【逃げデビュー】ボクの逃げ人生は中学時代のあの出来事から始まったんだ。「母さん、部活辛い、辞めたい」(8)

中川学の中学１年時の担任で部活の顧問だった相原先生。
彼は苦労人で厳格な人だった。

「教室でも部活でも相原先生と一緒では息が詰まる」

部活をやめたい。絶対にやめたい。しかし、先生が怖くてなかなか言いだせない・・・。
でも言わなければ・・・。中川は、意を決して退部の申し出をしようとした。

「相原せんせェー!!　ちょ、ちょっとお話があるのですが・・・」

勇気を出して切りだすと、先生はこう答えた。

「放課後、そうじが終わったら理科室に来なさい」

中川の方を見ることなくそう言った先生の背中からは、嫌な予感が漂っていた。