絵画のように美しい『プライドと偏見』

こころから通じ合えるパートナーと出会うには…映画『プライドと偏見』に学ぶ恋愛術_1
『プライドと偏見』。左からエリザベス(キーラ・ナイトレイ)とダーシー(マシュー・マクファディン)
Album/アフロ
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みなさま、こんにちは。ヨガ講師やセラピストなど女性のカラダとこころの健康にまつわる活動をしている、仁平美香です。

今回は、ジェイン・オースティン原作小説を映画化した『プライドと偏見』(2005)をご紹介します。今までドラマを含めて少なくとも6回映像化されている作品ですが、主演のキーラ・ナイトレイの表情や、絵画のような映像が美しく、何年たっても色あせない映画です。

なかなか本心が言えない、または自分のやりたいことがわからない人や、こころから繋がれるパートナーや友人と出会いたい人におすすめです。

18世紀を再現した美しい映像にうっとり

この映画の見どころはふたつ。ひとつめは、丁寧に再現された18世紀の風景を楽しみながら、身分の違いによる生活や価値観の違いを学べることです。

舞台は18世紀末のイギリス。女性に相続権がない時代、女の幸せといえば経済力を持つ男性と結婚すること。ベネット家の母親は5人の娘たちをどうにか資産家と結婚させようと必死になっています。

そんな中、近所に引っ越してきた独身の富豪ビングリーと、美人で評判の長女ジェーンが、舞踏会をきっかけに心を寄せ合い始めます。その舞踏会で、次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、ビングリーの親友ダーシー(マシュー・マクファディン)の高慢な態度に腹を立て、その日からプライドが高いもの同士の、分かり合えない関係がはじまります。

この映画は、それぞれのシーンが1枚の絵にできるような美しさで、ときおり流れるピアノの旋律もクラシカルな雰囲気にぴったり。豊かな大自然の風景や、美術館のような豪華絢爛な邸宅とインテリア。そして、ビングリー主宰の舞踏会のシーンは、凝ったヘアスタイルや、ドレス、髪飾りなどで、華やかに着飾った女性たちの姿にもうっとりしてしまいます。

ダーシーは、知的で美しいエリザベスに好意を抱きますが、身分の低いベネット家を見下し、自分の気持ちに蓋をしているので、高飛車な雰囲気は変わらず、なかなか関係は深まりません。

お互いに気になりながらも、相手の態度に困惑したり苛立ったり、誤解はどんどん膨らんでいくばかり。

このふたりは強い偏見を持っているところや、知性を欠く人が嫌いなところなど、お互いにとてもよく似ているのですが、だからこそ相手の発言が良くも悪くも深く刺さる。

物語が進むにつれて、似たもの同士でありながら、相手が持っていないものを持っていることにも気づいていきます。