「役に立つ」知識を手っ取り早く身につけ、他者を出し抜き、ビジネスパーソンとしての市場価値を上げたい。そんな欲求を抱えた人たちによって、ビジネス系インフルエンサーによるYouTubeやビジネス書は近年、熱狂的な支持を集めている。

一般企業に勤めながらライターとして活動するレジー氏は、その現象を「ファスト教養」と名づけ、その動向を注視してきた。「ファスト教養」が生まれた背景と日本社会の現状を分析し、それらに代表される新自由主義的な言説にどのように向き合うべきかを論じたのが、『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』(集英社新書)だ。

今回は本サイトで「21世紀のテクノフォビア」を連載している、ライター・編集者の速水健朗氏とともに、ファスト教養の背景にあるメディアの変化について考える。

「インフルエンサーが教養を語るようになった」背景とAKB総選挙‗01
『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』(集英社新書)
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