私が昔から個人的に楽しんでいる趣味として「毎年、一番活躍した同学年の有名人を“同学年・オブ・ザ・イヤー”として勝手に褒め称える」というのがある。
皆さんも日々何となく芸能人やスポーツ選手を見て「へーこの人同い年なんだ」と気づき、妙に親近感がわくことがあるだろう。そして松坂世代やハンカチ世代よろしく「自分は〇〇世代っすね」と自己紹介に使ったりするかもしれない。時には自分の境遇と重ね合わせながら、頑張れとエールを送ったりもしているに違いない。
私は、それを最新版に更新する作業を毎年やっている。
対象は芸能人やスポーツ選手に限らない。文化人でもいい。国籍も性別も問わない。その年に一番活躍した同い年の有名人を選ぶだけである。基準はあくまで選者の主観なので人それぞれ違っていい。
「同い年の有名人」というと同年生まれで括るやり方もあるが、日本で生まれ育った身からすると「学年」で区切る方がしっくりくる(松坂世代もそうだ)。
たとえば、私は1972年9月生まれなので、1972年4月2日生まれから1973年4月1日生まれまでが同学年にあたる。厳密に言えば、エミネム(1972年10月生まれ)なんかはアメリカ人なので、この期間を基準に同学年にしてはいけないのかもしれないが、そんなことは気にせず、日本式でカウントする。
そんなかなり自由な基準でやってきた「同学年オブ・ザ・イヤー」。今回は、私がこれまで選んできた歴史をダイジェストで振り返りたいと思う。

「自分は〇〇世代っすね」あなたと同学年の有名人の活躍を並べてみよう! 毎年恒例「同学年・オブ・ザ・イヤー」の楽しみ方
話題の人物が自分と同じ世代とわかると強く印象に残るもの。最近は大谷翔平を筆頭に羽生結弦、山﨑賢人、伊藤沙莉が名を連ねる「1994年組」が注目の的だ。そんな「同学年」を基準としたオブ・ザ・イヤーをテーマに、1972年生まれの前川ヤスタカがこれまで独自にチョイスしてきた面々を紹介。「同学年」という全世代共通ワードによる、新たな格付け企画を提案する。
あなたの「同学年・オブ・ザ・イヤー」は誰?
同学年・同世代の活躍を独自に楽しむオブ・ザ・イヤー企画とは?
横綱、金メダリスト、SMAP…当時の強者が勢揃い
■1983年(筆者11歳) 小林綾子
最初に同学年で有名になったのはNHK朝の連続ドラマ小説『おしん』(NHK総合)の小林綾子である。一介の地方在住小学生だった私にとって世界的に有名になっていく彼女の存在は衝撃だった。
■1987年(筆者15歳) 高橋良明
子役時代から人気を博し、15歳にして連ドラの主演を果たした早熟の人気者。しかし1989年、バイク事故をきっかけに早逝。今でも彼が生きていたらどうなっていたかと夢想する。
■1990年(筆者18歳) 貴乃花光司(当時貴花田)
大相撲の若貴フィーバーの中心地、後の平成の大横綱となる貴花田は当時同学年でぶっちぎりに輝いていた。宮沢りえ(一学年下)との婚約には度肝を抜かれた。

■1993年(筆者21歳) 石田ひかり
NHKの朝ドラ『ひらり』フジテレビ系列の月9『あすなろ白書』に相次いで主演。『NHK紅白歌合戦』の司会も2年連続で務めるなど21歳にして上りつめた感があった。
■1995年(筆者23歳) 常盤貴子
ドラマ『悪魔のKISS』(フジテレビ系列)の体当たりの演技で注目され、この年、『愛していると言ってくれ』(TBSテレビ系列)が大ヒット。一躍主演級の女優に仲間入りした。
■1996年(筆者24歳) 木村拓哉
我々同学年の一番星であり、いまだに一番星であり続けるキムタクこと木村拓哉。この年の『ロングバケーション』(フジテレビ系列)以後、ヒットドラマを連発。しばらく「同学年・オブ・ザ・イヤー」は木村の天下が続く。2000年には木村拓哉・常盤貴子の同学年が『ビューティフルライフ〜ふたりでいた日々〜』(TBSテレビ系列)でダブル主演、最高視聴率41.3%を記録した。
■2000年(筆者28歳) 高橋尚子
シドニーオリンピック女子マラソンで金メダルを獲得。Qちゃんフィーバーを巻き起こした。彼女のおかげでhitomiの「LOVE2000」は大ヒットした。
韓流スターもIT業界の風雲児も、同学年と判明
■2001年(筆者29歳) 中居正広
キムタクと並ぶ同学年の大物。「同学年・オブ・ザ・イヤー」としては、この時期木村拓哉と常に争っていた。主演ドラマも多数あったし紅白司会も何度もこなしていたが、この年が最も素晴らしい活躍ぶりで、月曜日から日曜日まで全曜日にレギュラー番組を持っていた。
■2004年(筆者32歳) ペ・ヨンジュン
日本での『冬のソナタ』放映を機に大ブレイク。ヨン様ブームを巻き起こした。

■2005年(筆者33歳) 堀江貴文
ライブドアの社長として球団買収やニッポン放送買収を計画、政界進出も目指すなど、時代の寵児として賛否両論で世間を騒がせたのがこの年。

■2011年(筆者39歳) マツコ・デラックス
2010年前後から徐々にテレビ露出が増えたマツコ。この年に『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系列)がスタートし、以後の活躍はご存じの通り。ここから今に至るまで約10年間はずっとマツコの天下。木村拓哉とは高校の同級生。

■2016年(筆者44歳) 新海誠
2010年代以後のマツコの天下に唯一風穴をあけたのは、映画『君の名は。』の世界的大ヒットを記録した新海誠。その後も多くのヒット作を量産している。
……と、こんな感じである。
ちなみに直近2022年の「同学年・オブ・ザ・イヤー」はやはりマツコだったかなと思っているが、キムタク復活の印象も強い年だった。我々の学年はケンドーコバヤシ、宮川大輔など有名芸人も多数いる年ではあるのだが、どうしても「オブ・ザ・イヤー」となるとキムタク、中居くん、マツコを越える活躍はなかなか難しい。
さて、この遊び。私の世代を書くだけだと本当に同学年の人にしか刺さらない記事になるので、編集のHさんとNさんにも同様に「同学年・オブ・ザ・イヤー」を書き出してもらった。Hさんは私の2学年下の1974-75世代、Nさんは15学年下の1987-88世代である。文字数の関係で、かなりダイジェストになるがご紹介したい。
国民栄誉賞、M1優勝者、ハリウッドスター…
記録にも記憶にも残る自慢の同学年たち
<Hさん(1974-75世代)>
■1985年(Hさん11歳) 西尾まり
TBSテレビ系列のドラマ『うちの子にかぎって…』(1984)『パパはニュースキャスター』(1987)の名子役。
■1990年(Hさん16歳) 山本太郎
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系列)が生んだスター。「メロリンQ」で有名に。
■1992年(Hさん18歳) 松井秀喜
甲子園の5打席連続敬遠で一躍有名に。後に国民栄誉賞を受賞。Hさん世代は「松井世代」と称されることが多い。
■1994年(Hさん20歳) いしだ壱成
「フェミ男」の代名詞で当時のファッションカルチャーのアイコン。ドラマ出演が続き時代の申し子に。
■1995年(Hさん21歳) 華原朋美
小室プロデュースで一気にスターダムに。
■1996年(Hさん22歳) 有吉弘行
『進め!電波少年』(日本テレビ系列)のユーラシア大陸横断ヒッチハイク企画で猿岩石大ブレイク。
■1997年(Hさん23歳)レオナルド・ディカプリオ
映画『タイタニック』の社会現象で「レオ様」フィーバー。
■2001年(Hさん27歳)和泉元彌
大河ドラマ主演に加え、紅白歌合戦司会。ダブルブッキングや空中元彌チョップはこのだいぶ後。
■2007年(Hさん33歳) サンドウィッチマン(伊達みきお・富澤たけし)
敗者復活からの『M-1』制覇は快挙の一言。その後も東北の星として活躍。
■2010年(Hさん36歳) 笑い飯(哲夫・西田幸治)
最多9回の決勝進出の末、この年に悲願の『M-1』優勝。
■2019年(Hさん45歳) 有吉弘行
2010年の再ブレイク以後この世代を牽引。この年にNHK+民放各局で冠レギュラー番組達成。
■2021年(Hさん47歳)草なぎ剛
その前にも勿論大活躍はしていたが、この年に日本アカデミ賞ーの最優秀主演男優賞受賞。
エンタメとスポーツ。各界の華となった女子率の高いオブ・ザ・イヤー
<Nさん(1987-88世代)>
■1997年(Nさん10歳) 三浦大和
Folderのメインボーカルとして活躍。Nさんは当時同い年とは全く思わず。
■2000年(Nさん13歳) 辻希美・加護亜依
モーニング娘。オーディションに12歳で合格。同世代の有名人として強烈に意識。
■2003年(Nさん16歳) 長澤まさみ
映画『ロボコン』『世界の中心で、愛をさけぶ』主演。クラスの男子全員が彼女のことを好きだった。
■2006年(Nさん19歳) 佐々木希
人形のような美しさ。グラビア時代も含め衝撃。
■2008年(Nさん21歳) 安藤美姫
フィギュアスケート世界選手権優勝など輝かしい戦歴。
■2009年(Nさん22歳) 平野綾
アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』などをきっかけにテレビ番組にも多数出演。
■2016年(Nさん29歳) 渡辺直美
インスタフォロワー日本一など、人気が浸透し天下をとった感。
■2017年(Nさん30歳)水卜麻美
好きな女子アナで5連覇殿堂入りの快挙。
■2021年(Nさん34歳)鈴木もぐら
空気階段、キングオブコント優勝で大ブレイク。
3つの世代それぞれのオブ・ザ・イヤーの傾向で見えたものは…
一学年でも違うとメンツが全て入れ替わるので、それぞれの学年にそれぞれのスターがいるのがとても面白い。
また、序盤は子役やアイドル、中盤くらいでは俳優やスポーツ選手が出てきて、後半になると文化人や芸人の枠が強くなってくるという傾向は概ね同じで、それも興味深い。
我々キムタク・マツコ世代も50代に差し掛かり、ここから先はもしかしたら政治家や経営者などから新しい「同学年・オブ・ザ・イヤー」が出てくるかもしれない。100歳でブレイクした、きんさんぎんさんのような例もある。何歳になっても同学年の活躍はうれしい。
自分の世代というものを見つめ直すきっかけにもなるこの企画、皆さんもぜひやってみていただきたい。

文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太
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