「マーガレット」では「感情の波」で物語を作っていた

——「マーガレット」「別冊マーガレット」が60周年を迎えました。桃森先生は『ハツカレ』『悪魔とラブソング』『皇子かプリンス』、そして鉄骨サロ先生と共作の『菜の花の彼-ナノカノカレ-』『愛が死ぬのは君のせい』と、長く「マーガレット」で連載してこられました。今、『200m先の熱』で「クッキー」に連載場所を移されてみて、あらためて「マーガレット」はどういう雑誌だと感じていますか?

「マーガレット」で描いていたときは、「感情の波で作る」というのが私にとっては大きかったですね。それが少女マンガであり、月に2回出るというサイクルの雑誌の作り方のような気がします。

1回のページ数が25枚しかないので、その中に盛り上がりを作るとなると、キャラクターのその時々の感情を優先して描くことがまずは大事になってくる。淡々と描いていたら、読者が退屈してしまうので。当時は最終地点を定めずに始めて、毎回お話を考えていました。

ライブ感がありますよね、「マーガレット」って。「クッキー」は1話60ページを超えるので、感情だけを追わずに、生活のリアルな部分や街の空気感のようなものも淡々と描くことができる。目線が俯瞰的になっているんですよね。そこが「マーガレット」との一番の違いだと思います。