──Himaさんはコスプレとロードバイクの二刀流女子ですが、それぞれいつぐらいからどんなきっかけで始めたんですか?
コスプレを始めたのは、中学3年生ぐらいです。文化祭でダンスをすることになったんですけど、せっかくだったらコスプレしてみようということになって、それがきっかけですね。
もともとアニメ好きでもあったので、すぐにハマってイベントにも行くようになりました。そこから極めていって、今はコスプレイヤーとしても活動しています。
──アニメ好きでコスプレイヤーとなると、ロードバイクに出会ったのはやっぱりあの作品の影響ですか?
『弱虫ペダル』です(笑)。でも、それまではいわゆるオタク系のかわいい女の子が出てくるアニメばっかり観ていたので、放送当時はまったく興味がなくって。
でも、友人から絶対に観たほうがいいって言われて、2年くらい前に初めて観たんですよ。そしたら、「なんだ、この面白いアニメ!」って、高校生たちの青春に熱くなっちゃって。そこから急激に、「ロードバイクに乗りたい!」って感化されちゃったんです。

「漕げば漕ぐほど快感を得られるんです!」“萌え×燃え”のコスプレーガール・Hima
SNSで見かけるキラキラした “ロードバイク女子”たち。こんなかわいい子たちが本当に存在するのだろうか…。そんなことを考えていたら、ロードバイクに乗りながらコスプレイヤーとしても活動している “Himaさん”を発見! “かわいいの渋滞”を起こす彼女にぜひとも会ってみたい! 10月10日はスポーツの日。これを機にロードバイクを始めてみるのも悪くない!?
ロードバイク界の激カワ二刀流女子Vol.2
オタクだった私が自転車と出会って“部活”まで始めた!

──それまで、自転車には?
ママチャリを買ったのが上京してからで、買い物に行くときにちょっと乗るぐらいでした(笑)。だから、「ロードバイクって何? エンジン付いてるの?」みたいな感覚でしたね。
自転車に乗るようになって、素の自分を出せるようになりました。

──そんなHimaさんがロードバイクに乗るようになって、現在はコスプレイヤーとローディーの二刀流で活動されています。
コスプレイヤーとしては、SNSへの投稿や撮影会で活動しています。ローディーとしては、「チャリ部」という“大人の部活”のようなイベントで副部長をさせてもらっています。
「チャリ部」は、自転車のライドイベントを開催されている方とタッグを組んで、誰でも参加できる自転車のコミュニティを作ることが目的の“部活”です。
ロードバイクだけに限定せず、「クロスでもマウンテンバイクでも、シティバイクでもいいよ。みんなで楽しもうよ。自転車は怖くないよ」って伝えたいんです。
例えば、先日開催した東京のナイトライドは、夜は一人で走るのが怖いという人を想定したイベントですけど、私たちが一緒に走って安全を確保して楽しんでもらえたら、その参加者が今度は友だちを連れてくる。そういう形を作ることができれば、輪が広がっていくんじゃないかって。
──コスプレとロードバイクには、それぞれ違う魅力を感じているんですか?
コスプレは、自分の好きなキャラクターになるのが最初はうれしくて、ただ衣装を着るだけで満足だったんですよ。
そこからだんだん写真として残したくなって、さらにこだわって「この作品のこのシーンだから!」ってロケーションを選んで撮影をするようになっていきました。そのなかで、カメラマンさんやコスプレイヤーさんとつながって、周りにどんどん人が増えていった感じです。
一時期は男装しかしていない時期もあったんですけど、かわいい系のコスプレもするけどかっこいい系もできるよってドヤりたかったというか(笑)。
そのギャップを自分で楽しんでいる部分があるので、今まで続けてきた理由の一つは、素の自分とは違う誰かになるのが楽しいからなのかもしれません。
──ロードバイクに感じている魅力は?
コスプレとは逆に、素の自分でいられることですね。コスプレは楽しいですけど、お仕事の場合はカメラマンの方などに求められる理想のイメージがありますよね。
私の場合は、女の子らしくてふわふわしているコスプレイヤーのひまちゃん像がある。だから、コスプレをする場合はそういう求められる自分でいようと思っています。
でも、それだけだと素の自分でいられる時間が少ないなと思って、何かもう一個趣味が欲しいとは思っていたんですよね。
ネイルもバッチリ!ロードバイク女子だって“オシャレ”でいられる!
──そして、現在の二刀流に至るという形なんですね。
そうなります。ロードバイクは、とにかく漕げば進むのが快感なのと、車とは違って肌で色々なことを感じられるのが魅力です。
サイクリングロードを走っていたら、春の匂いがするとか秋の匂いがするとか、季節が感じられる。ちょっと詩人みたいで自分で言ってて気持ち悪いんですけど(笑)、そういうものが感じられるのはすごく楽しいです。
それで、せっかくだったらコスプレのアカウントとは別に自転車のアカウントも作ろうと思って作って、今の活動につながっていきました。
──ロードバイクを始めてから、どんな変化がありましたか?
一番は、コスプレの世界とは違う仲間が増えて、素の自分でつながれるコミュニティができたことですね。普段はなかなか話せない年齢の人たちとも、自転車を通せばフラットに話せるので、幅広い年齢の友だちができるのは魅力の一つだと思います。
ほかに大きいのは、行動範囲が広がったこと。ママチャリだと100キロも走れないけど、ロードバイクだったらどこへでも行けるし、当然ママチャリより速いし、爽快感がある。車だと見逃す場所や入れない場所にも、自転車だったら寄れる。そういう楽しさを知ったのは、自転車に乗り始めたからですね。

──ローディーとして、今後はどんな目標がありますか?
若い女子を増やしたいという目標があります。高いものばっかりじゃなくて安いロードバイクも売っているし、私みたいに中古から乗り始めてもいいし、クロスバイクから始めてもいいし。
女子にとっては、メリットがいっぱいあると思うんですよ。代謝も上がって、脂肪燃焼できます。特に脚やせ効果はすごいですから。だから、女の子にとってはすごくいい趣味だと思っています。
──気軽に始められる趣味だと。
最低限ヘルメットとベル、ライトがあれば自転車は大丈夫なんですよ。ウェアだって、何でもいいわけで。私はネイルがすごく好きで今もバッチリしているんですけど、「そのネイルだとパンク修理ができないじゃん!」ってよく言われるんです。
でも、タイヤを簡単に外せる工具があるから、全然問題ない。それに、本当に困ったら自転車屋さんに持っていけばいいと思っているので(笑)。
──オシャレして自転車に乗ってもいいんですね。
もしこれから自転車を始めたとしても、女性としての自分のスタイルを変える必要はないですから。
あと、女子にとって気になるのは日焼け問題だと思うんですが、私は、コスプレイヤーとしては色白を求められることもあるので、1日に何回も日焼け止めを塗ったり、ビタミンサプリを飲んだりしてケアしています。
それでも焼けちゃうことはあるんですが、そのときはファンデーションもあるし(笑)、健康的だと思って割り切っています。
──かわいいロードバイク女子が増えると、世の中も明るくなりそうです!
例えば、「始めるならアイテムを買わなきゃいけない」のような固定概念をまずは捨ててもらって。そういう意味で私が最近オススメしているのが、レンタル自転車です。
クロスバイクやロードバイクを借りて何回か走ってみて、それで楽しかったら買ったらいいし、たまにでいいなと思ったらみんなで走るときに借りればいい。そんな感じで、女子に限らず気軽に始める人たちが増えればいいなと思っています!
取材・文/横井孝宏 写真/立松尚積





