遅刻のうえに、インタビュー切り上げ!?

初めて「ロードショー」編集部に打ち合わせにうかがったとき、私は道に迷い、約束の時間に遅れてしまいました。方向音痴の私は、現在は必ず事前にストリートビューで道を確認してから出向きますが、当時は地図アプリといったものはありませんでした。

そんな私に電話で道を教え、温かく迎えてくださった編集者とご一緒する取材で、私は海外ドラマ・スターのインタビューに初挑戦しました。今では海外ドラマライター歴20年以上になる私の、初めての海ドラ俳優の来日インタビューは「ロードショー」だったのです。

『ロズウェル/星の恋人たち』というTVシリーズのヒロイン、シリ・アップルビーと対面した私は、かなり緊張しながら用意した質問を投げかけ、インタビューを進めていきました。シリはとてもキュートで、気さくに質問に答えてくれたのを覚えています。

『愛の不時着』のヒョンビンの寝たベッドに思わずダイブ!_1
掲載されたシリ・アップルビーの取材ページ
©ロードショー2004年10月号/集英社

回答はシンプルで短めなものが多く、インタビューはサクサクと進み、リストの一番下の質問まで聞き終わった私は、「ハッ、もう質問がない…」と気づいて頭が真っ白になりました。その時点でインタビュー時間はまだ15分も残っていたというのに。「…インタビューはこれで終了です(大汗)」と私が言うと、シリが「えっ、本当に? もういいの!?」と苦笑い。宣伝担当者は失笑。私は穴があったら入りたいという思いでいっぱいでした。

帰り道、編集者からは当然ダメ出しをいただき、猛省した私は、それ以降、できるだけ多くの質問を用意するようになったのはもちろんのこと、その場で臨機応変に対応できる度胸も身につけていきました。今でも緊張することはありますが、それを表には出さず…というか、時間がいくらあっても足りないくらいインタビューを楽しめるようになったのは、あのときの「ロードショー」での初体験の失敗があったからこそ。シリがいい人でホントに良かった!