「AIが少子化を加速させる」と堀江貴文氏が断言する理由。生身の人間との恋愛はコスパもタイパも悪い?
画像生成AI(人工知能)がつくった架空女性のセクシー写真集が売れているが、近い将来、“AIもの”AVやこれと連動したアダルトグッズが発売されるかもしれない。こうした状況にホリエモンこと堀江貴文氏は今後「AIが少子化を加速させる」と断言する。同氏の最新刊『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』(徳間書店)を一部を抜粋、再構成してお届けする。
2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全#1
AIが少子化を加速させる
画像生成AI(人工知能)がつくった架空女性のヌード写真集が売れているらしい。
ためしに私もアマゾンでそのデジタル写真集を買ってみた。驚いた。生身の女性と見分けがつかない。人気のセクシー女優だと言われれば、そのまま信じると思う。
ここまで生々しく表現できるのなら今後、生成AIによるAV(アダルトビデオ)も登場しそうだ。いわゆるディープフェイク(AI技術で既存の画像や映像を組み合わせること)とは別物の、すべてが架空のAVだ。もちろん現実同様のセックス動画をつくるのは簡単なことではない。だがそれでも〝AIモノ〟は登場するに違いない。

いま現在、日本のAV業界を取り巻く状況は厳しい。2022年に「AV出演被害防止・救済法」、いわゆる「AV新法」が施行された。これはAVに出演したことで心身に被害を負った出演者の救済と、出演強要の抑止を目的としたものだ。
業界の健全化をはかるうえで画期的な法律だが、その一方でなかにはメーカー側の死活問題になりかねない規則も盛り込まれている。例えばこの新法により、出演者は映像公表後1年以内なら無条件で契約を解除することが可能になった。これはメーカーにすればかなり厳しいルールだ。制作した商品がつねに販売差し止めのリスクをはらむことになるからだ。
かたやAIモノならそのようなリスクとは無縁だ。そして架空の人物であってもじゅうぶん需要はある。ヌード写真集がそれを証明している。近い将来、AV業界はAIモノに注力していくだろう。
生身の人間との恋愛はコスパもタイパも悪い
AIモノにあわせてアダルトグッズも進化するはずだ。すでにオナホールは電動化にとどまらず、AVの内容に連動して動くものも開発されている。よりAIモノにフィットした連動オナホールが完成すれば、ユーザーは最高の没入感を得られる。
いま女性向けのAVも流行っている。女性もAIモノと、AIモノ専用の連動アダルトグッズによって、身も心も満たされるだろう。
現在、20代独身男性の約4割がデート経験を持っていないという。
その理由は大きく2つだ。ひとつは金銭的余裕、時間的余裕がないこと。もうひとつは、アイドルや漫画を通じた疑似恋愛によって実際のデートが不要になったこと。
ようするに目の前の生身の人間に無関心な人が増えている。彼らに言わせれば、親しくなるためにこまめに連絡を取り合ったり、デートで気を遣い合ったりするのが面倒なのだろう。

最近では「性的同意」という倫理観も浸透しつつある。性行為のみならず、手をつないだり、腕を組んだり、つまり相手の体に少しでも触れるときには、事前に双方の合意形成が必要である。雰囲気だけで合意とみなすのはNGだ。同意なき性行為は「不同意性交罪」として罰せられる。
生身の人間との恋愛は、繊細な配慮が求められる、なかなか大変な営みなのである。
ならば性欲は、AIモノとアダルトグッズで充足させるのが、コスパもタイパ(タイムパフォーマンス)もいいし、リスクもなくて楽ちんだ。
AIモノの普及でますます未婚者が増え、出生率も低下してしまうかもしれない。
文/堀江貴文 写真/shutterstock
『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』
堀江貴文

2023年7月3日
1,540円
208ページ
恐れるか。楽しむか。
未来を知れば、希望が湧く!
ホリエモン、本気の未来予測!
「AIの爆発的進化で、ついにシンギュラリティが来た。この5年で『社会』の在り方は様変わりし、10年後には『人間』の定義も変わる。それを怖いと取るか、楽しみと取るか――。まずは未来を知ることだ」(著者)
日本経済・資産形成・社会保障・老後問題・AI・メタバース・通信技術・エネルギー問題・ビジネス・働き方・産業・犯罪etc
私たちの暮らしに直結する58トピックを完全網羅!
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