大阪の夜界と芸能界

ガーシーが恐れているのは警察ではなかった。74年ぶりの「招状」も日本に戻ってこられない本当の理由_1
すべての画像を見る

2022年、日本の芸能界を総ウツ状態に追い込んだのがYouTuberのガーシーこと東谷義和である。それまで「極秘」であった芸能人の下半身事情を、自分とやりとりしたLINE、写真などの証拠を付けながらSNSで公開。下半身スキャンダルのスッパ抜きは「文春砲」で知られる週刊文春の独壇場だったが、「ガーシー砲」と呼ばれ暴露系の代名詞ともなった。

ガーシーが芸能人の乱倫を知っているのは、自分がストックしている女性と芸能人をマッチングしていたからだ。兵庫県伊丹市出身のガーシーがこの個人ビジネスのノウハウを覚えたのは、夜の大阪だった。キー局が東京にあることから、ほとんどの芸能事務所、レコード会社の所在地は東京だ。したがって芸能人の生活圏も東京ということになる。

2011年、当時、超売れっ子だった島田紳助が引退したが、2022年現在でも島田が取り仕切っていた番組の一部は継続している。ある日、ある芸能人が突然芸能界を去ってもコンテンツがなくなることはない。

華々しく見える芸能人たちは「自分の代わりはいくらでもいる」という強烈なストレスの中で生きている。泳ぎ続けなければ死んでしまうサメのごときものだ。もちろん芸能人は「ヒト」であるから、その日常はストレスフルなものになる。

そんな在京芸能人にとって「大阪の夜」は「オアシス」だ。

大阪は東京に次ぐ2番目の経済圏で毎日放送(MBS=TBS系)、朝日放送テレビ(ABC=テレビ朝日系)、関西テレビ放送(KTV=フジテレビ系)、讀賣テレビ放送(ytv=日本テレビ系)の4つの準キー局が所在。各々が独自のコンテンツを製作している。「ミヤネ屋」(ytv)のように東京に配信している番組もある。

在京芸能人が大阪で収録をする場合、最低でも1泊が必要になることがほとんどだ。しかも関西には週刊文春や週刊新潮の目が届きにくい。こうした事情から、知られざる「乱倫」が行われやすくなるのだ。