写真館をリノベーションしたシネマ+小屋=シネコヤ

わずか22席の劇場がコロナを乗り越え大盛況。鵠沼海岸のミニシアター「シネコヤ」_1
鵠沼海岸駅で降りて海岸方面へ3分ほど歩くと、左手に見えてくる「シネコヤ」

“映画と本とパンの店”を謳ったミニシアター「シネコヤ」(神奈川県藤沢市)がオープンして、今春で5周年を迎えた。元写真館をリノベーションした昭和レトロな建物で、客席数もわずか22席とこぢんまりしていることから、ちょっと遠慮してシネマ+小屋=シネコヤ。

しかしそこには一歩足を踏み入れた瞬間、個人宅のプライベート空間に招かれたような居心地の良さとゆったりとした時間が流れている。シネコヤのトレードマークになっている猫のごとく、自分のお気に入りのスペースを見つけてまったり過ごしたい。

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右側に写真館「カンダスタジオ」の名残が

江ノ島に向かう観光客を尻目に、小田急江ノ島線・鵠沼海岸駅で下車し、鵠沼海岸商店街(マリンロード)を歩くこと約3分。昔ながらの酒店や雑貨店などを眺めながら、見えてきたのが「シネコヤ」の文字。元写真館の面影を残した大きなショーウインドーと共に、以前の店名「カンダスタジオ」の文字が刻まれた電灯看板の存在がニクい。

扉を開けて、まず目に飛び込んでくるのが美味しそうなパンの陳列棚。緑豊かな神奈川県山北町の空き家を改装した工房で、自家製天然酵母を使って焼き上げた「Desture-デスチャ-」の商品だ。

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人気はつぶつぶの食感が魅力の、甘すぎないピーナツバターサンド(中央奥)
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トレードマークの猫が愛らしい。コーヒーは同じ鵠沼商店街にある「カフェ香房」の自家焙煎オリジナルブレンド
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天井まで映画関連の本がぎっしり。館内にはビリー・ホリデイの曲が流れる
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ジュリー・アンドリュースが表紙を飾った1977年12月号のロードショーも
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蔵書は3000冊を超える
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訪れた人が好きな映画を書き込むノート。各人の思い入れあるリストを眺めるのも楽しい

さらに奥へ進むと喫茶スペースがあり、周囲をぐるりと本やパンフレットが取り囲む。本は、ざっと3000冊。店主・竹中翔子さんの所有物もあれば、鎌倉在住者から寄贈された1970年代からの「キネマ旬報」も揃っているという。