日本ではそこそこのヒットに終わったバットマン

記念すべき1990年代最初の「ロードショー」の表紙を飾るのはなんとバットマンだ。しかも、クレジットはバットマンことブルース・ウェインを演じた「マイケル・キートン」ではなく、「バットマン」となっている。スターではなく、特定のキャラクターが表紙を飾ったのは、83年2月号のE.T.に続き史上ふたり(?)目である。

90年代最初の年は、なんと男性表紙が半数に迫った! 『バック・トゥ・ザフューチャー』3部作が完結で、マーティことマイケル・J・フォックス旋風が吹き荒れる_1
今もリブートが続く『バットマン』第1作の監督はティム・バートンで、作品としての評価は高い
 ©ロードショー1990年1月号/集英社
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アメコミ映画全盛のいまからすれば想像するのは難しいが、編集部にとって相当な英断だったはずだ。なにしろ、これは映画版『バットマン』の第1弾であり、当時、原作の知名度は非常に低かった。しかも、主演は演技派ではあるものの、イケメンとは言いがたいマイケル・キートンである。それでも表紙に起用したのは、同作が『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』を抑えて、1989年の北米興収1位(2億5118万ドル)に輝いたからだろう。
日本でも相当のヒットになると見込んで、猛プッシュ。1月号では、「こーふん!! 『バットマン』のすべて」という大特集を組んでいる。

だが、結果的には、日本での年間配給収入は7位となった。日本人に馴染みがなかったキャラクターとしては善戦したと言えるかもしれない。

なお、1990年の配給収入ランキングは1位『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)、2位『天と地と』(1990)、3位『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(同)、4位『ゴースト ニューヨークの幻』(同)、5位『ダイ・ハード2』(同)となっている。