょう。
友保 ……おい、罠ちゃうか?
小林 どう考えても罠やろ。こんな取材あるわけない。
友保 いやいや、まあうれしいな。
小林 お疲れ様です〜。

金属バット:小林圭輔(左)と友保隼平(右)
―――東京にいらっしゃるときはどんな芸人さんと飲んでるんですか?
小林 昔はマヂラブの村上とよう行ってたんですけど、優勝してからは全然行ってないです。忙しくなってしまって。
友保 わしは大阪から出てきた日本クレールっていうコンビの、リゴっていうヤツと飲んでますわ。ただただ可愛いだけなんで「ほら、食べ食べ」言うて、なんもお笑いの話はせえへん。あとは、なにわプラッチックの三輪さんと飲んでますね。
小林 昔から世話になってるよな。
友保 尼崎のヤンキーでな。ピリッとしたらもう全然、殴ってくる(笑)。俺らが好きな昔のお兄さんって感じですわ。なんばの味園っていかがわしいビルにある「白鯨」っていうバーでよくライブしててな。そこで三輪さんとめっちゃ飲んで、ベロベロになって、最後は泣きながら「アンマー」(かりゆし58)を歌うっていう流れがあるんすよ。
極貧の大阪インディーズ時代
―――青春っぽい……。大阪時代、ほかにはどんな先輩がいたんですか。
友保 BODY&SOULさんっておって、もう辞めはったんですけど、爆裂ヤンキーでな。
小林 ヤンキーやったな。

―――ヤンキー多いですね。
友保 そやねん。吉本から離れてインディーズに行けば行くほどヤンキーが多くなってくる。BODY&SOULさんはネタもおもろかったし、飲んでてもおもろかったな。ライブの打ち上げで瓶ビールをケースごと頼んで、店員さんに「そんなに飲んで大丈夫?」って心配されたら「ええねんええねん、俺ら自衛隊やから!」って変な嘘ついてたわ。
―――みんなお金がないと打ち上げの店を選んだりするのも大変じゃないですか?
友保 なんかあるんですよ、安い店が。
小林 安い店を見つけるヤツがおるんですよ。鳥貴族のオープニングセールとか。
友保 ああ、あれな。
小林 オープンの日は半額なんで。「あっちに新しいトリキができたぞ」って言うて、みんなで行ってましたわ。
―――当時の先輩は、今も続けている方もいるんですか?
小林 もうほとんど、辞めてますね。
友保 当時お世話になった鳥溶岩って先輩もね、辞めちゃったんですけど。どっちもめっちゃ好きやったんすよ。ごっつおもろいし、ええ人で。
小林 若手はみんな外でネタ合わせしてたんすけど、あの人らは大阪ビジネスパークのミスドのテラス席でネタ合わせしてて。一回行ったら、鳥溶岩さんのふたりがテラス席で『孫子の兵法』読みながらサッカーの布陣を考えてたんすよ。
友保 めっちゃおもろかったな。当時の(サッカー日本代表監督)オシムにめっちゃ文句言うてな。
小林 『孫子の兵法』を読みながら「こうすべきや」って。
「お笑いの熱い話するヤツなんか、近寄らんほうがええ」
―――飲んでるときはどういう話をしてたんですか?
小林 次、有線でなんの曲がかかるか当てたりしてたな。
友保 そや、クイズな。
小林 それを2、3時間ずっとやるみたいな。

―――お笑いの話は?
友保 そんな話するヤツおらんかったな。お笑いの熱い話するやつなんか、近寄らんほうがええんすよ。そういうヤツはすぐ辞めるから。
小林 あとは他の芸人の悪口ばっかり言ってましたわ。
友保 「あいつおもんないな」とかな。
―――最近は、大阪だと誰と飲んでるんですか?
友保 同期のデルマパンゲとよく川で飲んでます。あと先輩のポピー藤原さん。一回東京行かはって、大阪帰って結婚しはって就職して。えらい金回りがよくなってな。
小林 一軒家建てて、子供も産まれてな。
友保 ポピーさんが住めるはずもない綺麗な家行って、寿司とかピザとか頼んで飲ませてもらってます。若い頃から世話なってますわ。
小林 ポピーさんと、(三浦)マイルドさんにはお世話になりましたね(笑)。
友保 お世話になったなあ。僕らも当時は貧乏やったんで、素性もわからずね。まさかあんなネトウヨのおっちゃんやとは思わなかったんで。
THA BLUE HERBと金属バット
お笑いの話を聞くはずが、酒も料理も次々と到着し、なかなか本題にたどり着かない。『M-1』の話を聞くぞと意気込んでいた編集部も、気づけばお笑いと関係のない質問をどんどん繰り出し、話題が脱線していく。
―――そういえば、今日この店のすぐ近くのライブハウスにTHA BLUE HERBがライブしに来てるんですよ。友保さん、YouTubeのラジオ(『金属バットの声流電刹』)でも好きだっておっしゃってましたよね。
友保 ごっつ好きですよ。へえ、ボス(BOSS THE MC)来てんねや。好きやけど、怖くて近寄らんようにしてるんすよ。知り合い経由で「BOSSが近くにいるから会わへん?」って誘ってもらったこともあるんすけど、ただただファンなんで。会わんようにしてるんです。

―――札幌の平岸(THA BLUE HERBの地元)にも行ったとか。
友保 そう、ひとりで行きました。なんにもなかってんけど「ここなんや」って、「この地下鉄のこと歌ってたんや」とか。
―――そもそもどういうきっかけでハマったんですか?
友保 これは言えない話やけど、一番最初は当時あった怪しいサイトで音源聴いたんですわ(笑)。それでラップはそれまでも聴いてたんで「ごっつええやん」って。
―――ふたりのスタイルに合ってる気がするんですよね、THA BLUE HERBが。媚びずにマイペースな感じとかが。
友保 そうっすかね。まあ忙しいの嫌なんでね。
小林 忙しいのは嫌やな。
友保 忙しい人ら、みんな大変そうやもんな。ほんまにぼちぼちでええわ。
―――それこそ『M-1』で優勝したらめちゃくちゃ忙しくなるんじゃないですか。
小林 嫌やなあ。忙しくなりたくないな。
友保 言うてる間に、もう(『M-1』予選が)はじまってますわ。ほんま、かなわん。
小林 かなわんな。
決起集会のスタートから1時間。いい感じにアルコールも回り、紆余曲折を経てついに話題は『M-1』へ。果たしてふたりの口からどんな言葉が飛び出すのか……。後編へ続く。
取材・文/山本大樹 撮影/石垣星児
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