頓知気さきな(以下、同) 本当に好みのドンピシャで、私のヒロインです。どこが好きというより、なんか全部なんですよね。理想の女性像。憧れます。笑顔に曇りがなくて、はつらつとしていて。彼女とかっていうより、娘にしたいタイプ。八重歯の形もとにかく超タイプ。外見だけでなく、話し方や笑い方もなんです。礼儀正しく控えめで、コミュ力も高めで人懐っこくて、育ちがよさそう。
肉付きはいいんだけど、プロポーションが崩れて見えることはなくて、なおかつイヤないやらしさがないんですよね。河合さんでしか成り立たない、奇跡のバランスです。河合さんの近代映画増刊の『河合奈保子フォトメッセージ』(近代映画社)が好きすぎて、表紙の写真で着用しているオレンジのボーダーの三角ビキニを、私のファースト写真集『ときめきヒロイン』(集英社)で再現していただいて着用しました。

河合奈保子、南野陽子、斉藤由貴…頓知気さきなが選ぶ、今こそかわいい80年代アイドル5人
実姉の戦慄かなのと共にアイドルユニット「femme fatale(ファム・ファタール)」として活動し、若い世代から人気を集める頓痴気さきな。頓知気は昭和アイドルやグラビアをこよなく愛し、古書店街の東京・神保町のアイドル写真集専門店「荒魂書店」の常連客だそう。写真集を200冊も所有しているという彼女に、イチオシの昭和アイドルについて語ってもらった。
頓知気さきな インタビュー後編

頓知気さきな
ドンピシャで好みの河合奈保子

近代映画増刊『河合奈保子フォトメッセージ』(近代映画社)

ファースト写真集『ときめきヒロイン』(集英社)より
南野陽子は日本のエロス
日本のエロス!という印象。日本人が持つ上品なセクシーの最高峰な気がします。かわいらしさもあって。私の中では、河合さんが肉感代表、南野さんがスレンダー代表です。
細いけど健康的で、弾力の有りそうな肌感。賢そうな顔立ちも好きです。アイドルグラビア雑誌の「DELUXEマガジンORE」というシリーズの『陽子をひとりじめ……』(講談社)が好き。

「DELUXEマガジンORE」シリーズ『陽子をひとりじめ……』(講談社)



刺さる人には刺さる斉藤由貴
影がある感じでミステリアス。クラスにいたら勝手に心配しちゃいそうなタイプですね。つかみどころがないけど、勝手に気になっちゃう。儚さがあります。太陽っぽさはないけど、あの壊れちゃいそうな感じ、刺さる人には刺さりますよね。
河合さん、南野さんはアグレッシブで、運動神経がよさそうなんですけど、斉藤さんは、少しどん臭そうというか……見た目もふわふわしていて存在の輪郭がない感じ。そこがいいです。南野さんの『陽子をひとりじめ……』と同じシリーズの『いつもそばにいて…由貴』(講談社)が好き。
斎藤さんの話し方も好き。ちょっとおっとりしてる(笑)。

「DELUXEマガジンORE」シリーズ『いつもそばにいて…由貴』(講談社)
挑発的な眼差しがかわいい本田美奈子
比較的フィジカルが強そうなところは河合さんや南野さんと共通するんですが、あの2人は文系な感じがするんですよね。でも本田さんは体育会系のイメージです。バスケとかが似合いそう。
眼差しが強くてどこか猟奇的な印象もあります。生意気で、もの怖じしない感じ。でもそこが魅力的なんですよね。
大人になるにつれてサディストっぽい猟奇的なテイストが強まっていくんですが、私は芸歴が浅いときの少女らしさがある感じも好きです。明星特別編集の『美奈子 BATHROOM ANGEL』(集英社)とか。骨格細くて、スレンダーだけど貧相じゃなくてめっちゃ体がきれい。手足が長すぎる!

明星特別編集『美奈子 BATHROOM ANGEL』(集英社)

現代でも通用する透明感がある高橋由美子
ちょっと年代が後ですが。この方は荒魂書店の店長さんとの対談のときに、私が好きそうだと教えてもらって、単なるアイドルで終わらない感じが魅力的でハマりました。
色白で儚い感じで、透明感が強くて。今で言うと、橋本環奈さんや広末涼子さんのラインな気がします。最近でも流行りのテイストですよね。
『pure mint』(ビクターエンターテイメント)という写真集があるんですが、衣装がずっと何の装飾もないワントーンのワンピース水着なんですよ。写真集って普通、お洋服もいろいろ着て、水着にしてもバンドゥビキニや三角ビキニを着て、バリエーションを出すのに、これはトガってるなと思いました。でもスタイルがあまりに魅力的で、全然見飽きないという。

『pure mint』(ビクターエンターテイメント)
「好みじゃないで終わりでいいはず」
こうして振り返ってみると、私が好きな方だけでもバリエーションが広いのですが、過去に一世を風靡(ふうび)したアイドルの容姿や体型に対しても今の時代では否定的なことを言う人もいますよね。
グラビア表現もそうなんですが、近年はちょっと見た目の「正解」が作られ、それが偏りすぎているのでは?と感じていて。もちろん流行りのルックスが好きな人を否定するつもりはないのですが、それが他人にも向いているような気がして、風潮として厳しすぎるというか。
「鼻が残念だよね」とか「かわいそう」とか粗探しの批判をする人を見かけたりすると、「どういうこと?」って。昔なら「好みじゃない」で終わっていたはずなのに、同調圧力になっちゃってるんじゃないかな。もっと好きに生きたらいいさ〜って、思います。

終わり インタビュー前編>>
取材・文/宿無の翁 撮影(人物)/松木宏祐 撮影(書影)/一ノ瀬 伸
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