第二部を「少年ジャンプ+」(集英社刊)で連載中、累計発行部数1800万部を突破している大人気マンガ『チェンソーマン』のTVアニメが10月11日(火)よりテレビ東京他にて放送開始した。

本作の制作を務めるのは『呪術廻戦』や『進撃の巨人 The Final Season』など数多くの人気アニメ作品を手掛けるMAPPA。複数の企業が出資する「製作委員会方式」を取らず、100%MAPPAが出資。加えて、エンディング・テーマは12組のアーティストが週替わりで務め、エンディング映像も毎週異なる映像になっているなど、アニメ制作における挑戦的な姿勢と強いこだわりも注目されている。

そんな本作でアニメーションプロデューサーを務めるMAPPAの瀬下恵介にインタビューを実施。同社が制作に至った経緯、スタッフ・キャストを含めた制作に対するこだわり、原作者・藤本タツキからの印象的な言葉など制作の裏側を伺った。

『チェンソーマン』をより良い形で映像化したい

――複数の企業が制作費の出資を行う製作委員会方式を取らず、MAPPAが100%自社で制作費を出資をすることに踏み切ったのはなぜですか?

我々としては、「『チェンソーマン』をよりよい形で映像化したい」という考えが念頭にありました。その上でどういう座組がいいかを話し合ったところ、弊社で100%出資する方が、ビジネス的な自由度も表現的な自由度もクリアできるのではないかと考えたんです。

「製作委員会方式が自由ではない」ということではありません。理解のあるチームの下で進めている作品も多くあります。ただ、我々の目的は最もよい形で映像化することであり、視聴者が最も楽しんでもらえる形で『チェンソーマン』をお届けすること。その目的を達成するには、複数の首脳陣が集まって、いろんな思想が入り混じってコンテンツをつくるよりも、集英社さんと弊社のみで面白いものを作るということだけを追求する方がいいだろうと思ったんです。

――12組のアーティストが週替わりでエンディング・テーマを務めるというのも、自社出資だからこそできたことですよね。

そうですね。2021年6月にティザー映像 を公開したところ、多数の音楽レーベルさんから連絡をいただきました。

「新しい人にお願いしたかった」アニメ『チェンソーマン』制作に込められたMAPPAの願い_1
©藤本タツキ/集英社・MAPPA
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主題歌の選択肢がいくつか決まっていく中、中山監督から「どうせやるなら各話の内容に寄り添ったエンディングをやりたい」との意思をお伝えいただき、どうしようかと考えていたところ会社(MAPPA)から「今回の座組であればエンディングを各話ごとに変えることもできなくはないよ」と。

ただ、そうなると毎話エンディングの映像も変えないとおもしろくないと思ったため、現場に余力があるのかという話は当然出てきました。そこで監督や現場で動いてくれているスタッフと話し合ったところ、「やりましょう」と言ってくれたので実現することができたんです。