アクティメソッドでは、小学1年生〜中学3年生までを対象に、タイピングを用いた独自の英語指導法を実施している。
運営者の株式会社iGO代表の小林京美さんが英会話教室をスタートしたのは20年以上前。専業主婦として子育て中に自宅で始めた教室が口コミで評判を呼び、生徒数も増えていったが、小林さんはある葛藤を抱えるようになっていく。
「子どもたちが英語に慣れ親しむための工夫はしていました。ですが、『かけた時間に見合うだけの英語力を身につけさせることはできていないのではないか』と感じるようになっていったんです」
よりよい指導法を見つけるべく模索を続けた小林さんが、アクティメソッドの原型となる「タイピングを用いた英語学習」にたどり着いたのは2014年のこと。
「ある日、自宅のパソコンのキーボードにアルファベットが並んでいるのを見て、ふと『これをそのまま英語学習に使えるのではないか』と思ったんです。
以前から、私が感じていた課題に『スペル』がありました。多少の英語は読める子でも『スペルを覚える・正しく書く』ところでつまずく子がとても多い。
中高生で本格的に英語を学ぶようになると、英単語を何度も紙に手で書いて暗記することに時間を費やされ、苦痛になっていく。その結果、『英語を理解できる・話せる楽しさ』にまで行き着かない子が多いのではないかと感じていました。
『英単語を覚えること』が目的なら、イヤイヤ手で書いてがんばって覚えるより、ゲーム感覚で取り組めるパソコンのキーボードを活用したほうが効率よく楽しく学習できるのではないか」
仮説ベースだったが、きっとうまくいくという確信があったそうだ。
学習歴3ヶ月で英検5級に合格した子も。子どもの英語学習に、タッチタイピングが効率的なわけ
早期英語教育への関心が高まる中、タッチタイピングで英語力を鍛える新しい英語学習法「アクティメソッド」がシェアを拡大している。通常の書き取り学習と比べて5〜10倍もの速さで英単語を習得できるというこのメソッドで、効率的な英語学習ができる理由とは。
パソコンを使えば、英語学習はゲームになる
声に出して、タイピング。英語力を効率よく身につける
アクティメソッドの授業は、従来の英会話教室とは大きく異なる。基本的に、生徒は各自でパソコンを使い、学びを進めていく。
1時間の授業のうち、前半の約30分は動画形式の授業でテキストに取り組む。後半の約30分が、専用ソフトでタイピングをしながら英単語を学ぶ時間となっている。いずれも、テンポ、スピード感、反復が重視された内容だ。
「アクティメソッドは、いわゆる『先生と英語でコミュニケーションを取りながら楽しい時間を過ごす』場所ではありません。
各教室にスタッフがいますが、生徒が自宅で練習してきた音読のチェックやタイピングのサポートなどをするのが主な役割。先生というよりも『コーチ』というイメージです」
前半の動画の授業では、動画を視聴するだけではなく、アルファベットや英単語などの『発語』が次々と促される。また、後半で使う専用タイピングソフトは、発音を聞いた後にスペルを打ち込む仕様になっているので、正しい発音とスペルの2つを同時に習得できる。
授業日以外の自宅での学習時間は「1日10分」で十分だという点も、学習を継続しやすいポイントだと言えるだろう。
「『質のよいインプットを短時間、継続して毎日習慣化すること』が、英語が着実に身につく方法です。必要なスキルを効率よく獲得することは『タイムパフォーマンス』の面でも優れていると思います」
このやり方で、アクティメソッドに通うほぼすべての生徒が小学生時に英検に合格。なかには4歳で英検5級に合格した子や、英語学習歴3ヶ月で英検5級に合格した子、半年で英単語を1000語マスターした子もいる。全国英語タイピング大会で優勝したり入賞したりする子もめずらしくない。

短時間で良質なインプットを継続することが、英語の習得につながる(画像:株式会社iGO提供)
頭の中にキーボードが浮かんでくる
アクティメソッドでは、最初に「タッチタイピングの指導」を徹底。英語学習はその後だ。
「最初は『正しい指使い』を繰り返し指導し、習得してもらうことが最優先。自宅での練習も必要ですが、未経験者でも平均3ヶ月程度で、ほとんどの生徒ができるようになります。
小学校低学年でタッチタイピングを習得しておけば、学校でパソコンを使う授業もスムーズに取り組めますし、進学・就職後も役立つ一生モノのスキルになります」
タイピングで英語を学ぶことに慣れると、こんなメリットもある。
「たとえばそろばんを習っていたことがある人の場合、暗算をするときにそろばんの盤面を思い浮かべて計算するという人も多いのではないでしょうか。
英単語をタイピングで学習することに慣れておけば、英語を書くときや話すときにスペルを忘れてしまっても、頭の中にキーボードをイメージすることで思い出せる。実際に、生徒や保護者の方からそういった声もよく聞きます」
スコアを上げたい! ゲーム感覚で達成感も
タイピングで英語を学ぶというと一見、難しそうな印象もある。しかし、タイピングだからこそ「ゲーム機をキーボードに変える」ような感覚で取り組めるのだそう。
「指使いの練習や英単語のタイピングにはすべて『スコア』が出るようになっているので、生徒は現段階での自分のレベルの可視化ができます。
そのため、勉強というよりも『スコアを上げたい』とゲーム感覚で上達していく子も多い。親としても、子どもの到達度を客観的に把握できるメリットもあります」
タイピングで英単語の練習をする場合、通常の書き取り練習と比べて5〜10倍もの速さで習得できるのだという。
「慣れてくれば、英単語を10回キーボードで入力するのにかかる時間は30秒程度。同じ10回でも、すべて手で書く場合と比べて時間を大幅に短縮できます」

パソコンを使った英語学習は「ゲーム好きな子」にもぴったり(画像:株式会社iGO提供)
中学校で学ぶ英単語を先取りし、世界を広げる
アクティメソッドの目標のひとつが「小学生のうちに、中学校で学ぶ英単語数をマスターすること」。
今の中学生が3年間で学ぶ英単語数は、2000年代から約2倍の1600〜1800語に増えているが、アクティメソッドではそれらの単語を中学校入学前に習得することが可能だ。
「中学校に入学したとき、教科書に書かれた英単語の意味がわかる状態で勉強をスタートできれば、結果として、文法のルールを覚えたり、テストの問題を解いたりすることのハードルが下がります。英語への苦手意識もなく、英単語をゼロから暗記する必要もありません」
小林さんが考える英語学習のゴールは「相手の言っていることがわかり、自分の考えを伝えられる」こと。
「義務教育レベルの英語をしっかりとマスターするだけでも、必要な英語力は身につくと考えています。英語を理解できて話せるスキルが身につけば、必ず、その後の自分の人生において世界が広がると思うんです。
そのためにも、小学生のうちになるべく短い時間で効率的に『中学レベルの英単語を盤石にしておく』ことが重要だと考えています」
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