
役満ボディの異名をとる女性プロ雀士、岡田紗佳の現在地。「アマチュアは勝敗がすべて、プロはファンに応援してもらえる麻雀を打つ」
ニックネームは“役満ボディ”。モデルやグラビアアイドルとして活躍する一方、麻雀のプロスポーツ化を目指して発足したMリーグ、『KADOKAWAサクラナイツ』の一員としても大活躍する岡田紗佳さん。麻雀の魅力、麻雀プロの凄さを語ってもらった。
「職業は麻雀プロです」
――今年1月、『アメトーーク!』(テレビ朝日)出演をきっかけに人気沸騰。数多くのテレビ出演に加え、ポケモンカードゲーム大会参加、ビレッジヴァンガードとのコラボ企画など、いまや“無双”状態に突入しています。
ありがとうございます。無双状態かどうかは別にして(笑)、“キてる”という感覚はあるし、注目していただけるだけですごく嬉しいです。
ただそれは私の力ではなく、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」や、所属事務所、支えて下さる皆さんのおかげなので、私個人としては“ありがとうございます”という感じが強いです。

――昨年はメディアで岡田さんを紹介する肩書きが、“モデルで女性プロ雀士の”とか、“役満ボディの愛称をもつグラビアアイドルでMリーガーの”となっていましたが、今年は、“プロ雀士でモデルの岡田紗佳が”と、完全に逆転しています。
そう言われると確かにそうですね(笑)。
私の中では、Mリーグのドラフト会議2019で「KADOKAWAサクラナイツ」に指名されたとき、これからは“麻雀が柱になる”と覚悟を持って入団したので、そこからずっと麻雀を軸にした生活でしたが…そうですよね。そう言われると感慨深いです。
昨年までは、モデルやグラビアタレントで女性雀士の岡田紗佳でしたね(笑)。
――今職業は、と質問されたら?
麻雀プロです。次がモデルで、その次がグラビアで最後がタレントですね。
テレビは一過性のもので、ずっと出続けられるとは思っていないということもあるんですけど、麻雀は何歳になってもずっと打ち続けていられるので、今の私にとって軸は麻雀だし、職業は?と訊かれたら、迷わず“麻雀プロです”と答えます。
――Mリーグがスタートしたのは、岡田さんが入団する一年前、2018年でした。その時点で今の姿を想像できましたか。
全く想像できていませんでした(笑)。そもそもMリーグは私とは関わりのない世界だと思っていましたし、私自身の力もまるで足りていなかったです。
ドラフトされたときも、嬉しいというより「あそこで戦っていけるのかな」という不安の方が大きくて、一年目は不安を抱えながら戦っていたような感じでした。
――落ち込んだり、凹んでばかりの一年だった?
ずっとクヨクヨしていました(笑)。人間誰だってミスはするんですけど、そのミスを引きずってしまって。
うまく切り替えられないまま次の勝負に臨んで、ということの繰り返しです。麻雀はメンタルが大きく影響する競技なのに、肝心のそのメンタルがズタズタのままなのですから、いい麻雀を打てるはずなかったんですけどね。
最初の一年は、ひとりだけ暗闇の中に放り出されたというか、光の見えない海の底に沈んでいたというか…そんな感じでした。
優勝賞金は5000万円
――デビュー戦のことは覚えていますか。
全く覚えていません(苦笑)。相手が誰だったのか、自分がどんな麻雀を打ったのか。まったく覚えていないんです。
最初の一年で覚えているのは、ミスをしたことと、そこまで叩かなくたっていいんじゃないの!? と思うほど、完膚なきまでに叩かれたことです。
――「モデルのくせに」「タレントのくせに」といった批判の声はすぐにSNSに溢れます。
見たくなくても、勝手に入ってきちゃいますからね。それでまた落ち込むという負の連鎖の繰り返しでした。
――どうやって、そのどん底から這い上がったんですか?
先輩から「麻雀は、雀力じゃなくてメンタルの競技なんだよ」という言葉をかけていただいたり、チームメイトから「麻雀は楽しく打たなきゃ意味がないよ」とか、「大事なのは、勝つことより楽しく打つことだからね」とか肩を叩いてもらって。
気がついたら変わっていたという感じです。
――今は?
批判の言葉は、まったく気にならないです。
――それだけ強くなったと。
麻雀を打ったら自分が一番強いとは思っていません。そういう自信はまだないです。でもこれまで自分がやってきた努力への自信はあるので、もっと勉強して強くなりたいと思えるようになりました。

――思いが実を結び、ひとつの結晶となったのが、2021-22シーズンの優勝でした。
昨シーズンは、ファイナルを前にチームメイトの沢崎(誠)さんが入院してしまったり、堀(慎吾)さんが、本番直前に骨折してしまったりと、とにかく紆余曲折があって感情が揺れる一年で。前半戦、なぜか私は全然勝てなかったですし。
優勝できたことは誇れることですが、それより沢崎さんに優勝を届けられたということの方が嬉しかったですね。
――優勝賞金は5000万円!! すごいです。
賞金額を聞くとみなさんそう言うんですが、あくまでもチームに対して支払われる額です。1年間チームとして活動するために、それくらいのお金は必要なので、個人に入ってくるお金とは違いますよ(笑)。
岡田紗佳が考えるプロ雀士とは?
――“運”が大きく勝負に関わってくる麻雀という競技において、プロとアマチュアの差はどこにあると考えていますか。
あくまで私の考えですけど、勝敗がすべてというのがアマチュアで、勝つことだけじゃなく、ファンの人に見てもらって応援してもらう麻雀を打つのがプロだと思っています。
私が勝ったら一緒に喜び、私が負けたら同じように凹む。負けても“おかぴーは頑張った!”とか、“また次応援するから”と言ってもらえるようなる麻雀を打つのが、私が理想とする麻雀プロです。
――魅せる麻雀ではなく、見てもらう麻雀ですか。
魅せるという言葉の定義もすごく難しくて。自分の打ち筋を貫き通すことだというプロがいるかもしれないし、華麗な打ちまわしを魅せることだという人もいるかもしれません。
でもモデルから麻雀プロになった私にとって見せるべきものは、やれることを一生懸命やる姿で、それを見てもらうことでもっと麻雀を好きになってくれたら、それが最高だなと思っているんです。

――ただでさえ難しいその麻雀プロの世界に、チーム戦というそれまでになかった要素を取り入れたのが、Mリーグです。
そこなんです! 私を応援してもらうだけじゃなくて、チームのことも応援してもらわなきゃいけないし、負けが私ひとりの負けじゃなくてチームの負けに直結してしまう。
しかも私たちサクラナイツは、「KADOKAWA」という名前も背負っているので、そのプレッシャーはハンパじゃないです。
――チームとして戦う上で、岡田さんが大切にしていることはなんですか。
自分が勝つことが一番大事ですが、極論を言ってしまうと私が負けても他の3人が勝てばOKなんです。そのためには、みんなが万全な状態で勝負に臨んでもらえるような雰囲気づくりや環境づくりが大切だと思っています。
――その岡田さんから見て、サクラナイツはどういうチームですか。
他の7チームのことは知らないので比較できませんが、チームワークに関してはどこのチームにも負けない最高のチームです。
――信頼関係もバッチリ?
みんなが出て行った後の楽屋はもう、めちゃくちゃで。もしかして…この人たちは麻雀以外のことは、何にもできない人たちなんじゃないかと思うこともありますが(笑)。
こと麻雀に関しては、みんなすごいですから。なんでも言い合える頼りがいのある仲間です。
取材・文/工藤晋
写真/八坂悠司
スタイリング/木村美希子
ヘアメイク/玉井朱音
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