依存症の目安は「平日3時間以上」

ゲームやスマホ、過食・拒食など、我が子の依存行動が気になって親が受診を勧めても、本人が嫌がることも少なくない。しかし「無理やり受診させることは避けたほうがいい」と前田先生は言う。

「たとえ病院へ連れて行くことができたとしても、途中で来なくなる・アドバイスを聞き入れないなど、治療が続かなくなってしまうケースも珍しくありません。

受診をさせる前に『このまま依存行動を続けても、結局は苦しさが増してつらくなっていくだけで、何もいいことはない』とわかってもらうことが先決です。本人も、どこかではそのことに気づいているはずですから」

病院を受診する目安としては、たとえばゲームやスマホならば「平日に3時間以上やっているかどうか」がひとつの判断基準になってくるという。

「受験生の子どもの場合、平日は学校を終えて塾へ行く・または自宅などで勉強をするという過ごし方が大半ですよね。

『休日に長時間やる日がある』程度ならば問題ありませんが、平日の限られた時間のなかで毎日3時間以上ゲームやスマホをやっていれば、少なからず学業や睡眠に支障が出てきてしまっているはずです」

HSCや発達障害の子どもも要注意

前回の記事では「親に何でも話せる関係性の子どもは依存症になりにくい」と紹介した。一方で、家庭環境に問題がない場合でも、依存症になりやすい子どもたちもいるそうだ。

「たとえば、人一倍敏感なHSCや、見通しを立てることが苦手なASD、注意散漫になりやすいADHDなどの発達障害(またはグレーゾーン)を持つ子どもたちは、そうでない子どもに比べて、受験勉強のストレスをより抱えやすいところがあります。

それぞれに強みもある一方で、適切な発散方法を持っておらず、受験へのストレスが強い場合は、依存行動に走ってしまうこともあり得ます」

繊細で感受性が強いHSCは、人口の約5人に1人と一定数存在する。また、知的な遅れを伴わない発達障害児の場合、子どもに合う環境を求めて中学受験をさせるケースもある。

たとえ親子関係が良好であっても、「生まれ持ったもの」が要因で依存症を引き起こすリスクもゼロではないということも、親として頭に入れておきたい。