ゆるやかだった夏、涼やかだったアイス

今夏、殺人的な猛暑が続いたが、子どもの頃の夏休みはここまで暑くなかった。間違いなく。あの頃はエアコンなんかなくても夜は涼しかったし、「買った5分後にアイスが溶けてしまった」という記憶もない。暑い日差しの下でアイスを最後まで味わえた夏は、思い出の中にだけになってしまったことが少し寂しい。

汗をかきながら大事に食べた夏のご馳走、アイスの思い出はいろいろあるが、その頃の代表的懐かしアイスの多くが、現存しない。とても残念なことだ。

たとえば、「宝石箱」。バニラアイスの中に色のついた小さな氷が宝石のように散りばめられ、ビジュアル的にも非常に涼しげだった。今でも通用する商品だと思うが、生産はとっくの昔に終えている。

そして「ダブルソーダ」。1つのパッケージの中に2本の棒が刺さったソーダ味の氷菓が入っていて、二人で分け合って食べることができる。友達やきょうだいと半分ずつお金を出し合って購入して一緒に食べたが、力の入れ具合で均等に割れないこともあり、かなり不平等になったことも。

その場合の、じゃんけん勝負は暗黙のルールだった。これは割と最近まで売られていたが、2017年に終売されたとのこと。

「ホームランバー」は今も生産が確認されたものの、目にしたことがない。硬派な真四角のバニラアイスが棒に刺さっていて一見、野球と関連が見えないが、食べ進めると露出する棒に”ホームラン”とか”◯塁打”などと書かれており、そうした「アタリ」の表記が商品名の由来のようだ。

今も手に入る懐かしアイス

さて、今の駄菓子屋には、どんなアイスが売っているのだろうか。そう思い、行きつけの近所の駄菓子屋に行ってみた。アイスを入れる冷蔵庫自体はあるのだが、品目は意外に少ない。以下が入手できたもの。懐かしいアイスもあったが、パッケージはほぼリニューアルされていた。

アイスクリン(180円・KUBOTA)

おっぱいアイス、アイスクリン、チューペット…懐かしの“駄菓子屋アイス”は今?_1

球状のアイスがコーンに載っている古き良きコーンアイス。見た目のバニラアイス感と違い、実態はシャーベットっぽい。ソフトクリームが観光地でしか食べられないご馳走だった時代、ソフトクリームを夢想しながら、駄菓子屋でこんなアイスを買って食べた。リニューアルにあたって、かなり高価になっているが、コーンの先までぎっしりとアイスが詰まっているところは好評価。

おっぱいアイス(140円・KUBOTA) 

おっぱいアイス、アイスクリン、チューペット…懐かしの“駄菓子屋アイス”は今?_2

半練りのアイスを風船詰めにし、おっぱいを模した形で、乳首にあたる部分をハサミで切り、そこから中身を吸って食べる。小さい子でもこぼさず容易に食べることができる点に、母親のおっぱいのような優しさを感じる。食感は現行品の「クーリッシュ(ロッテ)」をもっと柔らかくした感じ。食べ進めると、みるみるおっぱいがしおれていくのが面白い。

おっぱいアイス、アイスクリン、チューペット…懐かしの“駄菓子屋アイス”は今?_3