違和感を否定しないで!

「多様性」や「自分らしさ」を祝福するムードの中で、「性教育」の前提の知識を学んでおきたい、という人が増えている。本屋には「ジェンダー」や「フェムテック」とタイトルのついた書籍がずらりと並び、YouTubeで指原莉乃やSHELLYといった著名人が生理について率直に語る動画も増えてきた。それでもまだ、“性教育後進国”とよばれる日本での学びは圧倒的に足りていない。

身体について語ること、知ることは「恥ずかしい」とされてきたが、正しい知識を身につけることが意志のある妊娠・出産、性感染症予防、性暴力の根絶など私たちのウェルビーイングのために必要ではないだろうか。

最近では「包括的性教育」という言葉も使われるようになってきた。ユネスコが2009年に発表した性教育に関する指針の日本語訳で、人間の体と発達だけでなく、ジェンダー平等や性の多様性、性的同意など「人権尊重」を基盤とした性教育を指す。

つまり、リスペクトが基本だということ。それは、スウェーデンで出版され、世界16か国で翻訳されている性教育本『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』でも、1ページ目に大きく書かれている。

どうしたらお互いに気持ちいいセックスができるかを、よく男の子たちによく聞かれるんだ。それに対してぼくは、リスペクト、つまり相手を尊重する気持ちがいいセックスと愛の基本だ、と答えている(『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』より)