「自分がコロナに罹ったという妄念が頭を離れない。
俺だけならいいが、もしそれが他人に感染ってしまったら?

ちょうど明日、編集のSさんがお見舞いに来る。
糖尿病を患っているSさんに感染すれば、
最悪、死に至ってしまかもしれない。

そうなる前に、俺が死ねばいいんだ」(相原)


――作中で描かれる首吊り自殺を試みるシーンが衝撃的でした。

相原 はい。でも結局、愛猫の“きゅんきゅん”に見つめられて断念するんですけどね。この子の前では死ねないと(笑)。その後も溺死を試みたりするのですが、辛くてやめてしまったり。

そういった細かな感情の動きもできるだけリアルに伝えてくて。そういった意味で、モンド映画のような「やらせ」はないですね。

――では、読者に向けて何かコメントを求められても難しいですか?

相原 そうですねえ。

でもあるとしたら、あんまり「心の病気」と思いすぎないでほしい、ってことですねかね、うつを。仕事のストレスとか、人間関係とかで塞ぎ込んでうつになっちゃう、みたいなイメージが強いと思いますけど、そうとは限らない。

ある日突然、なるんですよ。棋士の仙崎学の『うつ病九段』でも描かれてましたけど、特に心の問題を抱えていなくても、誰でも突然なる可能性がある病気なんです。

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【相原コージ】 俺がコロナにかかったせいで大切なひとを死なせてしまうかもしれない。それならいっそ、自分が消えてしまった方がいいのでは_1
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新刊情報

「うつ病になってマンガが描けなくなりました 入院編」5月17日発売
相原コージ
【相原コージ】 俺がコロナにかかったせいで大切なひとを死なせてしまうかもしれない。それならいっそ、自分が消えてしまった方がいいのでは_2
2023/5/17
1,650円
152ページ
ISBN:978-4575317992
「ベテランギャグマンガ家・相原コージ、コロナ禍の中、突如うつ病に。病いと戦う日々を真摯に淡々と描いたドキュメンタリーコミック!」コロナ禍の中、けがをきっかけに突如ネームが進まず悩み、仕事に支障が出るように…。コロナで外出がままならず、孤独な状況が続く。食欲がない日々が続き、体重は激減。ついには自宅の仕事場で自殺未遂を…。そして入院。閉鎖病棟にて病いと戦う日々に。
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