――TBSラジオで始まる朝の番組『パンサー向井の#ふらっと』についてなんですが、週4曜日を担当しながら、今までやってきたほかのラジオ番組もやるわけで。すごく大変なことなのかなと思うんですけど。
もちろん大変なことは自覚しています。今までやってきた仕事にプラスして、すべての力を注ぎこまないといけないくらいの大きな番組なので、楽ではないとは思います。
でも、先輩の麒麟の川島(明)さんや、極楽(とんぼ)の加藤(浩次)さんが、朝の帯番組をやりながら、それでも仕事をガンガンにやってる姿を見ているし、これくらいで「俺できないわ」っていうのは言えないなあっていうのもありますね。
――そのラジオもたくさん番組があるので、それぞれ見せる面が違うっていうこともありそうですよね。
そうですね。『#むかいの喋り方』(CBCラジオ)は、もう本当に自分のことをしゃべる番組で、『パンサー向井のチャリで30分』(ニッポン放送)は、ゲストを招いて、その人の魅力を引き出すというか、まだ質問されてないことを質問したいなと思ってて。『又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間』(NHKラジオ第1放送)は、エピソードトークをする場じゃなくって、共演者としゃべってる中で生まれる面白さやノリみたいなものを楽しむ番組で、『向井と裏方』(AuDee)は、本当にラジオを作ってる裏方さんの話を聞くって感じです。
この四つの要素が全部入っているのが、これから始まる『パンサー向井の#ふらっと』だと思ってるんですよね。自分の話もするし、各曜日のパートナーとふたりで作り上げるノリもできるだろうし、ゲストが来たときはその人の話を聞くで、たぶん、これまでの集大成に近いラジオになるんじゃないかって思ってます。
――『パンサー向井の#ふらっと』は朝4日間あるので、それだけフリートークも量が増えると思いますが。

TBSラジオ朝の顔に! ラジオサバイバー・パンサー向井に聞く、シャープでフラットな喋り方とは (後編)
テレビでも数々の人気番組に出演し、ラジオ番組も週に4番組にレギュラー出演してきた芸人トリオ・「パンサー」の向井慧さん。それに加え、この春よりTBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』を、月〜木曜(※木曜は隔週出演)の毎朝8時30分から担当している彼の「声」を聞かない日はないだろう。そんな向井さんに、ラジオとの向き合い方や今の心境について語ってもらった。(この取材は『パンサー向井の#ふらっと』スタート前の、2022年3月12日(土)に行ったものです)
(後編)
向井慧がこれからのラジオで語ること
TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』開始にあたって

『#むかいの喋り方』でその週に話したのと同じ話はもちろんしたくないので、さらにアンテナを広げる必要はあると思います。もちろん朝の番組だとどぎつい話とか、自分の反省とかをしゃべることは向かないと思うんですよ。そういうのは『#むかいの喋り方』で話していけばいいですしね。
――このインタビューは、『パンサー向井の#ふらっと』スタートの直前に行っていますが、現時点での心境はいかがですか?
正直、直前なので、気持ちがころころ変わってます。「楽しみだな」って気持ちはもちろんめっちゃあるし、「本当にできんのかな」っていうのもあるし。だから準備ってものはしようがないんですよね。本番で何が起こるのかもわかんないし、その瞬間に起こってることを大事にしたい番組だったりもするので、用意するということが難しいんですよね。
その分、なんかこう…長年かけてきたものを引き出すことになるんでしょうね。背伸びもできないし、結局、身の丈でしか日々のラジオはできないと思うので。それを大きくする努力も必要なんですけど、大きく見せすぎないほうがいいのかなと思ってますね。
――毎日、しゃべることで、ペースができて気持ちが安定するものなのか、それとも慣れるまでは苦労するのか…
どっちもあるかもしれないですね。思いを吐き出す場所でもあるので、精神衛生上、ラジオがあるほうがいいときもあるかもしれない。
それでリスナーが聞いてくれて共感してくれたり、逆に「そうじゃないよ」って言う人がいたりすると、自分にとっても昇華できるきっかけになるのでいいと思うし。
逆にラジオという、いろんなことを拾い上げる場所があるからこそ、必要以上に何かが気になったり、ラジオをやってなかったら、イライラすることもあるかもしれません。
――というのも、少し前の『#むかいのしゃべり方』で、向井さんがちょっと落ち込んでいる感じが出ていたので。
ありましたありました。モロに出ると思いますね。ラジオって、そういうバイオリズムとか、テンションに嘘をつけないメディアなので。やっぱり今回、朝のラジオをやるにあたって、「頑張れ」という声をたくさんいただく半面、そうでない声もないではないんです。そういうのを全部、受けて止めていると精神的に食らってしまうこともあります。
もちろんラジオを聴く人を増やしたいという思いはありますが、一方で伝統を受け止め過ぎちゃうと自分がもたないので、重みもちゃんとわかったうえで、「所詮、一ラジオ番組である」ということもどこかで思っていかないと、バランスとれないと思うんですよね。
敷居の低い、誰でもふらっと入って来られる番組に
――向井さんが、ときどき『むかしゃべ』で、SNSでの「いやーな反応」のことを話されているのを聞くと、嫌なリプをもらうこともあるんだなと思ったりもします。
そこは、そういうのも共感してもらおうっていうよりは、吐き出さないとしんどすぎるなと思って話しているんです。その結果、「わかる」って思ってもらえれば健康的なのかなと思いますね。無理に寄り添おうと思うと、変な雑味が出てしまうと思うし。
――意図はしていないけれど、結果的にリスナーに共感されるということはありそうですね。
リスナーとの距離感はすごく意識してるんです。仲間になりすぎたら、入りにくくなると思うんですよね。もちろんリスナーがそう感じてくれてる分にはありがたいんだけど、こっちから「俺たちそうだよね」って押しつけにならないようにとは思っています。
――その方向が朝の帯番組にはフィットしていきそうですね。

まさに朝は、それの際たるもので、番組名の『#ふらっと』っていうのは、誰でもふらっと入ってきてくださいってことなんで、一番、敷居の低い番組になったらいいなって思います。逆に、深夜ラジオとかだと、「秘密基地」みたいな感覚もあると思うんですよね。
僕の場合、芸人になって「ラジオ好き」って言っていたら、「コアなところもいけますってアピールしてんの?」って言われてびっくりしたことがあって、仲間意識が強すぎるとそういう意見になる。
もちろんそういう面白さもわかってる上で、『#ふらっと』に関しては、「誰が聴いてくれてもいいよね」って番組にしたいですね。
――ハライチの岩井(勇気)さんもそういう考え方だと聞いたことがあります。
岩井君も、ラジオに関して、初めて聴いてもらった人にもわかる話をしたいって言っていて、僕もそう思ってるんですよね。
――ラジオで、自分のエピソードを話したり、人の話を聞いたりとかしている中で、それが自分にどのような作用があると思ってますか?
人の話を聞くのももちろん楽しいですし、こういう形でインタビューしていただく時に、「あ、自分ってこんなことを考えているんだ」って、答えながら考えがまとまっていくみたいな感覚があるんですよ。だから、ゲストの人が来た時にも、なるべくそんな風に思ってもらえるようにできたらいいなと思いますね。

撮影 長谷部英明
取材・文 西森路代
TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』情報はこちら!
番組名:パンサー向井の#ふらっと
放送時間:毎週月~木曜日 午前8時30分~11時00分 ※初回放送:3月28日(月)
パーソナリティ:向井慧(月~木)※木曜日は隔週出演
パートナー:滝沢カレン(月) 、田中直樹(火) 、三田寛子(水) 、髙橋ひかる(木)
木曜アシスタント:喜入友浩(TBSアナウンサー)※隔週出演
https://www.tbsradio.jp/flat/

TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』公式サイトより
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