のん、大島優子とカチューシャつけてハロウィン! 映画『天間荘の三姉妹』こぼれ話と、のんの溺愛映画5選_01
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三女のたまえは、自分の役割が欲しい人

――『天間荘の三姉妹』は、髙橋ツトムさんが描いた漫画『スカイハイ』(集英社)のスピンオフで、天空と地上の間にある宿「天間荘」を舞台にした作品ですが、原作を読んだ感想を教えていただけますか。

大きな災害が起こった時、残された方たちが今何を思い、何を考え、どういう生活を送られているんだろうということに思いを馳せたことはあるんですが、一瞬にして命を奪われた方達の魂がどうなったかというのに思いを馳せたことがなかった。

嘆きがあり、悲しみがあり。中には自分が命を失ったことに気づいていない人もいて。そんな人たちの魂を癒す場所として三ツ瀬という街があって――。あぁ、そうかこういう考え方もあるんだ。すごく素敵だなぁと。ファンタジーの世界として描かれているからこそ、届くものがあると感じて原作を読んですぐに、この作品に参加したいと思いました。

――映画の中でのんさんが演じたのは、長女のぞみ(大島優子さん)、次女かなえ(門脇麦さん)と腹違いの妹であるたまえ役。演じるにあたって、特に気をつけたことはありますか。

ハリウッドで、ものすごくシステマチックに役を解釈するやり方があって。その役のオブジェクティブ、つまり人生の目的とシーン別の目的、その障害になるもの、他の役との関係性などをノートに書き込んでいくんです。やってみてしっくりこなかったら、最初に戻って設定した目的を変えてみる。そうすることで、答えが導きやすくなり、最短距離でその役に近づくことができるようになるので、私もそれを実践しています。

――その結果、のんさんが導き出したたまえはどんな人物でしたか?

たまえは、ギフトが欲しい人です。自分の居場所を作るために頑張るし、それがどこであっても関係ない。現世でも三ツ瀬でも同じなんです。生きているか死んでいるか、わからない世界だとしても、自分の役割があるところ、自分を求めている人がいる場所で生きるのが幸せな子なんだろうと思って、そこに注意して演じていました。