「手取り15万円の仕事では生きていけない」

「手取り15万円」がトレンド入りするのは、本当に政府の責任なのか?_1
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不景気に伴い、近頃の日本では、自分の置かれている経済的な状況について抗議の声を上げる人が増えている。たとえば、Twitterではしばしば「手取り15万円」などの単語がトレンドに入り、多くの人が「こんな給料では生きていけない」と訴えている。

また、食品価格の高騰によりファストフードなどの飲食店やカップラーメンなどの加工食品も値上げされたことで、食費が生活費を圧迫するようになったことを嘆く人もいる。
 
このような抗議に対して、「個人が努力や工夫などをすることで問題に対応すべきだ」といった反論がされることもある。

抗議の声をあげている人に対して「手取りが15万円になるような仕事を続けるのは止めて、もっと条件のいい環境に転職すべきだ」「外食や加工食品の購入はやめて自炊を行い、安価な食材でも美味しく食べられるように調理を工夫すればよい」といったアドバイスをする人がいるのだ。

その一方、いわゆる「左派」の人々は、こうした「個人による努力や工夫で問題に対応する」という考えに「自己責任論」というレッテルを貼って批判する。

彼らによると「給料の低さや物価の高さなどの原因は政府の失策にあるのだから、これらの問題に対応する責任は個人ではなく政府にある」、そして「困っている個人に対して転職や節約を勧めることは政府が担うべき責任を個人に転嫁する悪質な発想である」と主張するのだ。

また、左派の人々は、本人が富裕層でもないのに「個人の努力も必要だ」と思っている人たちのことを、権力者たちによって自己責任論を植え付けられた、いわば「洗脳」させられた存在だと見なしている。