二次元と三次元のいいとこどりで、新たなアイドル像を切り開いているGEMSCOMPANY。単なるVTuberでもアイドルでもない新たなジャンルを築くべく、彼女たちは日夜奔走している。

最先端技術が実現した繊細なモーションやバラエティに富んだ楽曲により、早耳なファンを獲得。コロナ禍という活動が制限された状況のなかで、一心不乱に4年間を走りぬいてきた。

今回は新曲が8月24日にリリースされたとのことで、メンバーの小瀬戸らむ、奈日抽ねね、水科葵、一文字マヤにインタビューを実施。後編では、活動5年目を迎えた今の心境を語ってもらうと共に、新たにリリースされる3曲について訊いた。

GEMS COMPANY、「見つけてくれれば好きになってもらえる」という自信― どうしたら知られるかを乗り越えて_1

(右上) 一文字マヤ ニックネーム:マヤたそ
趣味:FPSゲーム(DbD)・野球観戦(西武)・カクテル作り
特技:早泣き・英会話・ダンス チャームポイント:手足の長さ・声
将来の夢:声優アイドル・社長

(右下) 水科葵 ニックネーム:みずしー
趣味:日常の小さな幸せ探し
特技:ピアノ弾き語り
チャームポイント:猫耳ヘア
将来の夢:シンガー

(左上) 小瀬戸らむ ニックネーム:らむちゃん、らむちー
趣味:寝ること、食べること
特技:アクロバット
チャームポイント:半目

(左下) 奈日抽ねね ニックネーム:なにぬ・ねねちゃん
趣味:コロコロ
特技:モールス信号、ヒエログリフ、ダンス
チャームポイント:コロコロ変わる表情
将来の夢:声優

ピンチが好転させたグループの雰囲気

――GEMS COMPANYは、この8月で活動5年目に突入しますよね。この4年間を振り返ってみて、いかがですか。

一文字マヤ チームとしての色が少しずつ出てきたかな。初期の頃は個人の活動が多かったけど、ライブやイベントのためにみんなで練習する機会も増えたし、メンバーでセットリストや衣装について話し合いをするようになったので。

――セットリストや衣装は、みなさん主体で決めているんですね。

奈日抽ねね ここ1,2年でそうなりました。初めの頃はわからないことだらけでしたし、「私たちがライブのテーマやセットリストに口を出していいのだろうか」と思っていたので、そもそもメンバー同士であまり話し合いをしてこなかったんですよ。

GEMS COMPANY、「見つけてくれれば好きになってもらえる」という自信― どうしたら知られるかを乗り越えて_2

――みなさんから意見を出すようになったきっかけが、何かあったのですか。

奈日抽ねね コロナ禍に直面したことが大きかったですね。それまでのGEMS COMPANYは有観客ライブ中心の活動をしていたので、身動きが取れなくなってしまったんです。動ける体を持っているのに窮屈で。結果として、メンバーで「何かできることないかな」って話す機会が増えましたし、スタッフさんにやりたいことを伝えるようになりました。今のGEMS COMPANYは「曲やライブに自分たちのやりたいことを詰めた活動がしたい!」って気持ちが大きくなっています。

――コロナ禍に直面したことで、グループの体制がいい方向へ向かったと。

一文字マヤ もちろん、「コロナがなければもっとアクティブにライブやイベントができていたのに」と思う気持ちもあります。でも、理想を現実にするための行動は、コロナに直面していなかったらできていなかったかもしれないですね。

――“理想を現実にするための行動”とは、例えばどういったことでしょうか。

一文字マヤ わかりやすい例だと「これからの時代は、もっと配信出来たほうがいいよね」という話になり、配信環境が整備されました。今まではいろいろな兼ね合いで、割り当てられた日しか配信ができなかったんですけど、ひとりずつバンバン配信できるようになったんです。以前よりひとりひとりのコンテンツを充実させられるようになりましたし、外部とのコラボもしやすくなりました。

――コロナ以外にも、この4年間でGEMS COMPANYにとって変化を与えた出来事ってありますか。

奈日抽ねね らむちゃんがGEMS COMPANYに加入してくれたのは、とても大きなことでした。もともとはメンバーを増やすのも「どうしようかな」って感じだったんですよ。でも、当時の現状に満足していなかったし、何かGEMS COMPANYを変えたかった。天真爛漫な小瀬戸が入ってきてくれやことにより話し合いのギアもあがったし、良い影響がグループにあったと思います。

小瀬戸らむ 泣いちゃう……。

――らむさんはグループに加入して「想像と違った」と思ったことって何かありますか。

小瀬戸らむ メンバーのグループ愛が本当に大きいです。GEMS COMPANYのオタクをしていたときも、傍から「グループのことが好きなんだな」と思ってはいたんですけど、いざ加入すると想像以上でした。グループのためなら、大変さを惜しまずに動ける人たちの集まりというか。「こういう方針でやっていきたいよね」「ファンのみんなはこうしたら喜ぶよね」って、常にメンバー同士で話し合いをしています。「そこまでやるんだ」っていう驚きが、一番大きかったですね。
与えられた練習時間以外にも各々でダンススタジオを借りて個人練習していたり、9人のスケジュールを擦り合わせてメンバーだけで集まって曲の確認をしたり。楽曲のアプローチについてメンバー同士で自発的に話し合いをしているのも、本当に驚きでした。

GEMS COMPANY、「見つけてくれれば好きになってもらえる」という自信― どうしたら知られるかを乗り越えて_3

――この4年間を経て、今のGEMS COMPANYにとって課題になっているのは、どのようなことでしょうか。

奈日抽ねね 「どうしたら私たちを見つけてもらえるか」ですかね。私たちのエンタメって、見つけてもらわないと始まらないので。

GEMS COMPANY、「見つけてくれれば好きになってもらえる」という自信― どうしたら知られるかを乗り越えて_4

一文字マヤ そのためには、メディアさんに出させていただける機会も、もっと自分たちの手でちゃんと掴んでいかなきゃいけない。きっかけの種ってどこにあるかわからないし、ちゃんと水やりをする必要があるので。

奈日抽ねね 個性豊かなメンバーばかりなので、見つけてもらえさえすれば好きになってもらえる自信があります。

一文字マヤ あと、結果が数字に表れてないことですね。スクウェア・エニックスの看板を背負っているからこそ、それに見合う私たちでいたいし、期待には応えたい。ひとりひとりが個性を活かした取り組みをできるようになったのがここ最近なので、たくさん試行錯誤してみんなでいろんな数字を伸ばせていけたらいいなって思います。