――浅倉唯さんといえば、故郷・青森への愛です!
はい‼︎ もう、心は青森への愛で溢れています(笑)。
――スマホには、ご自身で撮った、故郷の写真が入っているとか?
私が生まれ育ったのは青森県の弘前市というところで。帰省した際に列車の車窓から撮った津軽平野と、“津軽富士”と呼ばれる岩木山の写った写真が、私にとっては大事な大事な宝物です。
――時々、それを眺めている?
時々じゃなくて、しょっちゅうです。寂しいとき、悩んだとき、心が折れそうになったとき…その写真を見て元気と勇気をもらっています。
――女優になりたいと思ったのは、東京に来てからですか、それとも、青森にいる頃からですか?
青森で暮らしていた頃からです。幼稚園のお遊戯会で歌と踊りを披露して、将来こういう仕事に就けたらいいなぁと漠然と思うようになって。ただ、どうせ無理だろうと思う気持ちもあったので、両親にも友達にも内緒にしていました。
――誰にも言わなかった?
東京には芸能コースの専門学校がありますよね?でも、青森にはないんです。パソコンで検索しても、0件という数字しか出てこないんですよ(笑)。だから、あくまで夢は夢で…。誰にも言わなかったというより、誰にも言えなかったというのが正確なところです。
――で、大学進学を機に東京へ、ですね?
そうですね。両親は大学に行くために必死で勉強していたと思っていたみたいですけど、私の中では、東京へ行って自分の夢を叶えるための通過点として勉強していました。
――現実は厳しかったですか?
はい厳しかったです。まず、東京に出てきたその日の夜からホームシックになって。寂しくて悲しくて…狭い部屋でひとり膝を抱えて泣いていました。

故郷を思ってひとり泣いた夜…。浅倉唯の心に溢れる青森・弘前への愛
一年に及ぶ『仮面ライダーリバイス』の撮影を終えた浅倉唯の心に宿るのは、故郷・青森への想い…。弘前城のお堀を桜の花びらで埋め尽くす花筏。あたり一面に咲き誇る、可憐なリンゴの花。そして、眩いばかりに輝く真っ白な雪景色…。浅倉唯の心は、青森への思慕に溢れている。

ひとりで泣いた夜

爆発する弘前への愛
――あらためてお訊きしますが、浅倉唯さんが生まれ育った青森県弘前市って、どんなところですか?
冬は一面雪で真っ白に染まり、春はリンゴの花で弘前城公園が桜色に染まる…そんな風景が毎年そこにあるのが当たり前で、有り難みを感じることもなくなっていましたが、それがどれだけ贅沢なことなのか東京に来て初めて気がつきました。
――そして、弘前の夏といえば――
ねぷた祭りです。ねぶたじゃなく、ねぷた! 青森のねぶたは山車が立体ですが、弘前のねぷたは扇形。掛け声も、青森は「ラッセラー」ですが、弘前は「ヤーヤドー」。似ているようで違うんです。
――今夏、その弘前ねぷた祭りに、ゲストとして参加されました。
そうなんですよ! 去年、一昨年は、コロナ禍でお祭りが中止になり、今年は3年ぶりの開催で、しかも弘前ねぷた300年という節目の年にゲストとして呼んでいただいて。仕事で青森に帰ったのも初めてだったので、なんだか不思議な感じでした。
――お祭りには、毎年、参加していた?
毎年家族で見に行ってはいましたが、参加したのは小学生のとき以来です。参加するには体の底から湧き上がってくるようなエネルギーが必要で、中学生になるとそれが薄れるわけじゃないですけど、見る側に回る方が楽だし、楽しくて。私の中で、ねぷた祭りは参加するものじゃなくて見るものでした。
――実際、参加した感想は?
参加している人はもちろん、見ている人の熱量もすさまじくて。一緒に「ヤーヤドー」と掛け声を上げ、手持ちの金魚ねぷたを掲げながら「あ、そうだ! こんな感じだった」と思い出していました。
――楽しかった?
もちろんです! 弘前の夏を満喫させていただきました。
――市長にもお会いになったんですよね。
弘前にいた頃は縁遠い場所だと思っていた市長室に入れていただいて。まさか入れていただけるとは思っていなかったので、ちょっとドキドキでしたけど、一緒に行った両親には、ちょっとだけ親孝行できたかなと思っています。
――弘前に帰ったのは?
1年ぶりです。1泊2日の弾丸ツアーでしたけど、久しぶりに美味しい空気を胸いっぱい吸い込んで、元気をもらったのでまた新たに頑張れます! 目の前のことに、ひとつひとつ、全力でぶつかって行きますので、皆さん応援してください。よろしくお願いします!

取材・文/工藤晋 撮影/松木宏祐 スタイリスト/南拓子 ヘアメイク/円谷歩美 衣装協力/YUKI SHIMANE








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