Q.1 「ココハナ」で連載されていた、幼なじみ同士の楓とハルの恋模様を描いた『おとななじみ』の実写映画が、本日より公開されます。連載中の『狼に鈴』コミックス3巻のあとがきで「2023年カワデミー賞最優秀カワイイ賞受賞決定しちゃいましたね。カワイイ!!!って声出ちゃったもんね」と感想を書いていらっしゃいましたが、特に「カワイイ」と思われたのはどういった部分ですか?
また、井上瑞稀さん(HiHi Jets/ジャニーズJr.)演じるハルと、久間田琳加さん演じる楓をスクリーンで観た感想をお教えください。
映画は本当にどこを切り取ってもかわいくてカワイイ報告ボタンを持っていたら押しすぎて壊していたと思います。
まず画面いっぱいに現れた天使・久間田琳加さんに心臓が止まりました。私が描く絵の100万倍可憐でかわいくて、その時点で今年一カワイイ映画に決定しました。おめでとうございます。ありがとうございます。
またそのかわいい久間田さんが原作通り怒りまくらないといけないんですが、怒り方までかわいいんです。表情も仕草も声も見る人を全員虜にしてしまうかわいさです。怒っている人を見てこんなに胸がときめくことってある?!と思いました。
原作上、楓は「いつも怒っているうえにモテる」という下手をすると嫌われてしまうようなキャラなんですが、久間田さんが丁寧にかわいく表現してくださったおかげで世界一かわいい女の子が生まれていました。ありがとうございます。
ハル役の井上瑞稀さんもまた、かわいいとかっこいいのバランスが絶妙で虜になってしまいました。全編通して井上さんの持つアイドル力がキラキラ輝いています。原作のせいでだいぶおバカな役なのですが、そのおバカをカワイイと愛しいでまるっと包んで表現されていて、原作超えの愛されハルを生んでくださいました。
ハルはなんとなく男の子向けアニメの熱血男子主人公をイメージして描いていたのですが、井上さんったらビジュアルが良い上にお声もすごく良くて、本当にアニメを観ているみたいでした。すべてが完璧です。
フラッシュモブのシーンでは一転、あまりにもかっこよくて笑うところであることを忘れてしまいました。あと1時間くらい踊っていてほしかったです。観た人みんながそう思うはずです。
井上さんも久間田さんも何もかもが良すぎて人間であることが信じられないんですよね。
私はまだどなたかがめちゃくちゃ上手に描かれた2次元の絵だと思っています。もしくは天使です。

【漫画あり】井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)&久間田琳加ダブル主演で実写映画公開! 『おとななじみ』原作者・中原アヤが断言。「今年一カワイイ映画に決定しました!」
本日5月12日より、2019年から2021年にかけて漫画誌「ココハナ」にて連載されていた『おとななじみ』の実写映画が全国公開される。同作は、“両片想い”のまま大人になってしまった幼なじみ同士の恋模様を描いた人気作だ。原作者の中原アヤ氏に、書面でのQ&A形式で『おとななじみ』にまつわる想いや実写映画の感想など、ユーモアたっぷりに回答してもらった。
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#4(前編)
映画『おとななじみ』は、どこを切り取ってもカワイイ!!!

『おとななじみ』より。ハル(左)と楓
Q.2 劇中で特に印象的だったシーンをお教えください。原作が生かされていてうれしかった部分、原作とは違っていておもしろかった部分なども、もしあればぜひお願いします。特にハルが落ち込んだときになる、「人の形を保て」ない「謎の生命体」状態の絵が大好きなので、実写でどう描かれるのか否かが気になっております。

『おとななじみ』より。落ち込むと「謎の生命体」になるハル
映画化のお話を聞いて最初に「ハルが黒い謎の生命体になるシーンはどうするんだろう……」と思いました。
言うて実写映画だしこんなアホなところはきっと全カットでしょう……と思っていたらそのまま再現していただいていてめちゃくちゃびっくりしましたし、その再現度の高さに驚きました。
演じていただいた井上さんには申し訳なさもすごいのですが、本当にモゾモゾした謎の生命体になってくださっていて……なんかモゾモゾ動いていてめちゃくちゃかわいくて……
本当に描いてよかったなあと思いました。
原作にない部分だと、楓の仕事面でのお話を丁寧に描いていただいたのがうれしかったです。脇役までそれぞれ生き生きと描いてくださっていて、スピンオフとしてもっと他のお話も見たいと思いました。
伊織と美桜を演じてくださった萩原利久さんと浅川梨奈さんもすごく良くて、原作で2人のお話をもっと描いておけばよかったと思ったくらいです。

『おとななじみ』より。伊織(左)と美桜(右)
「何も考えず楽しくなれるものを提供したいという
気持ちがより強くなりました」
Q.3 映画版を観たことで、あらためて『おとななじみ』という作品について思うこと、思い出すことなどをお教えください。
映画『おとななじみ』を観た後、すごく楽しくて幸せな気持ちでいっぱいになりました。改めて私は漫画を読んだ読者さんにこういう気持ちになって欲しくて描いているんだなぁと思いましたし、そのまま映画にしていただいたことに感謝しています。
『おとななじみ』を描いている途中でコロナ禍になり、自分が生きる糧としているもの全部がなくなってしまいました。
世の中の人みんなが同じ状況にある中で、エンターテインメントを作る人間としてただ何も考えず楽しくなれるものを提供したいという気持ちがより強くなりました。なったのですが、いかんせん自分自身も元気がなくなってしまったもので、笑いを作るのにいつも以上に努力が必要でした。
なので『おとななじみ』を描いている間、特に後半はしんどすぎて死んだ顔でうんこを描いたりしていました。よく頑張った自分を褒めてあげたいですし、うんこに感謝しています。
Q.4 原作のハルと楓が「幼なじみじゃなくなった」シーンでは、2人とも過剰に泣くことなく、それまでの延長線上で幸せになったように見えてとても素敵でした。こうした恋愛のクライマックス(に限らず恋愛全般でも)を描くうえで、特に意識していることがあればお教えください。

『おとななじみ』より
ありがとうございます!
恋愛中心の少女漫画を描くにあたっては、あまりつらいことや悲しいことがないよう、出来るだけハッピーな気持ちだけ残るように意識しています。
現実世界が既にしんどいのに漫画でもしんどい思いをしないでほしい! 頭は使わないでほしい! 今だけバカになってほしい!と思って描いています。
Q.5 以前、「私は漫画を描くときに会話のテンポを一番大事にしたいと思っている」とおっしゃっていましたが、拝読していてもやはり登場人物たちの会話に笑ってしまいます。
『おとななじみ』では蝶子さんのお店で美桜→ハル→蝶子の流れで「うんこ」の話をしていたところのテンポが気持ちよく、爆笑しました。ご自身で特に気に入っている会話のシーンがあればお教えください。

『おとななじみ』より。テンポの良い会話が楽しい
ありがとうございます!
逆に私の個性は会話のテンポしかないと思っているので、テンポを失うことは漫画家としての死を意味します。
考えれば考えるほどテンポを失うので、漫画を作るうえで先のストーリー展開や方向を決めてしまうとすべてがダメになってしまいます。ただノリと勢いで思いついた会話を書き綴っているので、自分でも先のことはわかりません。偶然出てきた会話に合わせて展開が決まります。
なのですごく考えたセリフなどはほとんどなく、何も覚えてないんです。書いたセリフを……何も……覚えてないんです……。なんかすごいうんことか言っていた気はします……。なんでもうんこで解決しようとする……ひどい…。うんこに感謝しています。
『おとななじみ』第1話を読む
漫画の続きは下のボタンから!

質問文作成/門倉紫麻
『おとななじみ』(集英社)
中原 アヤ

2019年7月25日発売
484円(税込)
新書判/176ページ
978-4-08-844228-0
漫画の購入はコチラから
弁当屋で働く加賀屋楓(24)は小さいときから近所の青山春(ハル)とおさななじみ。楓はハルに片想いしているが、鈍感なハルは振り向いてくれない。けれどいつでも楓を助けてくれる「騎士」のハル。そんな中、ハルにアタックしてくるゆるふわ女子や別のおさななじみ男子・伊織も参戦して、やっと恋が動きだす──!?
『狼に鈴』(集英社)
中原 アヤ

2022年4月25日発売
528円(税込)
新書判/184ページ
978-4-08-844643-1
漫画の購入はコチラから
桜川鈴は日々仕事を頑張るアラサー女子。忙しい朝の癒しは同じ電車に乗ってくる「イケメンなあの人」を見ること!…だったのだが、「あの人」が××××になったり、「惚れてまうやろ!!」な事件が起き、毎日がドキドキの日々に様変わり!?
関西弁男子にキュンが止まらないラブコメディ開幕!!
【収録作品】おとななじみ番外編。
マーガレット・別冊マーガレット60周年

【漫画あり】「嫌なことを全部忘れられるような漫画にしたい」キュンが止まらないラブコメディ漫画『狼に鈴』作者・中原アヤが、ハッピーな世界を描き続ける理由
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#4(後編)

【漫画あり】「最も多く発行された単一作者の少女漫画コミックシリーズ」として『花より男子』がギネス世界記録に。作者・神尾葉子「花男はマーガレットだから描けた」
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#1(後編)

【漫画あり】リアルな“大人の三角関係”にハマる、タワマンが舞台のラブストーリー『200m先の熱』の作者・桃森ミヨシ「本作は集大成だと思って描いています」
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#3(前編)

【漫画あり】「説明するんじゃなくて絵で表せ、と鉄骨にはよく言われて」『200m先の熱』作者・桃森ミヨシが明かす、漫画家・鉄骨サロとの共同制作秘話
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#3(後編)

【漫画あり】「君に届け展 “すき”のちから」が9月より開催決定! 漫画家・椎名軽穂が振り返る『君に届け』へ込めた想い「爽子はこれまで描いたことがないスーパーヒロインでした」
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#2(前編)

【漫画あり】「一生懸命な人は応援したくなるし、読んでいて気持ちがいい」––『君に届け』作者・椎名軽穂が「自分が描くのは少女漫画」と心に決める理由
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#2(後編)

【漫画あり】「最初から道明寺に決めていたわけではなかった」–––『花より男子』神尾葉子が振り返る名作へ込めた想い。誕生30周年で特別展覧会も開催
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#1(前編)
関連記事

【漫画あり】「嫌なことを全部忘れられるような漫画にしたい」キュンが止まらないラブコメディ漫画『狼に鈴』作者・中原アヤが、ハッピーな世界を描き続ける理由
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#4(後編)

【漫画あり】「最初から道明寺に決めていたわけではなかった」–––『花より男子』神尾葉子が振り返る名作へ込めた想い。誕生30周年で特別展覧会も開催
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#1(前編)


【漫画あり】リアルな“大人の三角関係”にハマる、タワマンが舞台のラブストーリー『200m先の熱』の作者・桃森ミヨシ「本作は集大成だと思って描いています」
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#3(前編)

【漫画あり】「君に届け展 “すき”のちから」が9月より開催決定! 漫画家・椎名軽穂が振り返る『君に届け』へ込めた想い「爽子はこれまで描いたことがないスーパーヒロインでした」
「マーガレット・別冊マーガレット60周年」特別インタビュー#2(前編)

新着記事
シティポップの次にくるのはコレ! バンドブーム前夜=1980年代邦楽インディーズ時代の名盤10選
チキチキ神輿(みこし)大レース!!


日本の女子高生が絶好のカモにされている。なぜ日本の女の子たちはSNSを戦略的に駆使した韓流ゴリ押しの典型的な手口にハマるのか?
フィフィが考える日本の9大タブー#2
フジテレビ渡邊渚アナ、高校の友人にゴリゴリに勧誘されて入部したバレーボール部。「万年ベンチだったけど楽しかった」その理由
フジテレビアナウンサー渡邊渚エッセイ 「カタツムリになりたくない」 vol.5