愛護センターにいた状態のいいキジトラ猫が教えてくれたこと

アニマル・ドネーション(以下アニドネ)の誕生のきっかけは、代表の西平氏が自身の家族として迎えたトイプードルと愛護センターで出会ったキジトラ猫だったそう。

「会社員時代は忙しくて、ペットを飼いたくても飼えなくて…。退職後、ヘアサロンの経営を始めて少し時間に余裕ができたので、トイプードルを飼い始めました。
子犬の頃からお腹をよく壊す子だったので、いろいろ調べ始めていた時にワークショップで動物愛護センターに行くことに。そこにきれいなキジトラ猫がいて、とても大切に育てられていたことがわかる毛並みがつやつやの子でした」

西平氏にはその猫が、健康面でも精神面でも問題がないように思えて、なぜ愛護センターにいるのか、職員の人に聞くと「飼い主さんが高齢でしかも一人で入院することになり、飼い続けることができなくなったため連れて来られた」という事情だった。

「この子の今後が気になり尋ねると『成猫なので引き取り手が少なく、もしかしたら処分になるかもしれません』と言われ、愕然としました。
当時、社会問題となっていた『独居老人』とも重なり、ペットだけでなく人間もつらい思いをしている場合もあることがわかり、人間もペットも両方救える仕組みを作りたいと思ったのがきっかけです」