宮沢氷魚にベッドシーンの“振り付け”をし、鈴木亮平にゲイの所作を指導…映画『エゴイスト』が日本映画で初めて導入した画期的な仕事とは_1
© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会
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──ミヤタ廉さんは性的マイノリティに関するセリフや所作、キャスティングなどを監修するLGBTQ+インクルーシヴ・ディレクターとして、Seigoさんはセックスシーンなどの「インティマシーシーン」における動きや所作を監修するインティマシー・コレオグラファーとして参加されました。『エゴイスト』に携わることになった経緯から教えてください。

ミヤタ廉 僕は鈴木亮平さんのヘアメイクをずっと担当していて、『花子とアン』(2014)の頃からのお付き合いなんです。『エゴイスト』に関しても、最初は作品全体のヘアメイクとして携わる予定でした。

──製作段階からLGBTQ+インクルーシヴ・ディレクターという役職があったわけではないんですね?

ミヤタ廉 そうですね。準備段階の台本を読ませていただいたときに、亮平さんから「違和感を抱く部分はありませんか?」など、ゲイの当事者としての意見を求められたんです。この段階では亮平さん演じる浩輔がゲイの友人と遊んだりするシーンが出てこなかったので、「原作でも描かれている友達との場面がもっとあるとリアリティが増すかもね」など、いくつか意見を伝えさせていただきました。

その後、監督や亮平さんたちが当事者に取材を重ねていく段階で、原作者の高山真さんを知るドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダさん(浩輔の友人役として出演)を、知り合いを介してご紹介したりしました。

そういうことをしていくうちに、ヘアメイクを担当しながら続けることが難しいと思い、プロデューサーの明石さんに「ヘアメイクとしては登場人物のビジュアルデザインとして担当し、それとは別で監修というポジションで入っていいですか?」と提案したんです。

宮沢氷魚にベッドシーンの“振り付け”をし、鈴木亮平にゲイの所作を指導…映画『エゴイスト』が日本映画で初めて導入した画期的な仕事とは_2
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──インティマシー・コレオグラファーのSeigoさんは?

Seigo 僕も実は同じ感じでして。劇中では、宮沢氷魚さんが演じる龍太が隠れた職業として「売り」をしている設定なのですが、僕自身がそういう仕事に触れていた経緯から、ミヤタさん経由で監督と一度お会いすることになったんです。

その後も取材として何度か、監督と龍太の細かい心情などをお話させていただくうちに、「想像だとわからないので、撮影現場に来て見てほしいです」と言われまして。最終的に、現場でお手伝いさせてもらうことになったんです。

龍太のお客さん役として登場する人も、何人か紹介させていただきました。3名登場するお客さんのうち、ふたりはオーディションで選ばれた僕の知り合い。そのうちひとりは、まったく演技経験のない方です。

ミヤタ廉 監督からSeigoをインティマシー・コレオグラファーとして迎え入れる話を聞いて、周りからも絶対的に信用されてる人ですし、何よりスタッフやキャストからしたら、とても頼もしい存在になる! と思いました。